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  • from: jun_zoさん

    2006年05月17日 16時42分02秒

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    東京国立近代美術館へ・・

     藤田嗣治展を見てきました・・。昼少し前に行ったのですが、すご〜い混雑。券を買うまでに30分、入場するまでに40分ほど待たされました。平日だというのに、何でこんなに混むのでしょうね〜。
     来館者の多くは女性。高齢のご婦人が中心。時間があるのでしょうか・・。
     藤田は戦前・戦後と異端視され、今になってこの人だかり。昔の人に見る目がなかったのか、今見に来る人が物見遊山なだけなのか・・。
     で、藤田の技法ですけれども、硫酸バリウム(体質顔料)などを利用した下地づくりから面相による線、油彩(透明色)による彩色と一つひとつにそれまでの油彩表現にない独自の工夫を凝らしている。ただ、キャンパス地にこの画法では亀裂が避けられない。よく見ると、だいぶひびが入っていることがわかります。剥離までには至らないかもしれませんが、取り扱いに注意しなくてはならないでしょう。
     デッサン力を感じさせる描きっぷりが見事。一方、パターン化された子どもの顔の表情はあまり好きになれませんでした(これは個人的なことですが)。
     パリで藤田に学んだ画家に澤田哲郎がいます。一度、中野のアトリエに澤田画伯を訪ねてお話を伺ったことがあります。「人に真似されるような絵では駄目だ」というようなお話を聞いたように記憶しています。藤田と同じく地塗りに凝っていて、下地だけ仕上がったサムホールが山と置いてあったので手をふれようとしたら怒られました。人には絶対に見せないという話。澤田画伯に聞いた話で印象深かったのは、パリ時代の藤田が生活のためには1日に4点描かなければならないと言っていた、それ聞いた澤田が自分も1日に1点は作品を描いているという話でした。
     澤田も日本の画壇とはまったく縁のない人で、もっぱらアメリカで作品を発表。向こうの大学で講演したこともあると聞きました。
     もう一つ、澤田の話で「油彩は透明に使うといい。不透明色の上に透明に塗っても不透明だ」というようなことも印象に残りました。その時、なるほど・・と思い、私も透明色はかなり意識して使っていますが、今は半透明に興味があります。
     先日、六本木ヒルズの「東京―ベルリン展」に澤田の作品が一点出ていて、たった一度、同氏に会ったことが最近になって思い出されました。
     同展に行った動機は、懇意にしている写真家の平田実氏の作品が展示されていたから。偶然、澤田の絵と出会ったというわけでした。
     ちなみに、平田氏の写真は、1960年代の国際フルクサス運動で活躍したハイ・レッドセンターの活動を記録したもの。当時、オノ・ヨーコさんなども関係していた芸術運動で、無名時代のヨーコさんの写真を平田氏から見せてもらったことはあるのですが、今回は展示されていませんでした。
    (すみません、長くなりました。・・さて〜っと、仕事にもどります)

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