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from: ハマジンさん
2011年02月17日 14時46分08秒
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灰色の虹 貫井徳郎
内気で真面目な青年がある日、見に覚えのない罪で取り調べを受ける。刑事の恫喝に耐え切れず自白をしてしまった江木雅史はその瞬間、家族も恋人も仕事も全てを失う。灰色の人生の中、出所した雅史は復讐を誓う。
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雅史は会社の上司の言動に初めてキレて胸ぐらをつかんだ。ところがその夜にその上司が殺されてしまう。当然、昼間の事件が刑事の耳に入り任意で話を聞かれる雅史。その時刻にアリバイがなく彼を現場近くで見たという証言者まで何故か現れ、刑事の執拗な追及と脅しに遂に雅史は自白を…。
こうして冤罪は作られるのか、と怖くなりました。
やがて雅史の事件に関わった刑事や検察官たちが襲われて、山名刑事は雅史が復讐をしているのではないか?と疑う。山名自身も恋人を暴漢に殺されたというつらい過去があり、復讐鬼となった雅史に強い関心を抱くのです。
雅史の不幸な6年間と、それに絡んだ刑事・検察官・弁護士・裁判官、そして目撃者達のそれぞれの人生が丁寧に描かれていて読み応えがあります。面白いです。
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それにしても、最初に警察に疑われたら終わりだなと思った。犯人に仕立てあげるストーリーが出来てるんだもんね。
検察はやってもいないのに何故自白をしたのかと言い、弁護士は自白を覆すより情状酌量で執行猶予を取ろう、と言うし埒が明きません。
お勉強が抜群に出来たであろう「法の番人」たちにとって、無実の一般庶民の人生など取るに足らないものなのかね?
真犯人が誰だったのかも気になるところ。
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