アンナはミッソー中佐に尋ねた。

アンナ【ミッソー中佐、こんな話は退屈じゃないかしら？】

ミッソー中佐【退屈どころか興味深く聞いています。アンナ修道院長の隠された一面を見るようです】　　

アンナ【それならいいんだけど。一年後、ケイトは女の子の赤ちゃんを連れて帰って来た。どうやらトーマスに捨てられたらしいの。私は慰める言葉をかけられなかった。その夜、ケイトは黒い塔から飛び降りて自殺してしまった。キリスト教では自殺者は天国へ行けない。私は赤ちゃんを馬屋番の夫婦に預けると、ケイトの遺体をドーナツの森に埋葬したの。その赤ちゃんがシスターミザリィなんです。ミザリィ(不幸)と言う名前は私がつけました】

ミッソー中佐【それであの黒い塔は封鎖されているんですね】