マザーラ・デル・ヴァッロは、ウィキペディアには「シチリア州トラーパニ県にある都市で、その周辺地域を含む人口約52,000人の基礎自治体（コムーネ）」とだけあります。

そんな田舎のまちなのですが、このまちには宝物が１つあります。
2000年を超える海底での眠りから、奇跡的に発見されたギリシャ古代彫刻の傑作「踊るサテュロス」です。
なんと’05年に日本にやってきて、愛知万博や国立東京博物館などで展示されたこともあり、以後サテュロスは門外不出になっているとも聞いています。
このまちには、それ１つだけのためのムゼオがあり、撮影禁止だったので写真はありませんけど。

1998年に漁船の網に偶然にもかかった、2000年前のギリシャのブロンズ像で、その昔、輸送の途中で難破して沈み、2000年もの間海底で眠っていた像が奇跡的に発見されたというものです。
その像の芸術的価値が高く、発見された当時は大騒ぎになったそうで、引き上げられた時やローマに運ばれて調査され、汚れなどを落とし、美しく展示されるまでをまとめた映像もムゼオ内で流れていました。

館内は撮影禁止なのですが、
このぐらいは許されるかと思って撮った１枚。
サテュロスを２０００年の眠りから目覚めさせた漁船のおっちゃんたちです。

混んでいなかったので、じっくりたっぷり全方位から見ることができました。
恍惚の表情は、阿修羅像にも似たイケメンで、跳ね上げられた足やお尻も本当に素敵。
出口でこれは撮ってもいいんだよね、とポスターを撮影し、係りのオネエサンに笑われました。

人口52,000のまちとは言え、歩いて観て楽しいものはそれなりにありました。
これは、それほど古くもないですが、バロック建築の聖イニャーツィオ教会跡。

1701年に貴族アダモの宮殿の遺跡の上に建てられ、1933年12月に崩壊したのだそうです。
保存されているのは、バロック様式のファサードと一部の内部柱だけです。

偶然通りかかって入ってみて面白かったのが、小さな小さな劇場、テアトロ･ガリバルディ。

え？これがテアトロ？と思うでしょ。
入るとこんな感じ。

やっぱり中も狭い。
小さなステージ。
それなのに桟敷もあって。
全部で９９席！

天井は、馬蹄形

陶器のまちのようで、あちこちに陶製品があり、とても楽しめました。





















そして、漁港と魚市場が楽しくて。

船から水揚げされた魚がすぐに売られるのにはびっくり。

私はこのエビを買いたかったけど、他の2人に止められて断念しました。
小売りはこちら。



海辺のバールでひと休みするのも心地よかったです。

観光でイタリアに行こうと思ったらこのまちを訪れることはないでしょうが、私は大好きです。