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from: 岐阜のすーさん
2010年10月07日 05時07分00秒
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思っていることと事実は違う
子どもの姿を見て、いろいろな解釈をすることができます。
・この子は、きっと困っているのだろうな。
・この子は、きっと優しい子だろうな。
・この子は、この調子ならばこんな子になるはずだ。
・この子は、今辛い思いをしているだろうな。
しかし、その思いは実際の子どもとは違います。
例えば、困っていると解釈しても、それは事実ではないかもしれません。
・困っているけど、自分で何とかなりそう
・困っているけど、自分から助けを求められるから大丈夫
・困っていて、何が何だかわからない。
・困ってしまって何も手につかない。
・本当は困っていないけど、困った振りをして私を見てほしい。
この時、子どもの何を見て、判断したのかがとても重要になります。
子どもの思いは、表情に表れます。それを読み取ったわけですが、その読み取り方が内面に近いものになるか、遠いものになるかは、観察する側の見方一つで変わります。でもどちらも事実とは違います。どちらも観察する側の解釈でしかありません。本当の所は、本人に聞くしかありません。
でも、その本人が本当の気持ちを言っているかどうかもわかりません。これは、教師との信頼関係によって対応が異なるからです。
安心して話せる相手ならば、本当の気持ちを言ってくれるでしょう。しかし、壁を感じる相手ならば、衣装をまとって相手が納得する姿を見せようと努力します。
本当の気持ちをきちんと伝えてくれる安心感があれば、その場だけでなく様々な場で自分の気持ちを伝えてくれるはずです。関わろうと自分から働きかけてくれるはずです。そのつながりがなくて、一方的にこちらから関わっているだけなのにいつも本当の気持ちを伝えてくれると解釈しているとしたら、これこそ思い込みでしかありません。
子どもの動きをきちんと見分けることがとても大切になります。
そして、その上で子どもの気持ちを聞くことになります。確実な信頼関係が出来上がっている時ならば、本当の気持ちを伝えてくれるでしょう。子どもですから、十分な話し方はできなくても、伝えようと必死で訴えてくれるはずです。
思っていることと事実とは違います。
このことを本当にわかっている人は、子どもから目を離すことはありません。子どもに聞かなければ事実がわからないからです。事実に基づいて対応することと思い込みで対応するのでは、対応が異なってきます。
子どもが喜ぶ対応は、事実に基づいた対応です。それが自分に近ければ近いほど安心できます。
ここまで考えると子どもに対応している自分のあり方を見つめることができます。
・期待だけで対応しているだけの自分はないだろうか。
・今を見ないで、過去の経験から対応している自分はないだろうか。
・子どもの心を探り続けている自分だろうか。
・都合のよい解釈で子どもを見ている自分はないだろうか。
子どもの本当の気持ちを見誤ると的確な指導はできません。常に自分の指導は子どもの本当の気持ちに合った指導だろうかと疑うことができれば、謙虚に指導を反省することができます。
事実をとらえることはそれほど簡単ではありません。いつも子どもの心に焦点を当てている教師が的確に事実をとらえることができるようになります。試行錯誤しながら、子どもにぶち当たるのが私たちの日々の実践だと思います。その努力を怠るようになったら、教師としての質の向上はありえません。-
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