「ばんば憑き」　宮部みゆき
６編の短編作。作者お得意の怪談時代物である。
期待して読んで、期待通り面白かったので。評価は★。


「月と蟹」道尾 秀介
なんだか気味の悪い作品でした。悪い意味ではなく。評価は○。

思春期の子供が抱える、残酷さ・苛立ち・言葉にはできないモヤモヤとした感情が、繊細に丁寧に描かれていました。

一番印象に残ったシーンは、
おじいちゃんが孫に、
「お前、あんまし腹ん中で、妙なもん育てんなよ」と諭す場面。
こんな風に気づいてくれる家族がいると、犯罪も減るのかもしれないと思いました。

のめり込めなかった理由としては
主人公は小学５年生の男の子だけど、全体を通してのイメージが中学生っぽいんだよね･･･。
３０年前の自分が幼稚だったのかもしれませんが。
感動はなく、大して面白くはなかったのですが、妙に心に残ります。