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from: ハマジンさん
2010年12月28日 12時00分45秒
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地の果てから(下) 乃南アサ
小樽での奉公から知床に帰ったとわは、昔、山で知り合ったアイヌの青年・三吉と再会する。しかしとわは、彼への思いを秘めたまま斜里へと嫁ぐ。夫と古着の商売を始めたとわは、子供を生み育てひたすら働き続ける。やがて戦争が北の果てにまで暗い影を落とし始める。
厳しく美しい知床の自然に翻弄されながら、ひたすら大正から昭和の時代を生き抜くとわの半生記の後半。
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自分の生き方も人生も何ひとつ選ぶことが出来ない時代。
とわの母は夫に従い、福島から未開のさいはての地に来ます。そこで生まれたとわの世界も非常に狭くそして貧しくて、そこには選択の余地など何もないんです。
そんな時代が確かにあり、とわのような賢く強い女性も、生まれた時代によって自分の気持ちを殺して運命に従うしかなかったんですね。今、自分の生き方を自由に選べることがいかに有難いことなのかを実感しました。
知床の語源はアイヌ語の「シリエトゥク」…地の果てという意味だそうですね。オホーツクの厳しく冷たい空気の中に凛とした強さが光る文章でした。会話が全て東北の方言(ズーズー弁)で書かれているのも斬新でした。
「なんとしてでも生きていかねばなんねえよ」というとわの言葉が尊いです。とてもよい本でした。-
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