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  • from: 岐阜のすーさん

    2008年06月10日 05時57分21秒

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    すぐに飛びつくと生かせない

     授業の中で言ってほしい内容が子どもの発言から飛び出すと,「そうだね。」とすぐに相づちを入れ,子どもたちに「○○さんの言う通りだね。わかったかな。」と子どもたちに投げかける教師をよく見かける。中には,事前に机間指導の最中に使いたい内容を記述した子どもをチェックしておき,意図的指名をして,「いい考えだね。」と褒め,その内容がよいと話す教師がいる。一見,子どもの意見を生かして授業が進んでいるように思う。しかし,本当に子どもを生かしたことになるのだろうか。
     教師が指名して扱った子どもの考えを他の子が理解し,納得して初めて生かしたことになる。教師が言ってほしい内容を子どもが言えばすぐに理解できるものでもない。すぐに飛びつくのではなく,他の考えと同じように扱い,子どもたちが「その考えはいいなあ。」と言うまでじっくりと扱う必要がある。
    「うーん。そうかな。」「へー,そんな考えもあるのか。」等わからない子の立場に立ちながら,「○○さんの言うこと,わかる?」と問いかけてみる。その投げかけに「わからない。」と答えてくる子は以外といるものである。その反応をみながら,「わからないよね。もっとうまく説明してくれないかな。」などとより分かりやすい説明を求める。この「わからない。」を大切にすることで,発言した内容をよりわかりやすくなるように話を進めていくことができる。
     わかっていくとその発言した内容のよさが光ってくる。「すごいね。○○さんの考え。」となったとき,子どもの発言が生かされたことになる。すごいと話す子どもたちになるまで,ぐーっと我慢して待つ。時間に追われながら授業を進めていく時にこの我慢はなかなか辛い時間でもある。しかし,子ども自身が考え,新たな考えを受け入れる時間が一番役に立つ。「わからない。」から「わかる。」になる過程が学習そのものになる。「わからない。」と言われた子どもは,わかるようにしようと必死で話し方や話す内容を考える。すぐに飛びついて教師の考えを一方的に子どもに押しつけるのではなく,ぐーっと我慢することで子どもたちが活躍する。子どもたちが動く姿に感動を覚えながら,見守り,方向を修正しねらいに迫るように案内できれば,子どもたちの力で授業が作られることにもなる。
     鍛えなければならないのは,発言しない子どもたちへの指導。わかった振りをしていてはだめ。聞いてわかることではだめ。だから,意図的に発言しない子どもを指名する。「納得できるのか」「自分の言葉できちんと話せるか。」を常に意識させ,それを問う。その姿勢で授業に立ち向かわせる。すぐに飛びつくと発言しない子どもの伸びは期待できない。

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