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  • from: 岐阜のすーさん

    2010年04月15日 03時39分51秒

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    人のために

     人のために尽くすことは、なかなかできません。それは、自分の事に焦点が当たっている時には、人に目を向けることができないからです。
     これは、脳の働きから考えても当然の事です。脳は同時に2つの事はできないようになっています。

     ということは、人のために尽くすことができる状況というのは、自分の事に目を向けなくても済む状態でないと目を向けられないことになります。
     そこで多くの人は、「自分の事で精一杯だから、人の事まで考えられない。」と考えるのでしょう。

     しかし、本当にそうなのでしょうか。

     よく考えてみると、自分と他人とは違うということが前提になっているから、このように自分と他人を区別することになるのではないでしょうか。

     自分と他人とが同じだということを前提に考えることができたならば、人のためにすることは、自分のためになります。自分と他人の区別がないのですから、当然です。

     実際に、人の痛みがわかるという状態になることがあります。この時、他人事にはしません。自分も同じ気持ちになっている状態ですから、まさに自分と他人が同じだということになります。
     地震の被害への募金をしたり、ボランティアで動いたりする時の気持ちは、まさにこの状態なのではないでしょうか。
     また、同じ体験をしていると気持ちがよく分かり、自分事のように他人の事も感じるようになります。この事は日常的にあることなのです。

     ですから、誰でも人のために尽くすことができるはずなのです。同じ人間ですから、同じように感じるはずなのです。

     このように自分と他人が同じだと考える立場に立つことができれば、自分の事と他人の事の区別なく、今何が大事なのか判断して行動することができます。ここには、エゴはありません。

     このように考えると、日頃から、他人事をいかに自分事として考える癖をつけるかが重要なポイントのように思います。
     
     「もし、自分がその状況になっていたら。」
     「もし、同じ気持ちになったとしたら。」
     「もし、そのねうちがわかるあなたになったなら。」
     「もし、その行動の深い理由を知っているとしたなら。」
    と自分の立場を離れて、物事を深く考えることができたら、きっと見方は変わるように思います。
     特別な事をするのではありません。ただ、立場を替えて考えるのです。
     立場を替えると
    「もし、その立場になったら、自分でもそうするだろう。」
    「もし、その立場になったら、同じ事を思うかもしれない。」
    などという言葉が返ってくることが期待できます。
     人の失敗を許せたり、ちょっと気遣いができたりするのは、このように相手の立場がわかる自分を作り上げているからではないでしょうか。

     自分の立場だけを主張しているうちは、自分と他人を区別している状態になります。ですから、なかなか相手の立場に立つことはできないのです。

     人のために尽くすことは、特別なことではありません。他人事を自分事にするだけのことなのです。

     自己主張できることだけを目指して指導していると、相手の立場になることができない危険があることを意識しながら、子どもを育てていきたいものです。

     共に生きる仲間です。互いに助け合って生きていることを忘れないでいたいものです。

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