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神話読書会〜女神さまがみてる〜

神話読書会〜女神さまがみてる〜>掲示板

公開 メンバー数:11人

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  • from: エリスさん

    2010年05月28日 13時54分53秒

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    「ヘーラクレースの冒険・53」

     ヘーラクレースへの10番目の試練は「ゲーリュオネースの赤い牛を取ってくる」ということであった。
     これが良くわからないのだが……今までは人助けのように怪物を退治したり、珍しいものを取ってきたりというものだったが、これだけが、赤い牛などたいして珍しいわけでもなく(現に赤茶色の牛は通称“赤べこ”として存在するわけだし)、このゲーリュオネースが近隣の人々に悪さをしていたという事実もないのに、エウリュステウスはそれを欲している。確かにゲーリュオネースは三つの頭と六本の脚を持つ怪人ではあるそうなのだが……。
     かなり疑問は残るが、ヘーラクレースはエウリュステウスに命じられるまま、ゲーリュオネースを倒して赤い牛を手に入れるのだった。なおこの際、牛の番犬である「オルトロスの犬」をひと殴りで殺している。


     そして、11番目の試練へと移った。
     「本当だったら前回の試練で終わっていたはずだったのにな……」
     以前ヒュドラー退治で甥のイオラーオスを手伝わせたことと、アウゲイアースの馬小屋掃除で報酬を求めたことがヘーラー女神の怒りに触れ、試練を増やされてしまったのだ。
     「本当にあの時は、申し訳ございませんでした」
     ヘーラクレースは恥ずかしさで平伏するしかなかった――エウリュステウスがヘーラー女神に取り成してくれなかったら、今の自分はなかったかもしれないのである。
     「なに、臣下を守るのも王の役目だ。さて……次の試練はその我が女神からの挑戦なのだよ」
     それは――ヘスペリデスの黄金の林檎(りんご)を、その番人である竜を倒さずに手に入れる、ということだった。
     今まで力任せに怪物を退治してきたヘーラクレースには、少々難題かもしれなかった。
     ヘスペリデスというのは、エリス女神の姉にあたる三人の女神で、「黄昏(たそがれ)の娘たち」と呼ばれている。西の果てに住んでいて、その地にある黄金の林檎の樹を守っていた。番人として樹にぴったりとくっついている竜は、後に出てくるケルベロスやオルトロスの兄弟にあたる。
     とりあえずヘーラクレースは西の果てに向かうことにした。道筋は以前プロメーテウスを探しに行った時に通っているので、まったく迷うことがなかった。
     西の果てにつくと、そこには三人の女神がいた。
     「林檎を取ることがあなたの試練というなら、私たちは止めはしないわ。だけど、あのラドン(竜)を倒さずにそれを成すことができるかしら?」
     ヘスペリデスの一人・閃光のアイグレーにそう言われたヘーラクレースは、確かに悩んだ。なにしろ今回は「倒してはいけない」のだ。しかし、竜は近づくものにはなんであろうと口から火を吐いて、近づけさせてはくれない……ただ一人を除いては。
     竜に毎日餌付をしている巨人がいた。アトラースである。
     アトラースは世界の果てで天空を両肩に乗せて支えている――という伝説があるが、賢い読者ならもうおわかりだろう。そんなことあるはずがない! 天空は誰に支えられるでもなく、自ら空に浮いているものだ。おそらくアトラースがかなりの巨体だったことからそんな伝説が出来上がったのだろう。実際、アトラースはヘーラクレースの八倍はあろうかという大男だった。彼にだけは竜も懐いている。
     ヘーラクレースはアトラースに事情を説明した。
     「よし、わかった。俺とレスリングの試合をして、君が勝ったら林檎を採ってきてやるよ」
     こうしてヘーラクレースは、アトラースとレスリングで戦うことになった――なんと十日もの間! そうしてようやくアトラースに勝つことができ、黄金の林檎を手に入れたのである。
     林檎を受け取ったエウリュステウスは、それをヘーラー女神に献上した。すると女神は、その林檎を割って、一切れだけエウリュステウスに食べさせた。
     「これで、もうしばらくは大丈夫であろう……」
     血色の良くなったエウリュステウスを見ながら、悲しそうにそう言ったヘーラー女神に、エウリュステウスは微笑んで見せた。
     「悔やまないでください、我が女神。わたしは十分、人生を楽しんでおります」

     試練も残すところ一つだけとなった。


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  • from: エリスさん

    2010年05月21日 12時42分15秒

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    「ヘーラクレースの冒険・52」
     テーセウス王子も同行することになった次の目的地は、アマゾーン一族の住む土地だった――このアマゾーンがどこにあったのかは、実はよくわかっていない。トラーキア北方などの黒海沿岸ではないか、というのが今のところの通説である。しかし女王ヒッポリュテーの実父がアレース神であることから考えると、アレースの所領であるトラーキアの近辺である可能性は非常に高い。
     このアマゾーン、もしくはアマゾネス族は女性しかいない種族だった。種族保存のために近隣の種族の男と交わるか、もしくは旅行者などと交わって子供を作るが、女の子だけを育て、男の子が生まれた場合は殺してしまうか、父親の方に押し付けるか、もしくは男性機能を切り落として奴隷にすると言われている。
     そして女の子が生まれた場合でも、大人になり軍隊に入った際は、弓矢を引くのに邪魔になる右の胸を切り落としていたという。
     とにかく女傑ばかりの強い軍隊を有していた。――今回の試練は、そのヒッポリュテー女王の金の帯を取ってくることだった。
     ヘーラクレース一行がアマゾーンに到着すると、ちょうどその子作りの時期だったらしく、その手伝いをしてくれるのなら金の帯を譲る約束をしてくれた。
     あまりにも事がスムーズに進んだのが許せなかったヘーラー女神は、皆が寝静まったころヒッポリュテー女王に姿を変え、「ヘーラークレースたちに騙された!」と騒ぎだした。
     アマゾーンたちはすぐにも武装し、ヘーラクレースのおつきの兵士たちと一戦交え出した……その騒ぎで、ヘーラクレースとヒッポリュテーも目を覚ましたのである。
     「女王の命令だと言っている声が聞こえるが?」
     ヘーラクレースは剣に手をやりながら言った。
     「信じて! 私はたった今まであなたと眠っていたのよ。そんな命令を出せると思うの!」
     「しかし、この部屋の外の者たちは、そう騒いでいる……」
     「馬鹿にしないで! 私は、寝屋を共にした御方を騙すような愚か者ではないわ。私はあの誇り高き軍神アレースの娘なのよ!」
     アレースの人柄はヘーラクレースも知っている。彼はヒッポリュテーの言葉を信じて、一緒にこの騒ぎを鎮めてほしいと頼んだ。
     「者ども、静まれ! 誰がこんな騒ぎを起こしたのです!」
     皆の前に現れたヒッポリュテー女王は威厳高らかにそう言った。
     「しかし、ギリシア人に騙されたと、寝首を掻かれそうになったと、女王自らが……」
     「それは私の偽物です! このヘーラクレース殿を貶めようとする何者かの謀略です。それに乗せられて、なんたる醜態ですか。恥を知りなさい!」
     その時、向こうの方からも騒ぎ声が聞こえた。
     「みんな動くな! 動けば妹姫の命はないぞ!」
     テーセウスだった。ヒッポリュテーの妹(父親は違う)のアンティオペーを人質に取っていた。
     「テーセウス! いったいなんのつもり……」
     ヘーラクレースはそう言いながら、テーセウスの手に持っているナイフに気づいた――それは偽物のナイフだったのだ。間違っても切れるはずがない。それをヒッポリュテーも気づいてヘーラクレースに耳打ちした。
     「あれは妹が使っているペーパーナイフです」
     テーセウスとアンティオペーもこの場を収めるために一芝居打っている――そう気づいたヘーラクレースとヒッポリュテーは、二人の作戦に乗ることにした。
     テーセウスはヘーラクレース一行を無事に船に乗せるまでは、アンティオペーを解放しないと言い、緊迫の空気のまま、なんとか一行を船に乗せることができた。
     「これで全員無事に船に乗ったはずです。早く妹を解放しなさい!」
     「まだです! ヘーラクレース様が所望された金の帯を、あなたはまだ渡していない。妹君はその帯と交換だ!」
     船と岸をつなげる橋の上で、テーセウスとヒッポリュテーは妹姫と帯とを交換した。その際、テーセウスは小声で言った。
     「ご協力を感謝します、女王」
     その言葉にヒッポリュテーは微笑みで返した。
     そうして船が岸から離れようとしたとき、アンティオペーが叫んだ。
     「テーセウス! 私、あなたのことが好き! これっきり会えないなんて嫌!」
     「だったら、付いておいで!」
     テーセウスは船からロープを投げた。「僕と生きる勇気があるなら、つかまって!」
     アンティオペーは姉の方を振り返ると、言った。
     「ごめんなさい、私……」
     「いいのよ、行きなさい」
     その言葉を聞くとアンティオペーは力強くうなづいて、走り出していた。
     無事に船に乗り込んだアンティオペーは、この後テーセウスの妻になるのである。

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  • from: エリスさん

    2010年05月14日 07時45分00秒

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    「Re:夜中に目が覚めて。――故に病院に行き、その結果」
     薬を飲む前に書き込みます。

     「恋愛小説発表会・改訂版」を読んでいる方なら、もうご存知だとは思いますが、病院で処方箋を書いてもらった咳止めの薬が、かなり眠くなるタイプのもので、寝起きも意識がうつろになります。薬の注意書きにも「服用後は車の運転や、高所での作業は絶対にしないでください」と書いてあるほど。
     でも服用中は咳が楽になるのもたしか。そして明日からは仕事に復帰しなければならないので、早くこの体を治したい。(気管支炎と診断されました)

     それなので、もうしわけありませんが、今週もお休みさせていただきます。

     「恋愛小説発表会・改訂版」の方は更新します。あちらはすでに出来上がっている原稿を書き写すだけなので、意識が朦朧としていても出来そうですから。

     読者の皆様には待ち惚けをくらわせてしまって、本当に申し訳ありません。来週こそは回復して、頑張って書きたいと思います。

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  • from: エリスさん

    2010年05月10日 03時29分34秒

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    夜中に目が覚めて。

     風邪がまだ治らないせいで、鼻と喉が詰まり、自分の咳する声で目が覚めた――今から30分前のことだ。
     仕方なく、うがいをするために起きた。
     うがいでいくらかは痰が取れたのだが、それでも息苦しい。呼吸をするたびに喉が「ピューピュー」と音を鳴らす。――こうなってくるとどうしようもないので、喉と胸にヴィックスヴェボラップを塗り、ヴィックスドロップを口に入れて、ドロップを食べ終えるまで起きていることにした。
     今日は4時まで寝られる日だったというのに、かなり損した気分だ。
     オマケに私の咳のせいで隣家の一人暮らしのおじいさんまで目を覚ましたらしく、今すべての雨戸を開けている音が聞こえてくる――このおじいさんはいつもそうなのだ。私が早朝営業で3時に起きなければならない日も、私が起きると一緒に起きだして、自分の家の雨戸を開ける。我が家の物音を目覚まし時計代わりにしているらしい。おかげでこっちは咳をするのも気を使うが、今日はこらえられないぐらい咳が出るので、もうどうしようもない。
     咳をするたびに体が熱くなってくる。汗まで出てきた。
     こうゆう時、皆さんならどうしてます?

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  • from: エリスさん

    2010年05月06日 18時31分58秒

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    明日はお休みしますm(__)m

     職場の同僚の皆さんはご存知のとおり、GW前に風邪を引き、風邪をこじらせたままGWの激務を乗り切りました。
     その結果、今日は寝込みました( ̄〜 ̄)

     明後日も映画館は混雑が予想されるので、明日のうちに風邪を直したいと思います。
     なので、明日はお休みします。ごめんなさい。

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  • from: エリスさん

    2010年05月01日 20時02分58秒

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    「Re:これからの注目作品」
     前売券を買って帰ろうと思ったら、完売!

     『大奥』ってマニア向けな作品だから、そんなに早く完売するとは思ってなかったので、びっくりです。
     人気あったんだ……。

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