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  • from: 岐阜のすーさん

    2012年06月10日 06時11分17秒

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    2つのコミュニケーション

     私たちは、褒めたり、叱ったりしながら子どもを育てています。
    よく褒めて育てましょうなどと言う人もいます。また、褒め方や叱り方の本を参考にしながら、言葉を選んでいる人もいます。

     どんな言葉を選んで子どもに対応しているかということは、とても重要ですが、それ以上にどんな姿勢で子どもに対応しているかということの方がもっと重要です。

     それは、言葉は意識レベルのコミュニケーションで、姿勢は、無意識レベルのコミュニケーションになるからです。

     例えば、「時間がないので、早く済まそう。」と思いながら注意をする場合と、「時間など気にしていられない、これはあなたに取って大事なことだ。」と思いながら注意する場合では、子どもの受け止め方が異なるということです。

     感じ方は、言葉ではありません。
     
     その人が醸し出している雰囲気から受け取るものです。これは、どれだけ言葉を尽くしても言い表すことはできません。

     これが無意識レベルのコミュニケーションになります。

     よく叱り続けられた子どもが「きっと先生は、私の事を嫌っているんだ。」と勘違いしてしまうのもそのためです。
     

     姿勢に伴って出てくる感情がそのまま子どもに伝わるということになります。

     例えば、お母さんが、朝の忙しい時に「早くしなさい。遅れるでしょ。」などと子どもを叱ることがあります。
     子どものために叱っているはずなのに、早くしてほしいという親の都合が出ていると、子どもは親からの愛情を感じることなく、叱っている感情が伝わっていきます。

     これも無意識のコミュニケーションによるものです。

    無意識のコミュニケーションを考える時、ヒントになるのが、メラビアンの法則です。

     人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかを研究したものです。
     話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われます。

     つまり、叱る言葉よりも目つきや顔つき、態度などの視覚情報や口調や話す早さなどによる影響が大きいということです。

     自分の顔つき、声の大きさ、話す早さなどが子どもに叱っているという思いが伝わるということです。

     怒るのではなく、叱ることが大事だと言われますが、これは、無意識のコミュニケーションの影響の大きさを表しています。つまり、感情のコントロールが大事だと戒めていると考えることができます。

     でも、感情を殺して、言葉を伝えようとしても、感情を殺していることが伝わるため、その言葉は嘘っぽくなってしまいます。

     感情は、長年培ってきた自分の価値観に基づいて自然と生まれてくるものですから、その感情が生まれても、仕方ないことです。感情が出てきたことが悪いわけではありません。

     大事なことは、その感情が相手に伝わるということを自覚するということです。

     この自覚がなければ、感情をコントロールすることなど考えません。

     私たちは、決して、自分の怒りや不満を子どもに伝えたいわけではありません。
     
     そして、子どもは怒りや不満を解消するために、行動を変えるわけではありません。

     感情に隠れて、愛情が見えにくくなってしまったとしたら、それは、不幸です。

     愛情を感じる姿勢を常に浴びせながら、言葉を選んで、子どもを育てたいものです。

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