純子にも親友であるミサにも言えなかった秘密がある。その自分にミサが何かを隠していたとしても仕方ないのかもしれない。純子が聖ピアス教団に入信を決めたのは、不倫相手との仲を清算したことがきっかけだった。モラルに反する付き合いだと解っていたが、相手を信じていた。しかし最終的には相手の男性に裏切られ身籠った子供を堕胎した。普通ならばここで恨みの矛先は相手に向けられてもおかしくはない話だが、純子は自分を責めた。報われない愛を信じた結果、尊い命を抹殺してしまったことで、純子は心に深い傷を負い、それと同時に重い罪を背負ったのだった。
byｼﾞｬﾆｽ