読者の方から相談を受けることがある。藁をもつかむ気持ちできっと見ず知らずの私のようなものに相談を持ちかけられるには、かなりの勇気が必要だと思う。精一杯の返答を差し上げるが、実際の様子が自分が想像するイメージとは違うため、本当にこれでよいのだろうかといつも思う。概ねその通りだという返答がくる。実際に見たこともない状況でありながら、それがあっているとなると、逆に、人の営みだから、特別変わった状況でなければ、似た反応になるということなのだろう。つまり、同じ条件であれば、人の反応は似ているということになる。日頃からいろいろな状況の中で問題解決に当たっていれば、それは、今後起こるであろう同じような場面でも使える武器を手に入れることになる。決して理屈ではない。実践に裏打ちされた武器だから、かならず役に立つ。だからこそ、日々の実践が大切なのだ。目の前で起こるいろいろな問題に対して、どのような構えをもち、どのような手だてを考え、どのように取り組み、そして、どのような結果を得たのか、そして、その結果について納得できたのか。営みとは、ただ、するだけでなく、きちんとした考えに基づいて実践できるようになれば、次の問題解決の役に立つ。基になる考えがしっかりしていれば、応用も利く、条件が多少変わっても手だてを講じることができる。
　はじめから構えができなければだめだと考えるのではなく、実践を通して構えを考え、作る努力をすることが大切だ。繰り返しの実践から自分の考えも次第に確立されていく。実践とはそういうものなのだろう。
　昨日、新しい学級の中に見えた問題についてこんな実践をしてみたいというメッセージを頂いた。子どものために自分にできることを精一杯取り組もうする意欲に満ちあふれた文章から、刺激をもらうことができた。私も益々頑張らねばならないなと強く感じた。これからも一緒に子どもたちのために頑張ろう。