ユーラはアンナの部屋にいた。｢アンナ様、ごめんなさい。ミッソー中佐に逃げられてしまいました｣｢ユーラ、お前に言ったはずだよ。ミッソー中佐は今までの公安警察の男とは違うんだ。イラクやインドネシアのバリ島で、何千人もの男や子供を殺して来た自衛隊員なんだ。ユーラ、お前が子供だからと言って容赦はしないんだよ。それで私の秘密をしゃべったんだね｣｢いいえ。アンナ様、役に立たないことを話しただけです｣｢そうだろうね。ユーラは私を裏切ることは出来ないはずだね｣｢はい。アンナ様、私はどうしたらいいですか｣｢ミッソー中佐の乗って来たジープを探しなさい。ハンネの森のどこかにあるはずだ。見つけたら私に知らせなさい。決して一人でジープに近づくんじゃないよ｣｢わかりました｣ユーラは部屋を出た。