辻少佐は山脈の手前で西に方向を転じると、マッハのスビードに上げた。ウランバートルまではおよそ1000Kmの距離がある。音速ヘリは想像以上に速い。辻少佐はレーダー妨害電波のスイッチを入れた。ウランバートルは警戒網を敷いてはいなかった。軍隊のほとんどはノモンハンとハイラルへ出動していた。僕達はその背後をついたわけである。目立った対空砲火もなく戦闘機の迎撃もなく、ウランバートル国際空港に駐機していた戦闘機に対する攻撃が始まった。ミサイルとバルカン砲による攻撃は絶え間無く行われ、30分後には空港を制圧して、管制塔を占拠した。空港の給油設備で、ヘリの燃料補給が実施された。僕と辻少佐は管制塔に入った。