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  • from: yeshangさん

    2019年06月12日 20時26分01秒

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    「陸軍中野学校実録」 日下部一郎著 (KKベストブック)

    昭和13年8月 後方勤務要員養成所として諜報・スパイを育成する陸軍の学校のお話。

     後に陸軍中野学校と改められ、終戦までに約3000名の卒業生を送り出しています。

     第一章は入学からソ満国境の卒業演習まで
      入試から教程、演習まで私の最も興味深い内容でした。

     第二章は暗雲の中國へ
      実際に派遣されてのお話です。北京、上海、蒙古、アメリカ駐在、ドイツ駐在、
     南方、国内防諜中野学校教官と1期生18名が任地に派遣されますが、ここからは久村
     少尉の中國での話が中心になります。
     粛親王の娘、男装の麗人・日中満で知られた川島芳子の話も出てきます。
     このほか中国での様々な工作活動を展開しています。

     第三章 謀略の果て
      Q少佐の悲劇 同期生の私的行動不始末によるもの。
      本土決戦前のクーデター計画 雪の日の破局 一期生の何人かで戦局悪化に伴い
     クーデターを計画するが不発におわった。
     
     第四章 生きている中野学校
      終戦直前から終戦後までの皇室の継続、ビルマ首相の亡命秘話、GHQからの疑惑
     など、そして戦後は各界・各地でさまざまに活躍していることで結ばれています。

     柳 広司著 「ダブルジョーカー」シリーズをおもしろく読み、このほか日本の諜報員
    の話を読んで、陸軍中野学校に興味を持ち読みました。

     新聞広告では「第一級資料」とうたわれていましたが、もう少し紙数を割いて書いて
    欲しいものと思いました。それだけ興味深く読んだわけですが。

     私の街に、もと諜報員だった人がいて、終戦後は大陸での反省から仏教の普及に努め
    ていて、私も深く影響を受けました。「ダブルジョーカー」で採用試験でたびたび語ら
    れる特殊技能・能力そのままの人でした。
     中国大陸では諜報活動の他、偽札での経済混乱、中国人労働者を集めての日本軍秘密
    飛行場の建設など、中国人からは全く中国人と思われていたようです。

     関心のある人は「ダブルジョーカー」シリーズとともに読めばよいと思います。

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