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神話読書会〜女神さまがみてる〜

神話読書会〜女神さまがみてる〜>掲示板

公開 メンバー数:11人

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  • from: エリスさん

    2011年09月29日 17時18分07秒

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    明日は休載します。

     土曜日から、本職の仕事と、自治会の仕事が重なって、かなり大変なことになるので、明日は体調を整えるためにお休みをいただきます。
     自治会の幹事の仕事は3月31日まで続きます。苦痛でしょうがないので、早く4月にならないかと、切に願っています。

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  • from: エリスさん

    2011年09月23日 13時40分14秒

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    「双面邪裂剣(ふたおもて やみを さく つき)・24」
     枝実子は急いで家へ帰った。家まではだいたい一時間。
     玄関を開けると、すぐに出てきたのは、愛猫の景虎(かげとら)だった。
     「ミャア(^O^)」
     枝実子の顔を見るなり、媚びて鳴いてみせる――枝実子は少しだけホッとした。
     『俺の心配のしすぎだったか』
     だが、その考えは甘かった。
     母親が庭から出てきて、枝実子にこう言ったのである。
     「何か御用ですか?」
     如月の魔力は、やはり家族にまで及んでいたのである。
     「本当に俺……わたしのことが分からない、の?」
     「なァに、いったい」
     母親はものすごく不機嫌な、赤鬼のような顔になって舌を鳴らした。「誰ェ? あんた」
     「あんたの娘だッ。枝実子だ! 分かんねェのかよ、母親のくせに!」
     「何おかしなこと言ってんの、気違い! うちの枝実子はあんたなんか比べ物にならないぐらい美人なんだよッ。それなのにまァブサイクな子だねェ。気持ち悪いッ。どっか行っちゃえ! 行きやがれ!!」
     母親はますます形相を変えて、箒で枝実子を殴りながら彼女のことを追い出した。
     『ブサイクで悪かったな。昔から母親似だって親戚中に馬鹿にされてましたよォだ』
     枝実子は心の中で、思いっきり母親の顔を引っ掻いてやった。そんな枝実子のところに、景虎が駆け寄ってきた。
     「ミャア〜オ?(大丈夫?)」
     可愛く見上げる景虎を、枝実子は抱き上げた。
     「どうやら、俺のことが分かるのは、おまえだけみたいだな」
     家に入れない、学校へも行けない。行くところがない――枝実子は、近くの公園まで来て、ベンチで考え込んだ。
     とりあえず、こんな時は所持品の点検をしておくのに限る……所持品といっても、ろくなものはないが、筆記具、教科書、ノート、小説用バインダー(ルーズリーフは原稿用紙タイプ)、定期券、アドレス帳、折りたたみ傘。そして、趣味で持ち歩いているタロットカードと、演劇で使う道具が少しと、衣装。あとは財布と女性の必需品もろもろである。
     『ほんとにろくなものがない (>_<)』
     野宿もできそうにない。このままでは下手をしたら死んでしまう。
     「ニャア」
     景虎も枝実子と一緒に悩んでくれているようだ。
     「心配してくれているのか、景虎。ありがとなァ……」
     喉の下を撫でてやると、気持ちよさそうにゴロゴロと喉を鳴らす。
     「おまえはもう帰った方がいいよ」
     「ニャアーッ(嫌よ!)」(景虎は雌です)
     「嫌じゃない。いつまでも俺とはいられないだろ。俺は家に入れないんだから」
     すると景虎は、枝実子の膝の上に乗って、しがみついて、また一声鳴いた。絶対に一緒にいるという意思表示である。
     「言うことを聞け、景虎ッ。母さんだって、俺が枝実子だってわかってたら、あんな仕打ちはしなかったよ――そうじゃなくても冷たい人だけど。――だから、帰れ。俺だってそのうち帰れるようになる。ほら、母さんはいいとして、お兄ちゃんが帰ってきた時おまえがいなかったら心配するから。お兄ちゃんに心配かけたいか?」
     枝実子がそう言うと、景虎はやっとしがみつくのを止めた。
     「おまえが人間だったら、ただ一人の味方になってくれたのにな」
     周りの人たちは誰も、枝実子こそが片桐枝実子であると分からない。離れ小島に一人残された思いだ。
     『いや、待てよ』
     如月が記憶の操作を行ったのは、今現在、枝実子の周りにいる人たちだろう。いくらなんでも枝実子を知らない人間にまではそれをしていないはずだ。そして、今はまったく枝実子と接していない人間も。だから、もしかしたら、中学・高校時代ぐらいの友人なら、如月の魔力に操られていないはずだ。
     枝実子はアドレス帳を開いた。その一ページ目の一番初めに記してある人物の住所を確かめる。
     『埼玉県M市……』
     枝実子は景虎を膝から下ろすと、立ち上がった。
     「なんとかなりそうだよ、景虎」
     「ニャ?」




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  • from: エリスさん

    2011年09月16日 14時27分51秒

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    「双面邪裂剣(ふたおもて やみを さく つき)・23」
     「……眞紀子さん……」
     眞紀子が如月をかばう――それは枝実子にとって打撃以外のなにものでもない。
     『あなたがそんな奴をかばうなんて。そいつの味方になるなんて……聖女のようなあなたがッ』
     そんな彼女の心が分かるのか、如月はこっそりとほくそ笑んで、眞紀子に言った。
     「大丈夫よ、眞紀子さん。そこをどいて」
     「でもエミリーさん」
     「心配はいりません。この人にも何か事情があるのでしょう。訳を聞いてあげなくては」
     そして枝実子に向かって、
     「こちらへいらっしゃい。訳を聞いてあげましょう」
     枝実子はこのまま自分がみじめになるよりは、と思い、如月に連れ立って近くの公園まで行った。
     「これでお分かりでしょう。御身がわたしに敵うわけがないのです。わたしは何もかもに優れた人間なのですから。彼女たちの心をつかむのは実に簡単でした」
     「よく言ったもんだ。集団催眠かなんかで、記憶を操作したんだろうに」
     「あら、珍しく察しのいいこと」
     「悪かったなッ、普段は察しが悪くて!」
     枝実子はつい大声を出してしまった。
     「眞紀子さんにまでおかしな真似をしやがって、彼女たちに一筋の傷でも付けてみろ、俺が承知しない!」
     「どう承知しないのです? 今の御身に何ができますやら」
     悔しいが、その通りであるる彼女たちに枝実子が分からないのでは、今はどうすることもできない。
     しかし、いつまでもそのままなわけがない。
     「俺の友人たちを侮るなよ、如月。彼女たちは皆、なにかしかの分野で秀でた才気ある人たちなんだ。いつかこの不自然さに気づく。今まで接してきた嵐賀エミリーと、傍にいる奴とは全く違う人物だということをな。おまえが男だと言うことも――女であるはずの人間が、男なわけがないからな」
     「気づかれたら再び洗脳しなおすまで」
     「いつまでもつかね」
     「永遠です。わたしの霊力は凡人には計り知れませんから」
     「奢れる平家も久しからず――凡人には計り知れなくても、俺の友人たちは違うぞ」
     枝実子はそう言って、少し表情を沈ませて言った。
     「頼むよ、如月。俺からあの学校を取らないでくれ。俺にとって、今の学校は夢の架け橋なんだ。小説家になるために、複雑な家庭環境なのに無理して行かせてもらって、やっと、数少ない人たちだけど評価してもらえるようになったんだ。それに、まだやり残したことがある。それが終わるまでは死ねないし、学校だってやめられない。俺をどうかしたいなら、せめてそれが終わってからにしてくれ」
     「それまで舞っていたら、この世が破滅しますよッ」
     如月はそう言い放って、そして、おかしそうに笑い出した。
     「考えてみれば、とても気弱くなったのですね、エミリー。自分自身の命乞いをするとは。これが、その昔、太陽の司をも恐れさせた者の姿とは!」
     太陽の司? 何のことだ? と思っていると、如月は笑いやんで言葉を続けた。
     「眞紀子という女人(にょにん)、確かに素晴らしい御方ですね」
     枝実子は咄嗟に言った。
     「彼女には手を出すなッ」
     「ご安心なさい。彼女は穢れてはならぬ者――真の聖女です。わたしが理不尽な真似をできる相手ではない……御身もですが」
     その言葉に、つい枝実子の表情が引きつる――すると如月は鼻で笑って見せた。
     「今日のところはお帰りなさい。無駄だと思いますが、作戦でも練るといいでしょう」
     如月はそう言い残して去っていった。
     帰る?――枝実子はその言葉がいやに気にかかった。帰って、何があるのか……。
     『まさか!?』


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  • from: エリスさん

    2011年09月13日 15時35分07秒

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    「双面邪裂剣(ふたおもて やみを さく つき)・22」
     驚いたのは枝実子の方だった。
     「何言ってんだよ、俺だよ、エミリーだ」
     「エミリー?」
     瑞樹は再び怪訝そうな顔をした。
     「嘘ォ。私たちが知ってるエミリーは、あなたじゃない」
     「そうよ、エミリーさんはあなたみたいに男っぽくないわ」
     と麗子も言うので、
     「ちょっと待てよッ。みんなして俺のことからかってるんじゃないだろうな」
     「それはこっちの台詞ですッ」
     瑞樹がますます不機嫌そうに答える。
     「第一、エミリーならもう登校してるよ」
     柯娜の言葉に、枝実子は反論した。
     「俺がエミリーじゃなかったら、いったい誰がエミリーだって言うんだ」
     そこへ、誰かが近づいてきた。
     「どうしましたの、皆さん。大きな声で」
     「あっ、エミリー。ちょっと聞いてよ」
     枝実子はその声だけでハッとして、そちらを見た。そこに、眞紀子と一緒に、藤色の一つ紋を着たカール如月が立っていた。
     「この人が、自分がエミリーだって……」
     「あら、どうゆうことですの?」
     如月は枝実子の前へと出てきて、何食わぬ顔でいる。
     「あなた、どなた?」
     「なにが“どなた”だ、いけしゃあしゃあとッ。俺が片桐枝実子で、通り名を嵐賀エミリーと言う事ぐらい、おまえが一番良く知ってるだろ! 如月!!」
     「これはまた、おかしなことを。片桐枝実子も嵐賀エミリーもわたしの名です。それはここにいる友人たちが証明してくれます」
     周りの人間の記憶を操作したのだ。彼にはそれができるらしい。
     「如月……貴様ァ……」
     『強行手段に出たのか』
     枝実子は如月に食って掛かろうとした。
     だが、その前に眞紀子が立ちはだかって、如月を庇った。
     「エミリーさんに何をする気ですか!」

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  • from: エリスさん

    2011年09月08日 19時08分19秒

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    m(_ _)m

     明日、更新できなくなりました。
     友人であり同僚の子の代わりに、明日仕事に入ることになりました。声優のタマゴであるその子が、急遽オーディションを受けることになったんです。
     そんな理由では放って置けないじゃないですか。

     幸い、来週のシフトは半日上がりの曜日があるので、それを生かしながら、明日の代わりに火曜日か水曜日に更新しようと思っています。どうぞご容赦ください。

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