サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
-
from: yeshangさん
2016年04月18日 00時43分43秒
icon
「獅子吼」 浅田次郎著 (文芸春秋社)
6篇からなる短編集です。
中でも表題の「獅子吼」は動物園に来たオス虎の声。動物園の飼育係をしながら苦学生であった草野二等兵がこっそり残飯を動物園に送る話で始まります。
終戦前には動物園の動物たちに与える食料も乏しくなり、空襲で猛獣が解き放たれることを恐れ、草野二等兵は動物たちの射殺に行くこととなるお話です。
人も動物たちも戦争の前にしては哀れなものです。
「帰り道」 集団就職で東京に来た妙子は会社のサークルでやってきたスキーバスの中で、あこがれていた光岡くんの風呂ポーズを受けたが・・・。
「九泉閣へようこそ」 兜町の証券会社に勤める真知子、40歳は髪結いの亭主と知り合ってから長らくの付き合い。2人は温泉旅館に旅することになるが、そこで奇妙な殺人事件に遭遇します。
「うきよご」 私生児の隠語で浮世児とも憂世児とも。父親の命令に近い願望で東京大学を目指す和夫と異母妹昭子、下宿の隣人、服部、それに不思議な先輩東郷さんの話は学生の時代のなんとも不思議な落ち着きのない思いを抱かせられます。
「流離人(さすりひと)」 沢村は東大から学徒出陣で即席少尉となり、終戦前に満州へ転属となります。奉天からの列車の中で桜井中佐と知り合いになって。そして新京に着き、チチハルへ転属する内でも桜井少尉と出くわすのですが、奉天駅で、「戦が終わるまで迷子になっておれ」との命をうけることに・・・。
「フルー・ブルー・スカイ」 ラスベガスですっかりすってしまった戸塚幸一。場末のグロサリーストアのポーカー・マシンで最後の金を賭けるが、これがおお当たり。そこに偶然の珍事件が綱買ってきます。
----------------------
「獅子吼」はどうもいたたまれない気持ちにさせられます。
我が家のシャムネコ「チョコ」には、今の時代でよかったねと言う気持ちになります。実家の灰色の猫「ちゃこ」にも同じ気持ちです。
コメント: 全0件