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from: エリスさん
2009年12月31日 18時24分46秒
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毎年恒例「いい初夢を見る方法」
毎年書いておりますが、今年も書いときますね。皆さん、一年前の書き込みをさがすの大変でしょ?
ちなみにこの方法は、「マリアさまがみてる」で今野緒雪先生が紹介しているものです。
まず、千代紙の裏にこう書きます。
長き夜の
遠の眠りの
皆 寝覚め
波乗り船の
音の良きかな
これを帆掛け船の形に折ります(折り紙のうまい人に教わろう)。そして元旦の夜に枕のした置いて、寝るだけ。
この歌は上から読んでも下から読んでも、同じ文章になる回文になってます。
(ながきよの とおのねぶりの みなめざめ なみのりふねの おとのよきかな)
今回も皆さん、やってみてくださいね。-
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from: エリスさん
2009年12月27日 18時34分54秒
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「Re:部屋の掃除をするはずが」
昨日から熱を出して寝込んでます。幸い仕事中は発熱しなかったんですが、家に帰った途端に寒気に襲われました。
仕方なく炬燵の中で横になりながら、動けるようになるまで休んでました。ときどきうっつら眠りそうになっていたのですが、完全に眠ってしまうと家事ができなくなってしまうので、テレビを付けっ放しにしていたところ……
「村主章枝さん」
と聞いた途端に、目が覚めた。
「あっ、ふみえちゃんが滑る!」
と思ったら、スッと起きられた。
さすがは村主章枝さん! あなたの演技を見ただけで、その日は就寝まで無事に家事を終えられました。
そして今日、熱は38度まで上がってるんですが、それでも家族の食事を作れる迄には回復してます。
あとは熱をさげるだけ。明日無事に仕事にいけるように、今夜も村主さんの演技を見なきゃ。
村主さん がんばれ! 優勝なんかできなくていいから、悔いのない演技を!icon
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from: エリスさん
2009年12月25日 13時10分14秒
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元旦からお仕事決定
というわけで、ここ(ネットカフェ)に来る前に、明日からのシフト表をもらってきたんですが、やっぱり元旦から出勤に決まってましたよ。
そのかわり大みそかがお休みなので、なんとかお節料理を作る前に、映画を一本見る余裕はありそうです。......まだ「レイトン教授」を見ていないんです。兄も見たがっている映画なので、なんとか二人で見に行けたらなァっと思ってます。
「ウルルの森の物語」は来年に入ってからの鑑賞になるかな。まあ、仕方ない。
ところで皆さんのお家では、大掃除は進んでますか?
我が家はまだまだですorz 昨日も換気扇を掃除しようとして、でもプロペラ部分が外れてくれず、結果掃除に2時間もかかってしまいました。もう、ビニール手袋してたのに、右手はあかぎれとひび割れで、痛いのなんの。常日頃からちゃんと掃除をしていれば、こんなことにはならなかったんでしょうから、結局は自分の所為なんですが。(^_^;)
次にお休みがもらえるのが明後日の日曜日なんで、その日は私室の整頓でもしようと思ってます。
来年は寅年でしたっけ? 年賀メール用に我が家の愛猫たちの写真を撮りまくらねば。-
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from: エリスさん
2009年12月17日 17時28分43秒
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予定を変更して更新しました
明日はちょっとした用事があるので、今日のうちに更新しました。
ヘーラーのパラス・アテーネー(アテーナー)への思いを、私小説風に書いてみたんですが。
ヘーラーという女神は、夫の愛人が産んだ子供には、かなり冷たいところがあるのですが.......まあ、無理はないですけどね。でも、どうもアテーナーだけは別だったようなのです。ヘーラーがアテーナーをいじめた、という伝説は残っていませんし。むしろ、二人でピクニックに行ったり(ゼウスがヘーラクレースにヘーラーのお乳を飲まそうと画策した、あのエピソードがそうですね)、結構仲良しだったみたいです。
まあ、私の勝手な想像なんですが。
さて、年内の「神話読書会」の更新は、今日で終わりです。来年は、うちの映画館の冬休み営業が終わったころに再開したいと思います。
もう一つの「恋愛小説発表会・改訂版」は来週の25日の更新を最後にしようと思います。(ちなみに今日は休載してます)
今年も残すところあとちょっと。読者の皆さまも体調には気をつけて、いい年をお迎えください。
あっ、小説の更新じゃなくて、雑談ぐらいはまだ書くかもしれないので、「いいお年を!」はまだ早いですね(^v^)-
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from: エリスさん
2009年12月17日 17時16分16秒
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「女神の理由・2」
メーティスがいなくなったことで、ゼウスはすぐに私に求婚した。私は快く承諾し、今度は誰も反対しなかった。
ゼウスとの初夜は何もかもが夢見心地で、痛みを覚えるまで私は現実に戻ることができなかった。そして心地よい眠りに落ちようとしていた時、それは現れた。
「いい気なものね」
その声に聞き覚えがあった私は、すぐに声のした方を向いた。
そこには、仰向けで眠っているゼウスに重なるように、うつぶせのメーティスがいた。
私が跳ね起きたのは当然のことだったが、そんな私をメーティスは嘲笑った。
「驚かなくてもいいでしょう? 私はゼウスと一体になったのだから、ゼウスに抱かれるということは、私にも抱かれていることになるのよ、ヘーラー」
それは幻影だった。だが、その幻影はゼウスの中にいるメーティスが意図的に見せているもの。彼女は、自分がいなくなってすぐに私を娶ったゼウスを恨んでいるのか? それとも、私を憎んでいるのか。
私の心が読めたのか、彼女はクスクスッと笑ってこう言った。
「どちらでもいいことよ、そんなこと。でも覚えていなさい。ゼウスの本当の妻は私よ。彼のために、己をも犠牲にした私こそが、彼の正式な妻に相応しい。あなたなど、私の後塵を拝したにすぎない」
そう言って幻影は消えたけれど……私に言わせれば、クロノスの腹の中に閉じ込められてさえいなければ、最初にゼウスの妻になれたのは私だったのだから、その地位をメーティスに奪われていた、ということになる。私だけが責められるのはおかしいはずだった。
それからも、メーティスの幻影はたびたび現れた。必ずと言っていいほどそれはゼウスとの営みの後で、もううんざりするほどだったが、それでも、私はゼウスの求愛を拒絶することなどできなかった。
ほどなくして私は懐妊し、長女のエイレイテュイアを出産した。
メーティスがいれば、彼女も同じ年の春に出産していたはずだった。
それから私は二人の娘と二人の息子に恵まれた。とは言っても、末っ子のヘーパイストスは私が単身出産能力で一人で宿して生んだ子だった。それは、あまりにもゼウスが余所に女を作って、しまいには私の双子の妹であるデーメーテールにまで手をつけたのが許せなくて、その反抗心からそうしたことだった。
しかし、ヘーパイストスがゼウスの血を引かずに生まれたのは、今思えば天の采配だったのかもしれない。
ゼウスの体に融合しきれずに残ったメーティスの子供は、ゼウスの頭にまで登りつめて、そこで出たがって暴れだした。
その子を出してあげたのはヘーパイストスだった。その子――パラスは生まれて初めて見た少年に恋をし、そして……その場にいた私を母親と認識した。
ひな鳥のような間違いを犯したパラスに、私はすぐに自分が母親ではないことを説明したが、それでも、パラスの中で私の存在は強くなってしまったようだった。
あのメーティスの娘なのだから、好きになれるはずがないと、私は始めそう思っていたのだが、パラスの素直さや愛らしさ、そして私に懐いてくるのが嬉しくて、私はすっかりパラスが愛しくなってしまった。
この子を養女にしたい……母親のいない子を預かりのに、なんの不都合もないはずだ。
そう思い、ゼウスに相談しようと、しばらくぶりに彼と臥所を共にした時だった。
「渡さないわよ、あなたには」
いつの間にか、私を愛撫していたはずのゼウスの姿が、メーティスになった。
「あの子は私の子供よ。あなたに奪われてなるものですか」
「……いや……やめてェ!」
私が突き飛ばしたメーティスは、寝台の下に落ちて、ゼウスに変わった。
「何をする、ヘーラー! 夫に向ってやめろとは何事だ!」
「あっ……ごめんなさい。今……悪い夢を見て」
それ以来、私がゼウスと営むのは極力減っていった。……ゼウスが浮気に走るのは、それも原因の一つなのかもしれない。
私はパラスの母親になるのを諦めたが、それでも母親代わりとして、エイレイテュイアやヘーベーと分け隔てなく養育することをいとわなかった。
そしてパラスとエイレイテュイアが斎王の候補となり、そのための教育が始まってしばらくしたころ、パラスが私に言ったのだった。
「私のお母様になって!」
私は、それはできないと教え諭すしかなかった。そのことで、どんなにパラスが傷つくか分かっていても、私はこの子に「お母様」と呼ばれるわけにはいかなった。
パラスはその夜、ずっと泣き通しだったと、後にヘーパイストスから聞いた。
私も流石に心が折れそうになって、ゼウスにすがりついた。
「お願い、何も考えられないぐらいに、滅茶苦茶にして!」
私らしくない頼みだったが、ゼウスは聞いてくれた。まるで野獣のようにまぐわい、その疲れで深い眠りにつく……。
それでも、メーティスは容赦なく現れた。今度は夢の中に。
「それでいいのよ。あなたにパラスは渡さない。あの子は私の娘なのだから」
裸身の私をきつく抱きしめながら、彼女はそう囁いた。
「……もう、やめて……」
私は初めて泣いて許しを乞うた。
「あなたのエゴのせいで、パラスがどんなに寂しい思いをしているか、母親なのに分からないの?」
その時だった。ゼウスが私の頬を叩いて、起こしてくれた。
「また、悪い夢を見たのだな?」
私は黙ってうなずいた。
「それは……メーティスのせいか」
「あなた、気づいて……」
ゼウスは私の体を抱き起こすと、肩から毛布を掛けてくれた。
「最近になって気付いたのだ。どうやら、わたしの中でメーティスの自我が残っていることに。時折わたしの中から顔を出して、そなたに悪さをしていたらしいな。……彼女はなんと言っていた?」
私はようやく、今までため込んでいたことを告白することができた。そのためにパラスを悲しませてしまったことも。
すると、ゼウスは私の肩を軽く叩いて、言った。
「メーティスの気持ちも分かってやれ。わたしだけでなく、娘まで奪われては、そりゃメーティスも浮かばれぬよ。だが、パラスには母親が必要だ。だから、そなたには今まで通りパラスの養育を頼みたい」
「はい、それはもう……」
「そして、いずれその時が来たら、そなたはパラスの姑として〈母〉と呼ばれればいいのだ」
「しゅうとめ?……あなたは、パラスをヘーパイストスの嫁にと、お考えですか?」
「不服か?」
「いいえ。でも、パラスは斎王に――天の花嫁になるかもしれない女神です」
「永遠にそうではない。いずれ、わたしが長き治世を終えて退位し、新しい神王が立ったら、その時は斎王も交代になる。その時は、パラスをヘーパイストスと結婚させたらいいのだ。あの二人は相思相愛だからな。そうなれば、そなたはパラスの姑。パラスがそなたを〈母〉と呼ぶことに、誰も文句は言えなくなる」
それは、かなり長い先の話。それでも、私はそれに希望をつなぐことにした。
それまでは、母親代わりとして陰ながら見守っていこうと、私はそう決心したのだった。
終icon
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from: エリスさん
2009年12月17日 15時22分55秒
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女神の理由・1
「お母さまになって!」
そう言って抱きついてきたあの子を、私は離してしまった。
「それは出来ないのよ、パラス」
「どうして? 私、ヘーラー様にお母様になってほしい。ヘーラー様をお母様って呼びたい!」
それは私の望みでもあった。この子の母親になりたい――母と呼んでもらいたい。なにより、母親を亡くしたこの子が哀れでならない。
それでも、私はこの子の気持ちに応えてやることができなかった。
〈あの人〉の思いを知っているからこそ。
それは、私がまだ幼かったころのこと。母・レイアーが弟のゼウスと話しているのを、私は物陰から隠れて聞いてしまった。
「ヘーラー姉上を、僕の妻に欲しいのです」
ゼウスがそういったとき、私は有頂天になりかけた。でも、次の母の言葉で、それはすぐにかき消された。
「駄目です。あの子はまだ、神王の正妃になる器が備わっていません」
「でも、血筋から言っても、ヘーラー姉上が一番の適任者。それに……僕は姉上の美しさに、心を奪われてしまいました」
あの頃の私は、実年齢は七歳だったけれど、見た目は十二歳ぐらいになっていた。その私を美しいと言ってくれた……心を奪われたと。その言葉に、私もゼウスのことが大好きになっていた。それなのに……。
「ただ好きだから、では《神王の正妃》にはなれないのです。あの子は言わば生まれたばかり。まだその器には達していないのです。しかし……そなたには政務の片腕となるべき伴侶が必要なのも確か。ですから、しばらくメーティスを正妃となさい」
メーティスは私より十歳年上の知恵の女神で、私の従姉だった。確かに才気にあふれた素敵な女神である。母が息子の妻に選ぶのも当然かもしれない。
生まれてすぐに父・クロノスの腹の中に閉じ込められ、それから六年間も出てこられなかった私は、最初の結婚のチャンスを逃してしまった。
ゼウスがメーティスと結婚したことにより、私はそれまで以上に女神修行に勤しんだ。いつかメーティスを追い越してみせる。そして、初恋の人を取り戻してやるのだと、躍起になっていた。
それから九年後のこと。私は十六歳になり、誰が見ても美しく、威厳を備えた女神にと成長していた。
ゼウスも十四歳になっていた。そのころでも私の恋心は薄れることなく、彼のことを姉として接しながら、恋心をひた隠しにしていた。
そしてようやく、メーティスがゼウスの第一子を懐妊した。――そして、事件が起こった。
ゼウスが悪夢に襲われるようになったのである。それは、父・クロノスがウーラノスの呪いにより悪夢に襲われたのと、まったく同じ状況だった。
「メーティスがこのままわたしの子を産めば、わたしはその子に残酷な死を与えられる!」
ゼウスは苦悩した――クロノスはこの悪夢により正気を失い、生まれてきた子を次々と、自身の腹の中に押し込めた。自分もそうしなければならないのか? と。
ウーラノスの呪いを打ち消すためには、どうしたらよいのか……誰もが悩んでいると、メーティスが潔い決断をしたのだった。
「ゼウスがゼウスでなくなればいいのよ」
そう言って、メーティスはゼウスを抱きしめて、彼と融合した……そのためにゼウスは少し女性らしい顔つきになり、皮膚も以前より白くなった。そして、メーティスのような知恵者へと変身したのである。
こうして、今までとは別人になったゼウスは、ウーラノスの呪いから解放されたのだったが……一つだけ問題が残った。
メーティスが宿した子供はゼウスの中に融合しきれず、ゼウスの体内を巡り続けたのであった。-
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from: エリスさん
2009年12月11日 12時12分01秒
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毎年のことですが
明日から、私が勤務する映画館は一時間早くオープンすることになります。
なので、毎度説明することですが、早朝営業に合わせて私の起床時間も早くなり、
結果、私の睡眠を確保するために、サークル更新が縮小されることになります。
この「ヘーラクレースの冒険」に関しては、これから更新を続けていくか悩みどころでもあったので、これはいい機会だったのかな? と思います。
そんなわけで、しばらく「ヘーラクレースの冒険」はお休みして、短編をちょこっと書いて年内は終わろうと思います。-
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from: エリスさん
2009年12月11日 12時06分20秒
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「ヘーラクレースの冒険・35」
大猪はその日のうちに、生け贄として神殿へ届けられた。
神に生け贄を捧げる儀式を終えると、ヘーラクレースはすぐにも森へ入って狩りを始め、テウス王子が望んだだけの獲物を仕留めて帰ってきた。
そして、その夜は大宴会となったのである。
久しぶりにイオラーオスとも会えたテウス王子は、すっかり上機嫌になって、もう大猪のことも忘れたようだった。
その様子を見て一安心したヘーラクレースは、旅の疲れもあり、早めに休ませてもらおうと、そうっと宴会場を抜け出そうとしたときに、エウリュステウス王に呼び止められた。
「そなたに引き合わせたい者がおるのだ」
エウリュステウスはそう言うと、一人の少年を呼び寄せた。目鼻立ちの整った美しい少年である。
「ヒュラースという。そなたの供として今後の旅に同行させようと思う」
「供ですか? しかし、わたしを手助けするものがいては、いけないのでは?」
「いずれは精鋭隊を率いても良い、というお話はあったのだ。今はまだその時ではないが、しかし、今までのようにそなたと連絡が取れないままでは困るのでな。特別にかの女神から許可をいただいて、連絡手段として供を付けることにしたのだ」
「連絡手段……ですか?」
「見せてやりなさい、ヒュラース」
エウリュステウスの言葉にうなずいたヒュラースは、口に二本の指をあてて口笛を吹いた。すると、遠くの空から一羽の白い鳩が飛んできたのだった。
「これはポッポ。僕の伝書鳩です」
ヒュラースが言うと、ヘーラクレースも納得した。
「そうか! 君は伝書鳩使いなのか!」
「多少の剣術も心得ております。ですからお願いです。僕をヘーラクレース様のお供にしてください」
「もちろんだ! もとより我が王が見つけて下された供ならば」
その言葉にエウリュステウスも満足げに微笑んだ。
こうしてヘーラクレースはヒュラースと二人で旅をすることになった。果たして次の目的地は?…………
そのころ天上では。
アテーナーのもとにヘーラーの使いとして、不和女神エリスが訪ねてきていた。
「ミュケーナイから生け贄として猪が届けられたので、貴女様にもおすそわけしたいと、我が母・ヘーラーから託されて参りました」
エリスが仰々しく挨拶をすると、アテーナーもそれに返した。
「わざわざご足労下さいまして、ありがとうございます。どうぞヘーラー様にもよろしくお伝えください」
「はい……して、斎王様にお尋ねしたい仕儀がございまして」
「なんでしょう?」
「賢人ケイローンに情けを掛けたのは、貴女様でいらっしゃいましょう?」
アテーナーは一瞬口をつぐむと、すぐにニッコリと笑って見せた。
「つまり、ヘーラー様にもバレているということかしら?」
「もちろん」と、エリスも笑い返した。「そのことに、とても満足していらっしゃいましたよ」
「そう? お怒りではいらっしゃらない?」
「全然。ケイローンに類が及んで、とても心を痛めていたところを、貴女様が助かるための手段を彼に教えていると知って、本当に安堵していたのです。それに、自殺したポロスのことも、星座にしてやることで供養なさったではありませんか。母君はとても感謝していらっしゃいましたよ」
「そう……」と、アテーナーも安堵の吐息をついた。
「それと、母君からの伝言です。〈これからもアテーナーにだけは、あの者の手助けをすることを許す〉と。貴女様は本当に、母君に愛されているのですね」
するとアテーナーはちょっと悲しげな表情を見せた。
「本当にそうなら、あなたのように養女の一人に加えてもらいたいわ」
「今でも実質的は養女みたいなものではないですか」
「そうなんだけど……でも、私は〈お母様〉とは呼ばせてもらえないもの」
「……すみません」と、エリスは頭を下げた。「余計な事を言ってしまいました」
「あら、ごめんなさい。私こそ……」
こうゆうこともあり、今後もアテーナーはヘーラクレースの手助けをするようになるのである。icon
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from: エリスさん
2009年12月04日 15時19分51秒
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最近思うこと
「ヘーラクレースの冒険」を書き始めてから、アクセス数がガタ落ちだ。
読者の皆さんはやっぱり、私に百合小説を求めてるんですよね........そりゃ私としても得意分野ですから。
だけどヘーラクレースを主人公にすると、どうしても男の比率のが多くなる。女は出てこない――もちろんガチ百合にもできない。
どうしましょうね? 一端ヘーラクレースの話は中断して、別の話を書きましょうか?
しばらく考えさせてくださいね。
ちなみに、もう一つの小説サークル「恋愛小説発表会・改訂版」では、ソフトな百合物を連載中です。-
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from: エリスさん
2009年12月04日 15時15分20秒
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「ヘーラクレースの冒険・34」
「そうしてわたしは、ケイローン様がお倒れになっているであろう洞窟まで戻りました。しかしすでにお姿はなく、近くに住むケンタウロスの話では、わたしが旅に出ている間ずっとケイローン様の世話をしていた若いケンタウロスが、ケイローン様が息を引き取ったのを知ると、すぐに墓を造って葬ったとのこと。それでわたしは墓の場所を教えてもらい、手を合わせてまいったのです」
ヘーラクレースは目に涙をためながら、エウリュステウス王とミレーユ王妃に語って聞かせていた。
それを聞き、ミレーユも目じりの涙をぬぐった。
「神であれ人であれ、命を失うのは悲しいことね。でも、あなたはケイローン様の苦しみを一刻も早く消し去ろうと、王に与えられた試練を後回しにしてもカウカソス山に向かった。それは正しい判断だったと思いますよ。そうですわよね? 陛下」
ミレーユの言葉にうなずいたエウリュステウスも、こう言った。
「もちろんだ。試練も大事だが、人命を助けることはもっと大事だ。なにより、わたしなら許してくれるだろうと、そう思ってくれたことが嬉しいよ。わたしを信頼してくれている証拠だからな」
その言葉が嬉しくて、ヘーラクレースはまた頭を下げた。
「これで、帰ってくるのに月日がかかった事情は分かった。それでは、あのイノシシだが……どうだろう? 賢人ケイローンの冥福を祈って、ヘーラー様の神殿に供えるというのは」
「まあ! それはよろしゅうございますわ」
ミレーユが拍手をせんばかりに賛成すると、ヘーラクレースも頭をあげて言った。
「ありがとうございます。そうしていただけると……」
だがそこで「ええ〜!」と大きな声をあげながら、入ってきた人物がいた。
「駄目だよ! バーベキュー大会するって約束だったじゃないか!」
王子のテウス(後の名をエウリュステウス2世)だった。
「そういえば、そんな約束もしていたな……六カ月も前の話なんで、忘れていたよ」
エウリュステウスが言うと、テウスは父親の方まで駆けて行った。
「絶対やるんだからね、バーベキュー! もうイオラーオスも呼んじゃったし、塾の友達にも声を掛けちゃったんだから!」
「いや、駄目だ。バーベキューなら今日じゃなくてもできるが、ケイローン様を供養するなら今しかないのだ」
「だってェ〜……」
「一国の王子がそんな我儘でどうする!」
と怒鳴った途端、エウリュステウスは胸が痛くなって咳き込んだ。
「あなたッ」
咄嗟にミレーユはエウリュステウスの背中をさすってあげた。「急に大声を出すからですわ」
「す……すまない」
「お父様……」
テウスは辛そうな父親の姿を見て、すぐに反省の色を見せた。
それを可愛いとも、可哀そうとも思ったヘーラクレースは、王子に向かって言った。
「それではテウス様、こうしましょう。宴会のための獲物は、これからわたしが仕留めて参ります。ですから、今回とらえてきたイノシシは、この愚かなわたしのために亡くなられたケイローン様にお譲り願えないでしょうか」
「うん、わかったよ」と、テウスはヘーラクレースに言った。「だから、いっぱい仕留めてきてね。みんながお腹いっぱい食べられるように」
「お任せください、王子」
そうしているうちにエウリュステウスの咳も収まってきた。
「ではそうしよう……王子の我儘を聞いてもらって、悪かったな。ヘーラクレース」
「とんでもございません。わたしは王の臣下でございますから」icon
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