ミッソーは振り返り、素早く銃を構えた。しかし、背後には何もなく、人の姿も見当たらない。物音が聞こえたのも、その一度きりだった。そして、それまで騒いでいたユーラの声も全く聞こえなくなった。「ユーラ？どこにいるんだ」二人でユーラの名前を呼びながら探していると、弘人が何かにつまづいた。「ユーラちゃん？」弘人が何もない地面をさすると、ユーラの黒いマントが現われた。「どうしたユーラちゃん、大丈夫かい？」すっかり元の姿に戻ったユーラの顔は青白く、身体が小刻みに震えていた。「どうしたんだ、ユーラ！」慌てて抱き起こしたミッソーの腕の中でユーラは力なく言った。「ミッソー中佐、なんだかあたし、目が回って」
byｼﾞｬﾆｽ