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from: ジャニスさん
2006/08/30 19:40:30
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民話シリーズ⑭ー3
平賀町とて例外ではありません。
ろくすっぽ食べる物のないこの世に生まれてきた赤ん坊は松野部落のある下の川の崖下に捨てられました。
まだ呼吸のあるうちは、泣きながら母の乳恋しさに、必死にはい上がろうとして力尽き、烏の餌食になった乳飲み子たちの無残な姿は、とても言葉では言い尽くせないものでした。
その崖下の地獄へ、一人の老婆が捨てられました。
辺りに散らばる白骨や、燐がぼーっと燃える様、地の底からわいてくるような赤ん坊の泣き声に、老婆は発狂したかと思えるほどの凄まじい勢いで、崖をよじ登り始めました。
老婆にあるのは、ただ生きたいと願う人間の本能だけだったのです。
けれども、登ろうとするほど崖は崩れ、必死で掴んだ土を見れば、まだ人間の肉を付けた赤ん坊の足です。
もはや老婆の目は虚ろでした。
その足の肉をしゃぶり、次々に捨てられる赤ん坊を食べて生き長らえ、ついには老婆も烏の餌食となってしまったのです。
その時から、この川を崩川(くずれがわ)と呼ぶようになったといいます。-
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