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神話読書会〜女神さまがみてる〜

神話読書会〜女神さまがみてる〜>掲示板

公開 メンバー数:11人

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  • from: エリスさん

    2009年03月31日 15時55分08秒

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    お知らせ

     明日になってから「お知らせ」を書くとエイプリルフールで嘘になってしまうので、今日のうちに書きます。
     毎週金曜日に更新している小説ですが、今週は明後日の木曜日に更新します。
     よろしくお願いします。

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  • from: エリスさん

    2009年03月27日 13時22分55秒

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    短くてすみませんm(_ _)m

     今日はこの辺で「恋愛小説発表会・改定版」の方へ移ります。

     2時までしかネットカフェにいられないもので!

     春休み興行が早く終わってくれれば、もっとゆっくり小説が書けるのに……。

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  • from: エリスさん

    2009年03月27日 13時13分10秒

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    「果たせない約束・5」

     エリスの恋人になったばかりのレシーナーは、家に引き篭もりがちの少女だった。エリスは先ずそれを治そうと、彼女を誘って遠乗りに出かけ、川での魚釣りや、海に行けば海水浴、野原では花飾りを一緒に作るなどして、とにかく外へ出ることに慣れさせた。初めは怖がっていたレシーナーも、いつでも傍にエリスが居てくれる安心感からか、少しずつ緊張感が取れていった。
     レシーナーが外出に慣れたのを見計らったエリスは、今度はアレースを一緒に誘うようになった。レシーナーが怖がることは予想していたが、キオーネーの時のように、アレースがエリスの無二の親友であることを理解し、またアレースの王子ぶらない気さくな性格とお人好しっぷりを見れば、怖がる必要はないと分かってもらえるだろうとエリスは考えたのだった。
     その思惑通り、レシーナーはすぐにアレースに慣れてしまった。アレースが大はしゃぎしながら魚を釣り上げるのを、レシーナーが傍で応援しているのを見て、エリスは自分の作戦に大満足したのである。
     レシーナーがお小姓の少年と一緒に外出が出来るようにまで回復したのは、それから数日後のことだった。
     エリスがそれを知らされたのは、昼ごろにふらっとレシーナーの家を訪れた時だった。
     「そう! それは良かった」
     「本当にエリス様のおかげでございます。感謝の言葉もございません」
     クレイアーは頭を下げながらそう言った。
     「それじゃレシーナーはしばらく帰って来ないのかな?」
     「久しぶりにイオーさんの家に遊びに行ったのですから、夕方までは帰ってこないかもしれません」
     「イオー? イオーって、アルゴス社殿の侍女の?」
     「はい、精霊(ニンフ)のイオーさんです。私たち親子がアルゴス社殿に献上の品をお届けに上がります時は、いつもイオーさんが取り次ぎに出てきてくれるものですから、娘とはその折に仲良くなったのでございます」
     「イオーって今七歳だから……十歳差の友人か。すごいな」
     「娘にとっては妹みたいな存在なのでございますよ」
     「ああ、それなら分かる。そうか……じゃあ、私はこのまま帰ろうかな」
     「まあ、せっかくいらっしゃったのですから、お昼食などお召し上がりくださいませ。エリス様がお好きな葡萄のジュースがございますのよ」
     「そう? それじゃ御馳走になろうかな」
     エリスはそう言うと、クレイアーに導かれて居間へと入って行った。

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  • from: エリスさん

    2009年03月20日 19時19分50秒

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    春休み興行

     明日から例のごとく、うちの映画館が一時間早くオープンするので、

     また私の起床時間が一時間早くなります。

     そう、午前3時起きです!(^o^;

     起床時間が元に戻るまで、このサークルの更新もかなり縮小されると思いますが、お許しください。

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  • from: エリスさん

    2009年03月20日 14時32分47秒

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    「果たせない約束・4」

     レシーナーがまだ夢見心地でいる間、エリスは毛布を引き寄せて自分たちの上に掛けた。栗色の毛布がレシーナーの上にかかると、彼女の白い素肌がまた際立って見え、その美しさに引き寄せられるように、エリスは彼女の鎖骨にキスをした。
     「ん……」
     レシーナーが思わず発した声もまた可愛く思え、ゆえに唇にもキスをする。
     「気分はどう?」
     エリスが尋ねると、レシーナーはようやく目を開いた。
     「まだ……夢を見ている気分です」
     「余韻が収まらないみたいだな」
     「なにしろ初めての経験でしたので……」
     「ん。そうか」
     「あの……エリス様」
     「なァに?」
     「私はどうでしたか? その……なにか粗相はしておりませんでしたでしょうか?」
     「粗相どころか、とても可愛かったよ。仕草も声も、私の好みだった」
     エリスにそう言われて、先刻までの自分を思い出したレシーナーは頬を紅潮させて恥ずかしがった。そんなレシーナーをまた可愛く思ったエリスは、思わず抱きしめていた。
     「困ったな。今宵はそなたを眠らせたくなくなったよ」
     「エリスさ……」
     言いかけていた唇を、エリスは塞いでしまった……。


     エリスがレシーナーを恋人にしたのには理由があった。
     レシーナーの母・クレイアーとは、ある女性を通しての知り合いだった。そのクレイアーがエリスと、エリスの養母であるヘーラーを訪ねてアルゴス社殿に参上したのは、一週間ぐらい前のことになる。
     「どうかお願いにございます。我が娘レシーナーを、エリス様に嫁がせてくださいませ」
     クレイアーは二神に手をついて懇願した。
     「それはどうゆうことだ、クレイアー。そなた、私がアリエルーを失ってから人間の娘を恋人にしていないことを知っているはずだろう」
     エリスが言うと、
     「それは忘れも致しません。それでも、我が娘を救えるのはエリス様だけなのでございます!」
     「だからいったいどうゆうことだ!」
     エリスが声を荒げると、ヘーラーがそれを制してクレイアーに話しかけた。
     「あのことに関係しているのか? クレイアー」
     「あのこと?」
     ついエリスが問いかけてしまうと、そのことは怒りもせずヘーラーが答えた。
     「レシーナーというその娘、先日、ある男に手込めにされたばかりなのですよ」
     「なんですって! どこのどいつです、その不埒な男は! この私が行って成敗を……」
     するとクレイアーは「それはもう無用です」と口を挟んだ。
     「その男はすでに成敗されました。我が夫が、自分の命と引き換えに……」
     それを聞いて、エリスも最近耳にした噂を思い出した。
     「そなたの夫が、そなたの腹違いの弟と諍い(喧嘩)になって、決闘で相打ちになったと聞いたが……そうか、その諍いの原因が……」
     「そうです。我が家で酒宴があった折、酒に酔った弟を我が家に泊めたところ、あの弟はよりにもよってレシーナーの寝室に忍び込み……」
     クレイアーが悔し涙で声が出なくなってしまったので、続きはヘーラーが話してくれた。
     「自分の大切な娘を手込めにされて、黙っている父親などいない。彼は相手が剣の使い手であることは百も承知で決闘を申し込み、そして相打ちになって果てたのだ。そしてレシーナーは叔父に純潔を奪われた苦しみと、敵討ちで父親が死んでしまった悲しみで気が触れてしまった。だから私が秘密裏に治療に行って、先ず純潔に戻してやってから、記憶を操作して正気に戻らせたのですよ。叔父など始めからいなかったことにし、父親は事故で亡くなったことにした。それでも、忘れたはずの記憶の奥底で、男への恐怖は消えなかった――そういうことであろう? クレイアー」
     「はい、ヘーラー様」
     クレイアーは涙をぬぐって話し出した。
     「それまではなんともなかったのに、使用人の男たちを恐れるようになり、部屋に閉じこもるようになってしまいました」
     「そういう女性に、そなたも心当たりがあろう?」
     ヘーラーに問われて、エリスは頷いた。
     「そのレシーナーは、キオーネーと同じ苦しみを背負ってしまったのですね」
     「どうかお願いでございます!」とクレイアーは再び床に手をついた。「娘は以前からエリス様に憧れていました。エリス様となら許されない恋でもいいから、お傍に上がりたいと、まるで夢見るように。今のあの子を救えるのは、エリス様を置いてございません! どうか、娘をお助けください!!」
     そうゆうことならと、エリスも快く承知したのである。
     レシーナー本人には、エリスの方がレシーナーを見掛けて気に入ってくれたのだと説明した。実際エリスも本人に会ってみて、自分好みの愛らしい娘であったから、嘘も方便といったところである。

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  • from: エリスさん

    2009年03月13日 14時12分25秒

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    「果たせない約束・3」


     それはまだマリーターもシニアポネーも、ザクレウスさえ生まれていなかった頃。
     その日エリス女神はとある人間の屋敷に招き入れられていた。
     「ようこそお越しくださいました、エリス様」
     その家の女主人・クレイアーは恭しく頭を下げた。
     「ただいま娘は奥の間で仕度を整えております。しばらくこちらでお待ちいただきますようお願い申し上げます」
     「少し早く来すぎてしまったようだな」
     エリスはクレイアーが勧めてくれた安楽椅子に座ると、
     「じゃあそれまで、そなたが話し相手になっておくれ」
     「もったいない仰せでこざいます、エリス様。ではこの年寄りのお酌で申し訳ございませんが」
     クレイアーはエリスの傍へ行き、エリスの手の中にある杯に御酒を注いだ。
     「年寄りだなんて謙遜な」と、エリスは言った。「まだまだ若いのに」
     「とんでもございません。もう三十八歳でございますよ」
     「十分若いよ。しかも未亡人らしい色香も備わっていて、宮中ではそなたに恋焦がれている男たちもいるそうじゃないか」
     「そんな、誰がエリス様のお耳にそのような冗談を吹き込みましたやら」
     「いやいや、冗談ではなく」
     と、エリスはクレイアーの手を取った。
     「そなたが未亡人の貞操を守り続ける貞淑な女性でなかったら、私がそなたを恋人にしていたはずだよ」
     「恐れ多い……これから娘のところにお通いくだされると言うのに」
     「アハハ、戯れが過ぎたかな」
     エリスは握っていたクレイアーの手を、もう一方の手でポンポンっと叩いて、開放してあげた。
     侍女が入ってきたのは、そんな時だった。
     「お嬢様のお仕度が整いましてございます」
     「ご苦労様です。ではエリス様、ご案内いたします」
     クレイアーはそう言って、エリスを奥の部屋へ案内した。
     そこは、その屋敷の長女・レシーナーの寝室だった。
     「大変お待たせいたしました。ようこそ、いらっしゃいませ」
     レシーナーは深々と頭を下げて、エリスを出迎えた。
     まだ十七歳の彼女が白い花嫁衣裳に身を包んでいる姿は、確かにクレイアーを霞ませてしまう。しかしそれを、クレイアーは誇らしく見ていた。
     「では、ごゆっくり」
     クレイアーが遠ざかるのを足音で察すると、エリスは、まだ頭を下げたままのレシーナーに近づいて、抱きしめた。
     「恥ずかしがらず、私を見ておくれ」
     エリスの言葉に、レシーナーはゆっくりと顔をあげた。
     黒目がちの大きな目に、すっと通った鼻筋は、クレイアーにそっくりだがそれ以上に美しいとエリスは思った。
     そして淡い桜色の唇に口付けたとき、彼女は一瞬だけ声をあげた。
     「……怖い?」
     エリスが聞くと、レシーナーは首を左右に振った。
     「恥ずかしかっただけです」
     「じゃあ、やめる?」
     「……いや……」
     「なに? 聞こえない」
     「……やめないで……ください」
     「もっとはっきり言ってくれ」
     「……やめないで! 私に恥ずかしさを忘れさせてください」
     その言葉に満足したエリスは、レシーナーにキスをしたまま、彼女の花嫁衣裳を脱がせた。
     抱き上げて寝台に運ぶ時にはもう、レシーナーは従順な猫のようだった。
     エリスは自分も服を脱ぎながら「後悔はしないな?」と聞いた。
     「はい……」
     「今日を境に、そなたも同性愛の罪に落ちることになるのだぞ?」
     「そんなこと、エリス様のお傍にいられる幸せを思えば!」
     「……いい子だ」
     エリスは寝台に上がると、レシーナーを強く抱きしめた。

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  • from: エリスさん

    2009年03月13日 12時12分45秒

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    「果たせない約束・2」


     「本当にすみませんでした……」
     レイが深々と頭を下げると、
     「もういいわよ、気にしないで」
     と、麗子は微笑んで見せた。
     そして枝実子は「とにかく見つかって良かったじゃない」と言いながら、自分のマグカップにアップルシナモンティーを注いでいた。
     「いったん家に帰って、着替えなきゃいけないんでしょ? エミリーさんのお世話は後は私がやるから、レイちゃんはもう帰りなさい」
     麗子の言葉に甘えてレイが帰った後、枝実子は深いため息をついた。
     「なんだか心配だわ、あの子」
     「相談には乗ってあげないの?」
     麗子はそう言いながら、出来立てのベーコンエッグを差し出した。
     「出来る限り話は聞いてあげているのよ。でも、この歳で未だ処女の私には限界もあって……」
     「恋愛小説作家のエミリーさんがねェ……読者が知ったら驚くでしょうね」
     麗子は枝実子の向かい側に座ると、自分は紅茶だけを飲み始めた――すでに朝食を済ませて来ていたのだ。
     麗子は枝実子とは専門学校で知り合い、卒業後もちょくちょく遊びに来ているうちに助手をやるようになっていたが、それも来月までと決まっていた。というのも、来月にはかねてより交際していた羽柴氏と結婚するからである。
     「なんなら私、結婚してからもお手伝いに来ましょうか?」
     「そんな悪いわよ。結婚したら、羽柴さんのことに専念してあげて。こっちはなんとかなるわ。ショウ(乃木章一)もいるから」
     「乃木さんって、まだフリーター続けるつもりなの?」
     「やっぱりおかしい? そうゆうの」
     「まあね。普通は就職して、将来を見据えるものだろうけど……でも、就職することよりも、エミリーさんの傍にいられる時間を大事にしたいからって、自由の利くアルバイトをしているわけよね」
     「本人はそう言ってるわ」
     「だったら、ちゃんとエミリーさんと交際するべきだと思うんだけど。親友じゃなく、恋人・伴侶として」
     「……そう上手くはいかないのよ、私たちは」
     枝実子がそう言ってうつむいてしまったのを見て、麗子はティーポットを持ち上げた。
     「おかわり、飲む?」
     「うん、ちょうだい」
     麗子は枝実子のマグカップにお茶をなみなみと注いでから、横においてあったスケジュール手帳を手に取った。
     「今日は? 出版社の人が来るの? ええっと……〈新人さんが挨拶に来る〉?」
     「そうそう。この間まで担当だった兼田さんが結婚退職するから、今日から新しく中村さんって人が担当になってくれるんだって」
     「兼田さんが連れてきてくれるの?」
     「ううん、一人で来るって。うちの住所は分かってるし、兼田さんは他にも引き継がなきゃいけない仕事が多いからって、その中村さんが電話で言ってたわ」
     「そうなんだ。ふう〜ん、出会いと別れだねェ」
     「なに言ってるのよ、もう」
     枝実子はクスッと笑ってから、麗子のことをまじまじと見た。
     「あなたともね、こうして出会えて良かったわ」
     「あら、ありがとう」
     「本当よ。約束はしたけど、たぶん果たせないだろうなって思ってたから……」
     「???……なんの話?」
     「ううん、こっちのこと」
     覚えているはずがない――枝実子も、あるきっかけで突然思い出した記憶なのだから。
     はるか昔、ギリシアで、枝実子がまだ女神エリスとして生きていた頃、二人は出会っていたのだった。


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  • from: エリスさん

    2009年03月13日 10時57分27秒

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    「Re:し、しまった........」
     ディオニューソスのことを書くのを忘れてました orz

     一応、私の頭の中では、アドーニスが生まれてディオニューソスもすぐに駆けつけ、ペルセポネーと和解する構想も考えていたのに...............闘病の間にすっかり忘れてました。

     今更付け加えることもできないので、このままにしておきますが、念のため「その後ディオニューソスはペルセポネーの息子として、ハーデースにも可愛がられ、アドーニスも彼のことを兄として慕った」ということだけ添えさせてください。

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  • from: エリスさん

    2009年03月06日 14時45分57秒

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    果たせない約束・1

     その日は朝からあわただしかった。
     「原稿が見つからなァ〜い!」
     弟子の新條レイが母校の文化祭に呼ばれ、そこでスピーチをすることになっていたのに、その原稿がどこかへ行ってしまったのである。
     「落ち着いて、レイちゃん。ちゃんと探せば見つかるから」
     片桐枝実子はそう言ってレイの肩を叩き、一緒に探してやるのだった。
     このところレイは、恋人の三枝夏樹(さえぐさ なつき)とうまくいっていないらしく、心ここにあらずなまま仕事をすることがあり、その結果こんなミスを冒してしまうようだった。
     助手であり枝実子の友人でもある鍋島麗子(なべしま かずこ)が訪ねてきたのは、そんな時だった。
     「その原稿って手書き? それともワープロ? ワープロなら、一度削除してしまった文書でも復元できるわよ」
     麗子(かずこ)の言葉に、本当ですか! とレイは食いついた。
     「エミリーさんが使ってるワープロと同機種よね? OASYS30SX……」
     麗子はワープロ専用機であるそれの電源を入れ、「補助フロッピィがあるでしょ? 貸して」と、手を伸ばした。
     「えっと、補助フロッピィ……」
     普段使い慣れない物の名前を言われ、また困惑しているレイに代わり、枝実子がその補助フロッピィを麗子に手渡した。
     「こっちは麗子さんに任せて、あなたは自分にできることをやりなさい。まだ探していない場所があるはずよ」
     「はい! 先生!」
     レイは昨日やっていたことを思い出しながら、あっちの部屋、こっちの部屋と探し回った。
     それを見て麗子は枝実子に耳打ちした。
     「らしくないわね、彼女。どうしたの?」
     「どうも彼氏とうまくいってないみたいなの」
     「例のあれ? 年下の彼。同居しているお母さんが実は義理のお母さんで、しかもかなり若い」
     「そうそう。夏樹君のお父さんの元教え子だったんですって、その二人目のお母さん」
     「……で、いろいろと複雑な関係なのね」
     「そうゆうこと……復元できそう?」
     「大丈夫よ、もう終わるわ」
     ちょうどそんな時、キッチンから「あったァ!」というレイの歓喜の声が響いてきた。

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  • from: エリスさん

    2009年03月06日 14時14分46秒

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    「Re:m(__)m 遅ればせながら、復調しました。」
     休載していた間の経緯は「恋愛小説発表会・改訂版」http://www.c-player.com/ac64813/message   ac64813@circle に詳しく書いておきましたので、こちらでは割愛します。


     仕事の同僚には多大な迷惑をかけてしまい、また、読者の皆様にも大変申し訳なく思っています。
     これからも体調には気をつけていきたい、とは思うのですが、やっぱり人間なので、また具合が悪くなって休載することがあったら許してください。

     具合が悪くなって寝込んでいる間に思ったことを、ここで一つ暴露します。

     「“このまま”お婆ちゃんになりたくない」

     “このまま”という言葉は、心情的には漢字二文字に置き換わります。なにに置き換えて読むべきか、それは皆さんのご想像におまかせします。
     ヒントとしては、たぶんアテーナー女神も一度や二度は考えたことがあったんじゃないかと……不敬罪で火あぶりにされちゃうかな(^_^)


     この具合を悪くしていた時、いつもなら「みにゃあ!」と鳴きながら床の上でクネクネして、一緒に遊ぶ催促をする愛猫・姫ちゃんなのですが、このときばかりは大人しかったですね。台所で食器を洗っている私の足元をグルグル回るだけで、すんなり自分の部屋(ゲージ)に戻りましたから。公太と福も同様に大人しかったです。司郎と黒羽は、いつもと変わらず元気にいたずらし放題でした(^_^; やっぱりまだ子猫なのね、満一歳にはなったんだけど。


     さて、明日からは「ヤッターマン」と「ドラえもん」と「ケロロ軍曹」が公開されます。またうちの映画館が忙しくなるので、本当に体調に気をつけていないと、下手したら死んじゃうかも。

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