今年はお世話になりました〓

中々来れなくて、オーナーさんには申し訳なく思いますが、来年も良い年でありますように、よろしくお願いしますm(__)m

本年は劇団指揮をご愛読いただきありがとうございました〓来年もよろしくお願いします〓
良いお年をお迎えください。

オーナー
劇団員一同

ホテルの中にある四川料理店に入った。四川料理は少し辛い料理である。次々と出される料理を食べながら、僕とライさんはいろんなことを話した。｢ライさんは大学で何を専攻しているのですか？｣｢私は音楽科を専攻しています。モンゴルの歌と踊りが専門です｣｢内蒙古で任さんは、歌を歌ってくれました｣｢歌は姉の方が上手なんです。私はどちらかというと、踊りの方が好きです｣｢いつかライさんの踊りが見たいですね｣｢いいわ。見せて上げるわ｣ライさんはにっこりして言った。｢ところで黒住さん、これからどうするの？｣｢まず、炭そ菌の患者を救わなければなりません。そのために台湾の医師や看護士を集めたり、台北の看護学校の生徒にも動員をかけたのですが、それでもまだ足りません｣｢黒住さん、金門島を知っていますか？｣

レーザー・ダズラーというのはレーザー光線発射銃で、人間の平衡感覚を失わせる武器で、レーザー光線を浴びた人間は戦闘能力を失う。その能力はすさまじく、すでにアメリカでは製造されていて、近々イラクへ送る予定だった。パックポットというのは偵察用戦闘ロボットで、機関銃を備え、偵察と同時に攻撃も出来るロボットである。イラク戦争でアメリカ軍の戦死者が増え続ける中、防衛省はこれらのロボット・アーミーの開発を急いでいた。人型戦闘ロボット『アシモ』が民間で開発されると、防衛省はそれを改良して二足歩行戦闘ロボット『セントーガー』を極秘に開発していた。

「姉さん、森プラント長と林プラント長の二人は、それぞれ毒ガスと炭そ菌製造の責任者なんだよ」トーマスが言った。「ええ、そんなことは解っているわよ。あなたが責任者を任せたくらいなんだから信頼できる人間なんでしょ？」アンナはじれったそうに言った。「そうだ。全てを任せてある。彼らは毒ガスや炭そ菌の恐ろしさを一番よく知っているんだ。そんな二人にこの弾薬や武器の数々を見せたらまずいだろう。地下室があることも判ってしまう。」「それがどうしてまずいのよ？」「あの地下室には信者全員が避難できるスペースはない。いざ戦いが始まったら自分たちの身にも危険が及ぶことも理解するだろう。彼らがパニックを起こしたら厄介なことになるからね」
byｼﾞｬﾆｽ

ライトニングガンというのは強力な静電気を発生させる装置で、周囲の人間に瞬時に静電気を帯電させ、その人間の自由を奪う装置である。そうしておいて敵を射殺すれば、効果的に戦果を上げることが出来る。アイソマー爆弾というのはハフニウムを使用した携帯型小形核爆弾である。持ち運びが自由で、どこでも核爆発を起こすことが出来る恐ろしい爆弾である。IRADというのは300メートル以内の人間に、耐え難い音を発生させる音響装置で、その音を聞いた人間は発狂するか自殺してしまうという装置だ。

僕はすぐにロビーへ下りると言って電話を切った。二人はコーヒーラウンジへ行った。僕はブルーマウンティン、ライさんはキリマンジャロをオーダーした。｢何かわかりましたか？｣僕は尋ねた。｢はい。台北市浄水場に炭そ菌を混入したのは、許という浄水場の職員でした。中国軍に買収されていたそうです。許は軍隊の経験があり、今頃は中国軍と一緒にいると思われます｣｢中国軍に入ったとすると、捕まえるのは難しいですね。ところでライさん、夕食はまだでしょう？良かったら一緒に食べませんか？｣｢本当ですか？でも、ここは高そう｣｢大丈夫ですよ。大清帝国が支払ますから｣｢それじゃ、ごちそうになろうかしら｣｢一人で食事をするのは味気ないものです。僕もライさんが一緒だと、楽しい食事になりそうです｣

トーマスとアンナは消灯時刻が過ぎ信者たちがすっかり寝静まると、礼拝堂裏の通路へ向かった。ランプに照らされた二人の影が礼拝堂の壁に映り揺れていた。「トーマス。あれを全部二人で運び出すつもりなの？」「そうだよ、姉さん。なんとか今夜中に済ませないと」「朝までに終わるのかしら…」アンナは眉をしかめた。夜が深まるごとに寒さも一層厳しくなっていった。「ねぇ、プラント長たちに手伝わせたらどうかしら？口止めすればいいわ。それにいざとなったら催眠でなんとかなるでしょ？」「それは無理だよ。あの二人を使うのは余計にだめだ」「どういうことなの？」
byｼﾞｬﾆｽ

横須賀基地の中にある自衛隊少年学校のそばに防衛研究所がある。所長をしているのはダンディ中佐で、防衛大学の講師もしていた。この研究所ではこれから実戦配備される予定の未来兵器と呼ばれる兵器が試作されていた。アメリカがすでにイラクで実戦配備している無人偵察飛行機プレデターは偵察だけではなく、ミサイルを発射して敵地攻撃に威力を発揮していた。また地下壕まで到達して破壊するバンカーバスター兵器や核爆発に相当する破壊力を持つデイジーカッターなどがイラクで使用された。防衛研究所ではそれらの武器に加え、ライトニングガン、アイソマー爆弾、IRAD音響装置、レーザー・ダズラー、偵察用ロボットパックポットなどが研究、開発されていた。

麻里子は暗闇に目が慣れると、壁添いに並べられた棚の上のランプに火を移しつけた。棚にはミネラルウォーターや缶詰などの食料が整然と並べられており、それらは地下に集められた子供たちが、数か月、生活するのに充分な量だった。その他に人数分の寝袋や、簡易式のトイレまで設置されていた。「麻里子、この扉はなんだろう？」「だめだよ！絶対に開けちゃいけないってトーマス様が言ってたんだ」兄が正面の大きな扉を見つけ鉄の閂を開けようとすると、少年が慌てて麻里子の兄を止めた。「麻里子、この教団は少しおかしいと思わないか？ハルマゲドンを生き抜くってのは説教の中の例え話だと思って聞いていたが、ここはまるでシェルターじゃないか」兄はそう言って閂を抜き扉を押し開けた。
byｼﾞｬﾆｽ