「ユーラちゃん、私達も黒い塔へ行って見ない？」
ミサが出掛けると、美紀がユーラを抱き締めて言った。
「く、苦しいよ。美紀姉ちゃん」
「ゴメンね。私もあの黒い塔に何があるのか、学園の生徒として、知っておきたいの。ねぇ、いいでしょう？」
「そんなことダメだよ。だって、ミサ姉ちゃんは大人しくお留守番しなさいって言ったもん」
「そっと後をついて行けば、大丈夫だよ。それにミサ先生より早く帰ればバレないと思うよ」
ユーラは迷っていた。自分も黒い塔へ行って見たいというよりも、ミサの身の上を心配していたのだ。いくら【潜入探偵トカゲ】の服装をしていても、どんな危険が待っているかわからない。