パキスタンやアフガニスタンの子供達はタリバンによって拉致され、タリバン兵として訓練されていた。
それを防ぐためにも山岳地帯を無くさなければならない。
いっそのこと、パキスタン政府もアフガニスタン政府も支配が及ばない地域は、新たな王国を作ってもいいと考えた。

イスラム過激派とタリバンを皆殺しにするというのが、今回ミッソー中佐に与えられた任務だった。
工藤防衛大臣からは民間人も犠牲にしてもかまわない、パキスタンとアフガニスタンの国境地帯の住民をゼロにしてもいいと命令されていた。
ミッソー中佐の考えはこうだった。
山岳地帯を制圧した後は、山を切り崩して平地にし、二度とタリバンが潜伏することが出来ないようにするのだ。
平地は緑の草原となり、そこにサッカースタジアムを建設し、パキスタンとアフガニスタンの子供達に思う存分サッカーをしてもらうのだ。

ミッソー中佐は防衛省の自分のデスクに戻ると、工藤防衛大臣にブルーム代表を殺害したことを報告した。
それからパキスタンに関する情報の収集を始めた。
タリバンが支配している地域と神学校に関する情報も必要だった。
イスラム過激派とタリバンのアジトに潜入するためには、今までのやり方では難しいこともわかっていた。
ミッソー中佐は山岳地帯に潜入するためにタリバン兵士になろうとしていたのである。

ミッソー中佐はコルト45で女性の額を撃ち抜くと、銃剣を引き抜き、オフィスの中へ入って行った。
ブルーム代表は椅子から立ち上がり言った。
「お、お前は誰だ！」
「私はミッソー中佐、防衛省テロ特命課隊員、南極海でのグリーン豆ピースのテロ行為を断罪するため、地獄からやって来た」
ミッソー中佐はそう言うなり、コルト45の引き金を引いた。
ブルーム代表の額に穴が開き、後ろへどっと倒れた。
ミッソー中佐はブルーム代表の口に鯨肉を押し込むと、何事もなかったようにオフィスを後にした。