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from: エリスさん
2007年02月28日 14時41分19秒
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「恋多き女神・4」
そんな時だった。
少し離れたところから「エリィス! エリィス!」と、呼ぶ声が聞こえてきた。エリスが声のする方を向くと、植え込みの陰に隠れて、ヘーパイストスが手を振っていた。
「ヘース? 何やってるんだ?」
「君に相談があるんだけど、今いい?」
「いいけど。そんな、不審者みたいなことしてないで、こっちにおいでよ」
ヘーパイストスは周りをキョロキョロとしてから、低姿勢のまま彼女のほうへ歩いてきた。
「なにやってるんだ? いったい」
「いや、いろいろとさ」
「まあ、座れば」と、エリスはベンチの隣を勧めた。
「うん……」と、ヘーパイストストはまだ周りを気にしながら、座った。
「なんだい、相談って」
「うん……あのさ、もし、もしだよ? もし、自分のベッドに、自分と妻以外の髪の毛が落ちてたら、エリスはどう思う?」
「なんだそれ? ……侍女とかが、掃除しているときに落としたんじゃないのか?」
「ああ……普通はそうゆう風に思うのか……でもうちには、侍女も側近もいないしな……」
「なにがあったのさ。煮え切らないなァ」
「うん……実はさ……」
ヘーパイストスは、懐から布に包んだ例の髪の毛を見せた。
「これが、僕の寝室のベッドに落ちてたんだ」
「これって……」
エリスは手をかざして、髪の毛に残るオーラを感じ取った。
「アレースのじゃないか……え? おまえ達って……」
エリスは後ずさった。
「そんなに仲良しさんなの?」
「エリス!! 今、どんな想像したのさ!」
ちなみにこの頃のエリスは、まだ同性愛には目覚めていません。
「ちょっと待て。君の奥方・アプロディーテーって、体香はもしかして、桃?」
エリスが聞くと、
「ああ、うん。桃の花じゃなくて、実の方だけど」
「だったら間違いない。さっき、アレースの体から桃の実の匂いがしたんだ」
「え!?!?」
それはつまり、浮気確定、ということになる?
「まあ、密会はしているようだな。君が仕事場に行っている間に」と、エリスは言った。「道理で最近、稽古の時間が午後になったわけだ。今までは午前中に稽古をしようって、あいつから言ってくるのにさ。ヘースは午前中は火山の仕事場に詰めているんだろ?」
「うん。場合によっては午後も仕事してるけど……じゃあ、やっぱり兄上は……」
「待て」と、エリスはヘーパイストスの言葉を止めた。
「足音がする」
耳を澄ますと、確かに誰かが歩いてくる音がした。
「アレースかもしれない。後で君の仕事場に行くから、話はそこでしよう」
「うん、じゃあ待ってるよ」
「後でな」
ヘーパイストスが足早に立ち去るのと入れ違いに、アレースが戻ってきた。
エリスは何事もなかったかのように、アレースとの剣術の稽古を再開した。icon
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from: エリスさん
2007年02月27日 16時53分27秒
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「恋多き女神・3」
アレースとエリスの稽古は、いつも二時間近く続けられる。二人ともまだ成人前なのに、そんなにハードな稽古をしては、逆に体を壊しそうなものだが、周りが注意をしても二人は止めようとはしなかった。初めは神王ゼウスの長男として恥ずかしくないように、という「アレースを鍛えよう大作戦」だったのだが、今ではすっかり、二人の趣味になってしまった。
なのだが――今日は、あっさりエリスが「胴の寸止め」を決めてしまって、稽古は中断された。
「寸止めしなかったら、おまえ大怪我だぞ」
エリスが言うと、
「ああ……うん」と、アレースは間の抜けた返事をする。
明らかに先程の話で動揺していた。
エリスはため息をついてから、言った。
「もうさァ、言っちゃえば。誰と付き合ってるんだ? 私にも内緒にしなきゃいけない相手なのか?」
すると、アレースは何かいいかけた……。
ちょうどその時だった。ゼウスに仕える青年が姿を現して、ゼウスがアレースに用事があることを告げた。
「悪い、エリス。親父のところに行ってくる」
「陛下のお召しじゃ仕方ないな。待ってるから行ってこいよ」
「悪いな」
――アレースが行ってしまったので、エリスはベンチに腰掛けて、しばらく休憩することにした。icon
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from: エリスさん
2007年02月26日 13時42分13秒
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「恋多き女神・2」
「アレース、私になにか隠し事をしていないか?」
不和女神エリスのいきなりの質問に、軍神アレースはしばし硬直した。
「な、ないよ……」
「本当に、ないか?」
「な、なんなんだよ! なにが言いたい!」
「いやな」と、エリスは微笑んだ。「おまえから、嗅ぎ慣れない匂いがしたものだからさ。桃のような、甘い匂いだ。だから、恋人でもできたのじゃないかと思って」
「い、いねェよ!」
――二人は、毎度のごとく、剣術の稽古のためにオリュンポス社殿の裏庭に来ていた。
稽古の前に武具を付けようと、二人で並んだときに、エリスはその匂いに気づいたのである。
「きっと、姉上(エイレイテュイア)かヘーベー(妹)の匂いが移ったんだろう。一緒に朝食をとったからな」
と、アレースがいうと、
「今は夕方だぞ? そんな前の移り香など、とっくに消えている。それに、エイリー(エリスがエイレイテュイアを呼ぶときの愛称)やヘーベーの匂いは百合の花の匂いだ。ヘーラー王后と同じで」
神族はそれぞれ、特有の「香り」を持っている。同じ血筋だと同じ匂いを継承するようで、ヘーラーとその娘たちは百合の花の匂いを生まれつき持っている。夜の女神ニュクスの娘たちはラベンダー――だからエリスもラベンダーの匂いを持っていた。
「白状しろ。おまえの心を射止めた女神は、どこの誰だ?」
「おまえに関係ないだろ!」
「親友に向かって“関係ない”はないだろ」
「あっ、ゴメン」
「謝らなくていいから、教えろ」
「だからァ!!」
「強情な奴だな。なにか教えられない訳でもあるのか?」
「勘弁してくれよ。ホラもう、稽古始めるぞ!」
「……よし、後で絶対、口を割らせてやる」
二人は、剣術の稽古を始めた。icon
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from: エリスさん
2007年02月26日 13時18分17秒
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恋多き女神・1
ヘーパイストスとアプロディーテーが結婚して、一年が過ぎた。
決してラブラブではなかったけれど、食事の準備やお掃除や、妻としての役割はちゃんと果たしてくれるアプロディーテーに、不満などはない。
ないのだけれど……。
仕事から帰ってきて、疲れたから少しベッドに横になろうかなァと思っていたその時、彼――ヘーパイストスは見つけてしまった。
枕の上の、金色の髪を。
アプロディーテーの髪か? いや、それにしては短い。それに少し太めだ。
自分の髪は少し茶色みがかっているし、これは明らかに、この家の者以外の髪だ。
『いったい誰の……』
恐る恐るそれを手に取ると、微かに残るオーラを感じて、確信してしまった。
『あ、兄上!?』
間違うはずがない。それは、同じ母から生まれた兄・アレースの髪だったのだ。
『なんで!? なんで兄上の髪の毛が、こんなところに!?』
訳がわからないでいるヘーパイストスに向かって、キッチンからアプロディーテーが声をかけてきた。
「あなたァ〜ン、お夕飯ができましたわよォ〜」
「あッ、ああ……ハーイ…………」
ベッドに髪の毛、ベッドに髪の毛、ベッドに髪の毛!!
それが意味するものは、やっぱり一つしかないのか!?
『うそだろ!? 兄上ェ〜〜〜〜〜〜!』
ヘーパイストスはその髪の毛を、千切れるかと思うほど強く握り締めた。-
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from: エリスさん
2007年02月26日 12時58分16秒
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まあ、予想はしておりましたが
ご意見が一切ありませんでした……。
今までこのサークルを放っておいた私に、皆さんお怒りなんでしょうね。
では、こうしましょう。
「見切り発車」で書こうかと思っていたのは、日本神話の話だったのですが、やっぱり、ストーリーを完璧に仕上げるにはもう少し時間がかかるようです。――なので、こちらは今回見送るとして……。
同人誌からの転載では、あまりに手抜きですよね。これでは皆さんに誠意が伝わらない――実際、皆さんからのご意見がないのは、そうゆうことなんだと反省しました。
なので、頭の中でしっかりとストーリーが出来上がっているのを、下書きなしで書かせていただきます。
馬鹿の一つ覚えで、またギリシア神話ですけど。
これで許してもらえるとは思っていませんが、私の努力の程をご覧ください。-
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from: エリスさん
2007年02月24日 18時19分44秒
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終わったァ!
小説Wings(新書館)と、
新風舎出版賞に
応募する作品、両方とも仕上がりました!
月曜日にゆうぱっくで送ります。
さて、永らくお待たせいたしました。こちらでの新連載を開始します。
が、
まだ全部のストーリーが出来上がってないんですよね。
見切り発車で書き始めるのと、また同人誌から転載するのと、
どちらがいいですか?
ご意見お待ちしてます。-
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from: エリスさん
2007年02月19日 10時46分31秒
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「Re:2月19日は」
癒しを求めて、秋葉原のメイドカフェに行こうと思っていたのですが.....
お目当ての「女性限定メイドカフェ」が定休日だということに、出かける前に気づいた orz
ポイントカードを確認して良かったわ。アキバまで行って落胆するよりは。
なので、いつも通ってる地元のネットカフェに来て、これを書いてます。
この後は、自分の好きなケーキを買って帰ります。
明日は絶対に行くもんね。お気に入りのメイドさんがいるんだ。icon
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from: エリスさん
2007年02月19日 08時48分06秒
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from: エリスさん
2007年02月14日 09時58分56秒
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皆さんに感謝をこめて
つまらないものですが。
直接お渡しできないので、目でお楽しみください。-
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from: エリスさん
2007年02月10日 18時29分40秒
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「Re:本当に本当に本とォーに!更新できなくて済みません!」
普段はアクセス80ぐらいなのに、週末になると200を超えるアクセス数。
皆さん、待ってくださってるんですね。ありがとうございます。
近況としては、原稿用紙からワープロに入力する作業が終わりました。
あとは文章を校正(間違いがないかチェックすること)しながら、書き足したいシーンや台詞を挿入していきます。
そしてプリントアウトして、最終チェックをしながら読み仮名をふって、出来上がりになります。
早い話が、やっぱり今月いっぱい掛かります。
メンバーの皆様、読者の皆様、本当に申し訳ありませんが、来月までお待ちください。icon
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