しでも子どもたちに力をつけたいとか，学級をもっと楽しくしたいとか子育てに関わる本を買って，参考にしながら実践することは日常的だ。そして，「何かいい方法はないか。」とか，「どんな指導をするとよいだろう。」とかすぐに役立つ指導の技術を学ぼうとすることが多い。それに関わる本も多く出ている。しかし，目先の技術だけを学んでも，場面が変わったり，対象が変わったりすると役に立たないことがあり，また，一から勉強し直すことになってしまう。
　それでは，せっかくの実践ももったいない。これを役立てるには，実践をしたときの学び方が重要になる。つまり，その実践の裏付けとなる子どもや教材（活動）に対する見方や考え方，扱い方を整理しておくことだ。
・何を見て，この手だてがよいと考えたのか。
・その手だてはどんな考え方に基づいているのか。
・その考えは，どんな場で利用可能か。
・その考えは，対象を変えても利用可能か。
・その考えをすれば，誰にでも有効なのか。
　試行錯誤しながら，いろいろな実践をしてみる。すると，物事の本質が見えてくる。本質を見ようとするとどこでも使いたくなるから幅広く応用することができる。この繰り返しが自分の教育力になっていく。慌てず焦れずじっくりと実践を積み上げたい。