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from: 岐阜のすーさん
2011年07月07日 06時16分15秒
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叱るのは何故?
子どもが学習し、能力を身につけるためには、次の4つの段階があることは、以前にもお話しました。
1 無意識的無能
2 意識的無能
3 意識的有能
4 無意識的有能
これは、車の運転と同じです。
1 無意識的無能・・・運転を知らない、したことがない段階
2 意識的無能・・・・運転を習い始めた頃、運転について知ることが増えたが運転はまだできない。ミスをすることが多い段階
3 意識的有能・・・・仮免の頃、意識すれば何とか運転できる段階
4 無意識的有能・・・免許を取って、意識しなくても運転できる段階
例えば、整理整頓という能力を身につける時にも同じことが言えます。
1 整理整頓の仕方を知らないからできない。
2 整理整頓の仕方を知っているけれど、できない。
3 整理整頓を意識すれば、できる。
4 整理整頓を意識しなくても、できる。
一度教えればできるものでもありません。繰り返し繰り返し教えなければできるようにはなりません。
2の段階の子どもを叱ってもできるようになるものではありません。
知っていてもできない段階があるのです。何かに躓き、できないのです。
その何かをつかんで適切な支援をしなければできるようにはなりません。
・整理する時間をうまく作れないのかもしれません。
・整理した後のイメージが浮かばないのかもしれません。
・整理する順番を知らないのかもしれません。
・整理するために必要なものが揃っていないからかもしれません。
これらは、整理ができる私たちが、原因を見つけ、適切な支援をしているから、失敗が少なくなり、次第にできるようになっていきます。
このことは、私たちが常に経験していることです。
しかし、できないとわかっていても叱ってしまうことがあります。
「もっと早くしなさい。」
「何度言ったらわかるの。」
「前に教えてあげたでしょ。」
「見ているだけで、腹が立つ。」
「何をぐずぐずしているの。」
「わかっているなら、すぐにしなさい。」
いろいろな言葉が子どもに投げかけられます。
これはもはや、子どもの側の問題ではありません。
・早くすませてくれると、ほっとする。
・何度も言わないでできたら、楽だ。
・前に教えてあることは、できなければいけない。
・できない姿は嫌いだ。
・私の思い通りに動いてほしい。
・わかったら、動けるはずだ。
などという自分の中にある感情や思いこみ、価値観がこのような行動に駆り立てていることがあります。
そして、もう少し深く原因を探っていくと、
・見栄があるかもしれない。
・自分のエゴかもしれない。
・願いが強いのかもしれない。
・他人の評価がきになるのかもしれない。
・自己満足があるのかもしれない。
などと子どもの状態とは無関係な自分の状態が叱ることにつながっていることがあります。
本当に子どもを叱らなければならないことなのか。
子どもを思い通りに動いてくれると楽になります。何より安心です。
早く楽になりたい、安心したいという気持ちが根底にあるのかもしれません。
子どもはできない自分に苦しんでいます。意識してでもできれば、楽になります。
できないのです。
それを「あなたはできない。だめだ。」と言われれば、取り組む意欲が増すというよりも意欲は減退してしまいます。よほど打たれ強い子どもならば、別ですが人間それほど強くありません。
ここは、自分の感情を抑えて、子どもに向かうしかありません。
この感情をうまく整理することで、叱ることなく、「この子はまだ意識してもできない状態なのだ。」と思いながら、支援ができます。
このような状態管理ができることが子どもの幸せにつながります。
どの子も褒めてもらいたいと思っています。その褒める機会を奪っているのが、その時の感情です。
自分の感情のコントロールを自由にすることができれば、これほど楽なことはありません。
多くの指導者が苦しんでいるのは、この感情のコントロールではないでしょうか。
子どもの姿に反応して、すぐに感情を出してしまう自分。
その感情に操られてすぐに叱ってしまう自分。
しまったと後悔すれば、まだ、よい方です。そのことさえ気づいていないのが私たちかもしれません。
これには、かなりの柔軟性が必要です。
自分の価値観が柔軟性を奪っていることがあります。
子どもの側に立つことの難しさはここにあります。
夏休みを迎える今、叱らなくてもいいことで、叱ってしまう自分を見つめることもとても重要な気がします。-
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