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神話読書会〜女神さまがみてる〜

神話読書会〜女神さまがみてる〜>掲示板

公開 メンバー数:11人

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  • from: エリスさん

    2006年07月31日 22時43分54秒

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    進行が遅くてすみません

    毎日、熱中症になりそうになりながらお買物やら家庭菜園やらをやっております。
    なんせ冬生まれなもんで、夏は辛い (T_T)

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  • from: エリスさん

    2006年07月30日 23時00分06秒

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    「斎王神誕生秘話・16」
    一糸纏わぬ美しい少女が目の前に立って、ヘーパイストスはしばし見惚れてしまった。それはそうだろう。幼いとは言え、異性の裸体を見たのは初めてなのだから。
    少女の方は、まだ恥じらいを知らないのか、にっこりとヘーパイストスに微笑んで見せる。
    その笑顔を見て、ゼウスはハッとした。
    「そなた、もしや!」
    と、ゼウスが顔を近付けると、少女は悲鳴をあげてヘーパイストスに抱きついた。
    思わず、頬を赤らめた純情なヘーパイストスだった。
    そしてヘーラーは、ゼウスの顔面を鷲掴みにして、押し戻した。
    「あなたは早くその血を止めていらっしゃい!」

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  • from: エリスさん

    2006年07月30日 16時21分09秒

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    「斎王神誕生秘話・15」
    “パコッ”と音がして、ゼウスの後頭部に小さな割れ目があいた。その時にゼウスは「ウッ」と呻いたが、先程までの頭痛に比べれば、たいした痛みではなかった。
    「いいよ! 出ておいで!」
    ヘーパイストスが声をかけると、勢い良く少女が飛び出してきた。本当に小さくて、目を凝らしていないと見逃してしまいそうだった。
    けれど、ヘーパイストスには良く見えているらしく、こう言った。
    「うわァ! 可愛い! こんなに小さい子だったんだ」
    それを聞いた女の子は、『そっか、私、小さいんだ』と思い、空中に浮いたまま、大気を思い切り吸い込んだ。すると、みるみる大きくなって、ヘーパイストスと同じ背丈になって彼の前に着地した。

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  • from: エリスさん

    2006年07月29日 21時20分10秒

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    「斎王神誕生秘話・14」
    一方、ゼウスの頭の中にいる少女は、ようやくヘーパイストスが助けてくれるのに気付いて、暴れるのを止めた。
    少女にはヘーパイストスが橙色の光に包まれているように見えていた。少しあごが出ているけれど、優しそうな容貌をしたヘーパイストスは、今の少女にとって、まさに王子様だった。
    「いいかい、君のいる場所より少し右へ行った所を割るからね。僕がいいって言うまで、動いちゃダメだよ」
    ヘーパイストスの言葉に、少女は頷いた。
    「よし、いい子だ」
    ヘーパイストスは斧を振り上げた。

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  • from: エリスさん

    2006年07月26日 10時40分43秒

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    「斎王神誕生秘話・13」
    「おまえがいなければ、わしゃ生きてはいけん! そればかりは勘弁してくれェ!!」
    浮気ばかりしていてもヘーラーにベタ惚れなゼウスは、ヘーラーの足に縋りついて訴えた。
    「それなら、ヘーパイストスの要求を受け入れ、この子に助けてもらいますね?」
    ヘーラーが言うと、
    「もうなんでもする! だから助けてくれェ!」
    「よろしい。ヘース、やっておあげ」
    「はい、お母様」とヘーパイストスは言った「では…」
    ヘーパイストスは抱えていた甲冑を置いて(ずっと持っていたのね〓)、剣の代わりに腰にさしていた小型斧を手に取った。
    「それじゃ、お・と・う・さ・ま。そのまま座っててくださいネ」

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  • from: エリスさん

    2006年07月23日 21時04分03秒

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    「斎王神誕生秘話・12」
    「じょ、冗談では、うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
    また頭痛が増したゼウスは、言葉を言い終わらぬうちに悲鳴をあげた。
    「こんなになっても、まだ拒まれるのですか? 世間には〈養子〉という考え方もあるのです。血の繋がらぬ子を我が子とするぐらい、大したことではないでしょうに」
    ヘーラーが言うと、ゼウスは、世間なんか知ったことか! と叫んだので、とうとう夫人は堪忍袋の緒を切ってしまった。
    「そうですか、わかりました。それでは……あなたとは離婚です! 実家に帰らせていただきます!!!!」
    「ま、ままま、待ってくれェ!」

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  • from: エリスさん

    2006年07月23日 14時50分09秒

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    「斎王神誕生秘話・11」
    「ヘース(ヘーパイストスの愛称)や」とヘーラーは言った「そなたなら、この人非人の頭痛を治してあげられるのかい?」
    「はい、お母様」
    ヘーパイストスはゼウスの頭の中から紅く輝く光が見え、その中に女の子がいることを伝えた。
    「紅い光……私には見えぬが」
    「でも本当にいるんです! 一生懸命、壁を叩いて助けを求めているんです」
    「フム…それはきっと、そなたにしか助けられないということだな。そなたは、その子に選ばれたのだ」
    「選ばれた?」
    「そう。私の想像が正しければ、恐らくその子は…」
    ヘーラーは含みを残したまま言葉を切り、ゼウスの方に言った。
    「お聞きになりましたね、あなた。そうゆう訳ですから、あなたを救えるのはヘーパイストスしかいません。けれど、今までのことを考えて、このままあなたを楽にしてあげるわけにはいきません」

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  • from: エリスさん

    2006年07月23日 14時01分42秒

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    「斎王神誕生秘話・10」
    「浮気かどうかなど問題ではないのだ!」とゼウスは言った「ヘーラーはわたしの妻なのだ! わたしの子だけ生んでいればいいものを、おまえのような、片親の血しか引いてはおらぬ、しかも片輪者など生みよるから!」
    すると、離れたところから声がした。
    「お言葉ですが、あなた」
    ヘーラーだった。すでにゼウスの暴言に怒り心頭である。
    「テティスの証言から、ヘーパイストスの足がこんなことになったのは、あなたの所為であることは明らかです!!!〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓」
    ヘーラーの怒声は、頭痛で苦しんでいるゼウスの頭に、さらなる苦しみを与えた。
    「黙って聞いていれば、自分こそ浮気で余所に子供を生ませているくせに。私を非難する資格も、ましてやヘーパイストスをイジメる謂われもありませんよ」
    まったくもって、ヘーラーの言う通りである。

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  • from: エリスさん

    2006年07月23日 09時50分03秒

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    「斎王神誕生秘話・9」
    「生意気なことを」と、ゼウスは言った「おまえのような青二才になにができる」
    「できなければ口にしません。ただし条件があります。僕をあなたの子供にしてください」
    「な、なんだとォ!」
    ただでさえ憎たらしい子を、自分の子供にしろなどと、胸くそ悪い! と思っていると、ヘーパイストスは更に言った。
    「僕はそもそも、お母様が浮気をして作った子供ではありません。先祖から受け継いだ能力で、お母様がお一人で作った子供なんです。それなのに、どうして僕があなた様から継子イジメを受けなければならないのですか? 血筋だけで考えても、僕はあなた様の甥にあたるのに」

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  • from: エリスさん

    2006年07月23日 09時34分43秒

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    「Re:斎王神誕生秘話・8」
    ごめんなさい、急な来客があったんで、中途半端なところで書き込みを切っちゃいました。
    続きを書きます。

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