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from: エリスさん
2011年06月17日 12時46分51秒
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久しぶりに映画に関する話
久しぶりに映画に関する話をしましょう。
6月11日から「ゴーカイジャー ゴセイジャー スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」が公開されました。それによって前売り券の販売も終了したので、ようやく話せる話です。
前もって説明しておきますと、前売り券というのは「公開前日まで販売することのできる映画鑑賞券」のことです。主に映画館やコンビニ、そしてチケットぴあなどのチケット専門店で販売されています。――金券ショップで「もう映画が公開されているのに“前売り券”という名称で販売されている券」がありますが、あれは――映画館やチケット専門店では売れ残った前売り券を配給元に返品するのですが、それをどうゆうルートなのか知りませんが仕入れてきて、販売しているようです。元々が前売り券の売れ残りなので「前売り券」という名称で販売してますが、映画が公開されてしまったら「前売り」の定義から外れてしまうので、本来は違う名称で売らなければならないものだ――と、数年前にうちの上司が言っておりました。
横道にそれましたが――この「スーパー戦隊199ヒーロー大決戦」の前売り券には、前売特典というものがついていました。最近は映画ごとにいろいろな前売特典がついているものなのですが、この作品では、歴代の戦隊ロボットと、歴代のレッド(アカレンジャーとか、シンケンレッドとか、ゴーカイレッドとか、戦隊のリーダーのこと)のマグネットが付いていました。スーパー戦隊35作品が勢ぞろいとあって、かなり見ごたえある前売特典だったのですが、一箇所だけ落ち度がありました。
「バイオマンのロゴが欠けてしまっているので、必ず修正シールをつけて販売してください」
販売元からそういうお願いが届いて、私は思わず噴出しました。
「よりによって“あの”バイオマンですか!」
私のこの驚きを理解できたのは、上司の中でも30代から上の人たちだけでした。
そして前売り券の販売が始まり、私たちフロアスタッフ(グッズ売り場を兼任している)は、スーパー戦隊の前売り券を販売する際、
「こちらの前売特典は、“バイオマン”の文字が欠けてしまっているので、販売元から修正シールが付いております」
と必ず説明していた――すると、子供さんと一緒に前売り券を買いに来た親御さんは、大概爆笑したものだった。
私の後輩たちは、お客さんたちのそういう反応を、
「“バイオマン”の“バ”の文字が“ヾ”(こんな感じ)になってしまっているのを面白がっているのかな?」
と思っていたようです。
そして無事に映画が公開されて、私はようやく特撮好きの後輩とそのことについて話すことができた。
「実は、“バイオマン”が放送されていた当時、イエローを演じていた女優が失踪してしまったのよ」
まだ二十二歳である彼は、めちくちゃ驚いていた。
私と同世代の皆さんは覚えておられると思うが、バイオマンのイエローフォー交代劇はかなり異様なものだった。急に素顔のイエローフォーこと小泉ミカが出てこなくなり、そして戦死後の葬儀も変身後のイエローフォーのまま埋葬された――普通、戦死した時点で変身が解けて小泉ミカに戻るところだが、そうならなかったのだから、いくら子供でも「おかしい」と気づく。
実は演じていた女優が急に行方不明になってしまい、仕方なく話をつなぐためにイエローフォーはスーツアクターが演じ、声は声優の田中真弓が代役を勤めた。
幸いバイオマンの設定は、「大昔に飛来した宇宙人が、地球人の中から5人選んでバイオ粒子を与え、いつか来る征服者から地球を守れるようにした」というものだったので、つまり「バイオ粒子を与えられた者の子孫だったらバイオマンになれる」ということで、新しいイエローフォーを探し出すという話につなげていったわけである。
その曰くありの作品のロゴだけが欠けてしまったのである。知っている人間は、
「なんの因果だ!?」
と思わずにはいられない。
「え?? もしかして、東映さんの狙いですか? 戦略?」
という後輩の驚きに、
「いや、偶然だろうけど、なんか結びつけて考えちゃうよね」
それにしても、あのイエローフォーの女優さん、未だに見つかっていないんですよね。いったいどうしちゃったんでしょうね。-
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