１年間のまとめの時期，授業参観や懇談会が行われる。子どもたちの１年間の成長の跡を見ていただいたり，聞いていただいたりする機会である。「子ども一人一人が活躍する場を設けたい。」「学習で力をつけた姿を見せたい。」などと思いながら授業内容を検討したり，迎えるための環境を整えたりと事前に努力をされる。
　保護者も「わが子の成長」を期待し，参観される。
私は，個々の力を見せる事も大切であるが，人との関わりを見てもらいたいといつも思っている。
　教師と子どもとの関係，子ども同士の関係は，社会生活を営む上でとても大切であり，学校教育で大事にしていることでもある。
「うちの子は先生から大事にされているだろうか。」
「うちの子は，友達とうまく生活しているだろうか。」
こんな見方で見てもらいたい。
　特に「友達とうまく」というのは，「仲間に働きかける姿」や「仲間から働きかけられる姿」で見ることができる。特に子どもの発する言葉からそれがわかる。
・友達に声をかけることはあるか？
　（「すごいね。」「いいね。」「大丈夫？」「できた？」「何しているの？」「どうするの？」「どう思う（考えた）？」「〜しようか？」等）
・逆に友達に声をかけられることはあるか？どう答えているのだろう。
　（「ありがとう。」「うん，いいよ。」「でも。」「私はこう思うよ。」等）
それとは別に「うるさい。」「私の勝手だ。」「放っておいて。」など関わろうとしない言葉はないだろうか。
こんな言葉からその子の仲間との関わり方が見えてくる。
　友達を生かそうとする子なのか，友達を受け入れようとする子なのか，自分を主張してばかりいる子なのか，学校での子どもの様子が子どもの発する言葉から見えてくる。
　子どもの発する言葉に敏感な保護者になってほしい。（子どもの言葉を聞き取ろうとする保護者が多ければ，参観するときの保護者の姿も今以上にきっとよくなると思う。）