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  • from: 岐阜のすーさん

    2009年06月28日 07時54分40秒

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    自分さがし

     人それぞれ、いろいろな癖をもっている。しかし、その多くを気づかないでいる。それは、無意識のうちにしていることが多いからだ。客観的に見ている第三者は、他と比較してみることができるから癖がよくわかる。
     例えば、「思いやりのある子どもを育てたい。」と考えていたとする。A教師は、見るからに思いやりのある教師だとするとその意識や行動は自分の中にあるので、第三者からみて、思いやりのある姿はどんな姿なのかをつかむことができる。しかし、B教師は、自分に足りないからそれを求めているとすると、意識と行動にずれがあり、第三者から見ると矛盾を感じる事が多くなる。無意識にしている癖の中に思いやりのない癖が多いため、いくら「思いやりを持ちましょう。」と言っても子どもには伝わらない。思いやりが必要だと感じるのは、感性であり、感じる人にしか感じられない。気づかないで済んでしまう。「あれ?ここでは、思いやらないといけないのでは?」と感じる思いやりのある子どもから見ると、教師の行動に矛盾を感じることになる。これでは、子どもはどうすればよいのかが分からず迷ってしまう。
     子どもの中に教師以上の温かい心があってもそれを見抜けない教師であれば、温かい心は育てることはできない。教師の器以上のことはできないのだ。だから、教師自身が自分の器を大きくする努力が必要なのだ。本当に大切にしていることは何だろう。自分を振り返り、無理をしていることはないだろうか。今、自分が大事にしたいと思って子どもに伝えていることを疑ってみる。無理にしていると必ずボロが出る。
     それなら、「思いやりのない教師が思いやりのある子どもを育てられないのか。」というとそうではない。自分になければ、1つの方法として、憧れる思いやりの姿を見つけて、紹介することができる。そして、どうしてそんなことができるのかを問えば、意識を探ることもできる。子どもの中に思いやる姿を見つけて紹介することで補える。子どものよさ見つけは、子どものためにあるばかりではなく、教師自身のためにも大切な事だ。教師自身は反面教師としての自分をさらけ出すことになるかもしれない。しかし、それを恥じることはない。自分が本当に大切にしていることが他にあるということなのだ。それは、意識と行動が伴っているので、矛盾はなく子どもに伝わり、子どもを育てることができる。つまり、思いやりとは別の面を育てることができるということだ。だから、一番大切なことは、「本当に自分が大切にしたいと思っていることは何か。」を見つけることなのだ。これが自分の教員人生の柱であり、大切にしなければならない。ヒントとなると思うが、概ね多くの教師が大事にしていることは次の4つの中にある。
    自主性・・・自ら進んで取り組むことを大切にする。(真面目さ、誠実さ)
    連帯性・・・仲間と協力することを大切にする。(優しさ)
    創造性・・・新しいものを生み出すことを大切にする。(賢さ)
    健康性・・・元気さや活発さ、根気強さを大切にする。(明るさ、たくましさ)
     そして、これが柱となって学級経営に当たっている。しかし、一度に4つを求められない。1つに絞り込み、他を関連づけることを考える。
     つまり、自主を太い幹に例えるならば、連帯性や創造性、健康性は枝にする。また、連帯性を太い幹に例えるならば、自主性や創造性、健康性は枝になる。このように考えれば、どんな子どもでも育てることができるということになる。何を幹にするかは、自分らしさであり、ここに個性が表れる。それぞれの教師が自分らしさを出した経営ができるのだ。
     例えば、自主性を柱にしていれば「進んで仲間に働きかけよう」(連帯性)、「進んでやり方を工夫しよう」(創造性)、「進んで明るく振る舞おう」(健康性)となる。連帯性を柱にしていれば、「役割分担して仲間と協力して取り組もう」(自主性)、「相談してよい考えを見つけよう」(創造性)、「へこたれないで元気が出るように声をかけよう」(健康性)となる。
     自分が本当に大切にしている柱が見つかれば、指導にブレがなくなる。よいことは何でもするということではない。幹を決めて、それに枝を付けるのだ。それができなければ、自分らしさを伝えることはできない。
     指導がうまくいかない原因の多くは、自分の指導にブレがあるからだ。本当にしたい指導をしていないからだ。言われたことを自分なりに解釈して自分流に置き換えていないからだ。
     ここまで考えていくと、教育は自分探しの旅だと言われるがまさに教師である我々も自分自身の生き方を見つめる自分探しの旅を子どもを借りてしているのかもしれない。

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