本気かどうかを子どもは感覚で掴む。だから、こちらの一挙手一投足に本気が見えないと嘘だと思う。
・本当に私たちのことを分かろうとしてくれている。
・本気で私たちの未来を考えていてくれる。
・本当に思っていることを伝えようとしていてくれる。
　それは、言葉の強さ、語り方、姿（身振りや手振り、顔の表情など）で分かる。そして、語る内容が真実のように聞こえてくる。
　そして、「これだ。」と思えば、「よし、ついていこう。」とその気になり、動きたくなる。そこまで付き合う。手放すのが早いと「なーんだ。それだけのことか。」と口先だけになる。

事例　宿題忘れが多く、担任も指導の限界を感じている子への対応
　（平気で嘘を付く。ごまかす。信頼を裏切っている。等と言われている。）
　今のままでは、変わらないと思う。「嘘をつくのは、どうしてか分かる？」「それはね。自分を守りたいからだよ。自分を守りたいという気持ちは誰にでもある。あなただけじゃないよ。だから、安心していい。」
　「先生は、あなたを叱るつもりでここにいるわけではないから、安心してね。」と子どもに話し、暮らしの様子や趣味などを聞き、安心できる場所にした。そして、その後「あなたの夢は何？」と尋ねた。少し構え、言いたくないようなそぶりをした。そこで、こちらから質問をした。その中に答えがあった。目を丸くしてびっくりしている子どもに「そうなんだ。すごい。ちゃんと夢をもっているんだ。」と伝え、その夢を実現するために応援する私だと伝えた。そして、ゴールにいる自分がどんな仕事をどのようにし、どのように人と関わっているかを想像させた。すると、いろいろな気づきをし、今しなければならないことが一杯あることに気づいた。
そして、ある俳優の幼い頃からの俳優になるために努力したことを話した。それを聞いているうちに忘れた宿題などほんの些細なことのように見えてきたようだ。
「この宿題どうする？」
「うーん、家でやろうか。今やろうか？・・・今やる。」
「そうか、それなら。先生、仕事あるので向こうにいるから、できたらもってきてね。」と話し、夢を意識するサイン（握り拳を作り、親指を立てて、相手に向ける）を子どもに示し、「これだよ。夢。」と言ってその場を離れた。