「辻少佐、あの女性を見てください」辻少佐がそちらを見ると、その女性は煙のように消えていた。「辻少佐、追跡しましょう」「わかりました」僕と辻少佐はコルト45を引き抜くと、大鳥居をくぐり前方に見える神社へ向かった。本殿へ上がる階段を上り中へ入った。巫女の衣装を纏った謎の女性が、こちらを向いて立っていた。「あなたは誰ですか？」僕は尋ねた。するとその女性は、厳しい顔で言った。「オムスクへ行ってはなりません。ここから引き返しなさい」「あなたは誰ですか？」僕はもう一度尋ねた。「私は卑弥呼です。ソ連の超能力研究所のメンバーです」「列車を止めたのはあなたですか？」「そうです。ポポフ中将の命令で止めました」

ロマノフ帝国軍の列車はオムスクへ向け、進軍を開始した。秋が深まる中、冬季にならないうちにモスクワへ入る必要があった。バラビンスク駅の手前1kmの所で、列車は急停止した。「辻少佐、どうしたのですか？」「わかりません。運転士に確認して来ます」辻少佐は前方の運転士室へ行った。まもなく辻少佐が帰って来た。「黒住君、運転士によると、列車が自然に止まったそうです」「自然に？」僕と辻少佐は列車を降りた。そして、先頭車両から後部の車両へと、順番に車輪を調べて行った。しかし、どの車両にも異常は認められなかった。「辻少佐、おかしいですね。見る限りどの車両にも異常はないですね」「ええ」僕はあたりを見回した。すると、列車の左手前方に朱色の鳥居があり、一人の女性が立ってこちらをじって見ていた。

「辻少佐、これからの戦闘は市街戦が中心になると思います。それでロマノフ帝国軍の戦闘訓練を、市街戦を主体としたものに変更してください」「わかりました。日本の自衛隊も市街戦専門の新たな部隊を、西部方面隊において編成したようです。そしてハワイでアメリカ軍と合同で、市街戦の訓練を実施しています。ドイツやイギリスも同様の訓練を実施しています」「国際テロリストによる自爆テロにも備えなければなりません。そのためにも特殊部隊の編成が必要です」「安心してください。ロマノフ帝国軍はウラジオストックにおいて、テロ対策の戦闘訓練を実施しています」「さすがは辻少佐ですね。すでに訓練を実施しているんですね」

ウインクの真夏のトレモロ
ウインクが岡山市の岡山会館へ来た時、見に行った。

部活 恋愛 ﾊﾞｲﾄ 部活…
あなたの青春時代を懐かしませる一曲はどんな歌でしょう。。。
ｴﾋﾟｿｰﾄﾞがあれば、添えて教えてください
ｴﾋﾟｿｰﾄﾞは重いから伏せたい、という方は曲だけでも構いません


ｼﾞｭﾋﾟﾀｰ

弱いあたし

情けないな

きっとあなたにも置いていかれちゃう

どんなときも前に進みあなたは

なにをみて

なにを考え

なにを犠牲にしてきたの

あたしには

このままでいる勇気も

前に進む勇気も全然ないよ

怖くて弱くて前に進めないあたしはすごく情けないな

「黒住君、気をつけてください。プーシキン大佐は旧ソ連軍の将校として、チェチェンで私と戦っていたのです。それが突然、ロマノフ帝国軍に入ってロシアと戦うというのは、どう考えてもおかしいですね」「そうだったのですか。宮本少尉、あなたも一木大尉と一緒にチェチェンへ行ってください。そしてプーシキン大佐のコサック兵達を監視してください」「わかりました。もし裏切るようなことがあれば、プーシキン大佐を直ちに射殺します」「頼みました」翌日、一木大尉の指揮する戦車大隊と宮本少尉は、コサック旅団を従えてチェチェンへ向かって出発した。僕と辻少佐は、幕舎の前で彼らを見送った。ラッパ手が高らかにラッパを吹奏した。91式戦車100両は堂々と力強くキャタピラを動かし、前進を開始した。

コサック旅団はその昔、日露戦争ですばらしい戦果をあげていた。コサック兵が使えるとなると、僕はチェチェンでの戦闘に大きな期待を持った。ジライガーとセントーガーを実戦配備するのは、もう少し時間がかかる。それまでコサック旅団に戦闘を任せることにしたのだ。山岳地帯においては、戦車は全く働くことが出来ない。そんな時、馬は最も有効な乗り物になる。チンギス・ハーンの時代から現在に至るまで、馬は戦闘には欠かせないのである。プーシキン大佐が出て行くのと入れ代わりに、宮本少尉が入って来た。「宮本少尉、どうしたのですか？」

乳白色の濃い霧が、雨のあがった東京・八王子の夜を重苦しく包んでいた。この五日の間降り続いた五月雨で、街も大地も陰気な湿りをおびている。東洋ミドル級チャンピオン・高崎良平は、国鉄横浜線の片倉駅を出ると、霧に覆われた夜空を仰いで、軽く左右のフックを繰り出した。彼の気分は、うっとうしい天候とは対象的なほど軽やかであった。

門田泰明（撃戦・さらば黄金の牙より）

「それはありがたいですね。コサック兵は昔から勇猛果敢な人が多いと聞いています。プーシキン大佐は何名を指揮統率しているのですか？」「直接指揮しているのは100名です。しかし他にも協力してくれるコサック団がいます」「出来るだけ多く集めてください。ロマノフ帝国はロシアとの戦争を継続しながら、チェチェンにも派兵する予定なのです」「チェチェンへですか？」「そうです。タリバンが僕に派兵を要請に来たのです。チェチェンを支援して、ロシアと戦って欲しいということでした」「チェチェンは山岳地が多いですから、馬が役に立ちます。ぜひ私をチェチェンへ派遣してください。思う存分働いて見せます」「いいでしょう。戦車大隊長の一木大尉と一緒に行動してください。明日、報酬の半金をお支払いします」「ありがとうございます」プーシキン大佐は敬礼をすると、幕舎を出て行った。