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from: 岐阜のすーさん
2011年10月05日 05時30分59秒
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指導にかける時間
私たちは、子どもがトラブルを起こした時、そのトラブルを解決するために子どもと一緒にトラブルの原因や問題解決の方向を探りします。
その指導の仕方は、教師によって様々で、その指導にかける時間にもかなり差があります。
できれば、効率的に行うのがよいのですが、この時間の差は、どのようにして生まれてくるのでしょう?
指導の仕方がうまいと下手という考え方もありますが、指導をしている時の指導者の感情に着目してみると面白いことがわかります。
例えば、子どもが物を壊したとします。
その事実を知った時、かなり指導者の感情が高ぶります。
その物への思いが強ければ強いほど、その高まりは高くなります。逆に物への思いがなければ、それほど感情は高ぶりません。
この感情の高ぶりが、指導の長さに関係がありそうなのです。
物への思い入れが強ければ、平常心に戻るまでに時間がかかります。
平常心に戻るまで、「なぜ壊したのか。」という言葉を使いながら原因追求をします。その際にその物の重要性、その物と人との関わりなど物の価値や物に関わる思い入れなどを語ることになります。そして、それほど重要な物であるものを壊したことがどれ程いけないことなのかを説明します。その重要性を説明する中で原因を多様に考えたり、深めたりしながら、原因追及させるのです。
そして、その原因を探す姿勢(言い訳をしたり、反省の色を見せない態度を見せたりする姿)や、原因に対する考え方の甘さ(人のせいにしたり、上辺だけで判断したりする姿)などを子どもの中に見つけると、その子どもの姿に反応して、不快感を抱き、平常心に戻るどころか、余計に感情を高ぶらせてしまい、時間が次第に延びていきます。
また、日頃の子どもの姿と物を壊したことと関わらせながら別の内容を持ち出し、日頃の子どもに対する思いをこの時とばかりにぶつけ、共通点を見いだしたりしながら、原因を深く考えさせていきます。そのため、これも時間が延びていく原因にもなります。
しかし、その物に対する思い入れが弱ければ、そこまで、追求することはなく、割と早い時期に「では、これからどうするの?」と子どもに問題解決の方向を探る方向に進んでいきます。
このことは、一体何を物語っているのでしょう。
指導の長さは、物を壊した子どもによるのではなく、教師の物や子どもの姿への思い入れからくる感情に左右されるということです。
感情の高まりが指導を長引かせているということです。何とかこの機会にすべてを一度にこの子のもっている問題を解決しようと力むことで時間が長くなります。
原因追求をする時、子どもは、過去を見続け、自分の失敗の重さを深めていく方向に意識が流れていきます。(いかに自分はだめな人間なのかを見させる時間)
逆に、問題解決の方向を探る時、未来を見、子どもは前向きになり、次の成功(失敗から遠ざかる方向)に意識が向きます。(自らの可能性を追求していく時間)
つまり、子どもの立場から考えると、原因追及をすることは、自己否定をし続ける時間になり、逆に問題解決をすることは、自分の可能性を探り、自己肯定感につながる時間になるということです。
できれば、後者の時間を長く取ることの方が、子どもにとって、前向きになれると思います。
ですから、原因追求を早く終わらせたいと思います。
また、原因追求を早く終わらせることが重要なのは、いくら多くの原因を見つけても、問題解決の焦点は1つにしか向けられないため、次の問題解決が複雑になるだけで解決に時間がかかったり、方向がずれたりすることがあるということもあります。
このことから私は、
「誰でも失敗することはあるよ。それよりも失敗から学んだことを生かして、次にどうするかが大事だよ。」
と子どもに話したいと思います。
これならば、原因追求も長くならず、前向きに原因を追求する子どもになります。
そして、
「この失敗から何を学んだのかな?」
「学んだことが実現したら、どんな自分になっているのかな?」
「学んだことが実現したら、物の扱い方はどうなるのかな?」
「また、その物と関わる人々との関わり方はどうなるのかな?」
「実現するためにあなたがもっている武器は何かな?」
「もし、実現しないとしたら、何が原因だと思う?」
「それなら、実現するために足りないと思う武器は何かな?」
「学んだことが実現した自分になると、どんないいことがあるのかな?」
「それでは、まず、何から始めるの?」
と、可能性を探り、未来を語らせる問いかけをしたいと思います。
子どもは、未来を語り、可能性を探る時の方が楽しいはずです。
指導する時間を「この子にとって何か意味のある、学びの場だ。」ととらえ、一緒に未来を語り、可能性を探る時間にしたいと思います。-
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