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from: yeshangさん
2014年04月23日 02時19分03秒
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「約束の海」 山崎豊子著 (新潮社)
海自・最新鋭潜水艦「くにしお」に花巻朔太郎は二等海尉として勤務についています。
展示訓練(一般公開)の帰途、「くにしお」は遊漁船と衝突し、遊漁船は沈没、乗客乗員の死者30名の大事故となります。
花巻は艦の幹部ではないものの事故について思い悩むことに。
この間、偶然のきっかけで若くて美人の東洋フィルのフルート奏者、小沢頼子と知り合うこととなり、二人の関係はふかまっていくのですが・・・。
花巻の父も元海軍の軍人だったが、ここでは、その頃の話は家庭では何故か一切話は出なかったとしていますが、父は特殊潜航艇で真珠湾攻撃に参加するが、艇の不調により、米軍の捕虜になって、戦争中は米国で捕虜の生活を送った経歴があり、このことは本書の次に出る二部で詳しく書かれる予定でした。
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著者は三部構成で構想を練っていましたが、第一部を書き終えて亡くなっています。
しかし、二部、三部の構想も固めつつあって、そのあらましが載せられています。
著者は取材や調査には動けない体になっていたので、出版社がプロジェクトチームを組んで当たっています。
執筆にはそれまでの作品もそうですが、それ以上の取材や調査、構想に莫大な力がそそがれていることに驚きます。
未完に終わっていますが、完結すれば著者渾身の作品になったでしょう。
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