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†詩置場†

†詩置場†>掲示板

公開 メンバー数:5人

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  • from: ジャニス†さん

    2008年01月28日 05時40分51秒

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    色の夢


    毎回カラーの夢を見る人は少ないってゆーけど、毎回カラーなのでモノクロやセピアの夢ってなんだかクラシックな気がして憧れる。

    さっき見た夢は鮮やかで鮮明だったので…


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    私に一枚のカードが届きました。
    クリスマスや誕生日に贈られるような一般的な大きさのモノです。

    外側の色は薄い藍色と紫色(両方ともパステル調)で紙を二枚合わせたようなデザインです。
    表表紙にアラビア文字のような文章が一行。もちろん読めるわけがない。

    開くと右の上半分が鮮やかな青の平行四辺形。
    左上半分が右と同じで色は鮮やかな水色でした。
    好きな色だけど、開いた時にとても寒い感じがした。

    平行四辺形の下のほう(白との境目辺り)に表表紙と同じようなアラビア文字で一行づつ言葉がありました。

    読めないけど、三つとも違う言葉で右側には文章の最後に?クエスチョンマークがあります。(アラビア文字にクエスチョンマークが使われるかどーかは知りません)

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コメント: 全10件

from: ジャニス†さん

2008年01月28日 18時20分21秒

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「Re:色の夢」

ところで夢の中で私に送られてきたカードですが、色の印象だけでS先生と晴が浮かんだというだけで、三つのメッセージもその文字がアラビア語だった理由もわかりません。

良いメッセージなのか、何かの警告なのか、その二人には全く無関係なのかも…

表表紙の二つの色の印象は特に私の身近な誰かに当てはまることもありません。


色占いや夢占いってありますよね。
夢に登場する人や物や色や景色で判断するもの。
何を言われても必ずどこか今の心境に当てはまるとゆーか無理矢理にでも当てはめてしまいそうなので、調べるのはやめました。

こんな夢を見たってことと、自分がどう感じたかという感想だけ。


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おとうは晴の友達だったので、夢の話はせずに聞いてみました。

「ねぇ、晴って色に例えると何色だと思う?」

「んー青っぽいかな」

「ぽいじゃなくて、どんな青!?」

「水色。こんな感じの」

と、ドラえもん貯金箱を指差しました。
やっぱなー!晴は水色って思うのは私だけじゃないんだな。

おしまい

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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 17時52分48秒

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「Re:色の夢」

亡くなった人って記憶の中に当時のままの姿で残っているだけで、それは物凄く鮮明なのに決して成長することがないんですよね。
当然なのかもしれませんが。


我が子を亡くされた方は、成長した子供の姿を想像することが出来るんでしょうか?
そうだといいんだけど…。

亡くなった人よりも生きている自分のほうが、なんだか取り残されてしまう気持ちになるのは切ないですよね。


晴は20歳だったし、その後も外見はそんなに大きな変化が見られることはなかったかもしれない。
写真やビデオの晴は隣に写ってる私の彼氏でしかなくて、それなのに今では私の子供たちのほうが、あの時の晴と近い年令に成長している。

このなんとも言えない不思議な感覚は身近な人を亡くされたことのある方じゃないと理解出来ないでしょうか?

ん、ジェームス・ディーンがいつまでも若い頃の映像そのままの姿でいるのと同じです。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 14時22分26秒

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「Re:色の夢」

そして左側の水色は晴。

左利きの晴は利き腕が使えるように、いつも私の左側にいたから。


水色は私にとって晴と二人で見た海の色で、なぜか青ではなく水色なのです。
一緒にいるときには悲しかったり不安な気持ちでいることのほうが遥かに多かったはずなのに、時間の流れって本当に不思議だな。

楽しかった記憶がだんだんと幅を利かしてくるんだからね。

それとも「時間とともに悲しい記憶は薄らいでいく」って言葉に私(私だけじゃない多くの人たち)が無意識に帳尻を合わせようとしているだけなのかもしれない。


晴からのメッセージは解読不能。
それでもいいような気がします。

当時の私だったら、きっと大変だっただろうな…
全てネガティブに捉えてしまうから。


夢に出てきて下さい!って一日中、晴の写真を見たり二人で写っているビデオを観ても夢に出てきてくれることはありませんでした。
もしかしたら私が見た夢を忘れているだけかもしれないけど…

もしも出てきてたら、きっと私は夢の中で晴を責めたんだろうな。
責められべきなのは私のほうだったのに、晴は一度も激しい怒りや悲しみをぶつけることはなかったから。

こうやって今でこそ、過去の出来事として冷静に考えられるようになったけれど、やんちゃで馬鹿なことばかりしていた晴は私よりもずっと大人だったんだな。

感情を表さない反面で、晴の中にはいつでも私や他の何かに対する想いが溢れて自分でコントロールすることが出来ないまでに膨らんでしまったんだろう、と今なら思えます。

今の私なら晴を責めることはしないはず。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 09時09分47秒

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「Re:色の夢」

それからは「晴が生きていたら一緒にしたかったこと」をたくさんしました。


晴の地元に一人旅にも行ったし、晴の父親や弟にも会って食事をしたり…
晴を捨てて出て行った母親にも会いたかったけど、さすがに迷惑だろうとやめました。
でもきっと晴は逢いたかっただろうな…。



新しい恋もして仕事もして結婚も子供も産んで、晴がいなくても幸せで自由で、楽しむことは出来るけど、晴は短い人生の間で、ほんの少ししか経験出来なかったことを思うと、ときどき自分を責めることは死ぬまでやめられないと思います。


晴を忘れないのと同じく、きっかけをくれたS先生も忘れない。


私が引っ越しをして4年後に戻った時には今度はS先生が結婚されて引っ越しした後でした。

他に仲良くして頂いた看護婦さんに引っ越し先を尋ねることも出来たけど、やめました。

S先生に逢わなくなってから15年が経ちました。

先生も50歳…
でも50歳ってまだまだ若いですよね?元気でいてくれるといいんですが、夢の中の青いメッセージは先生からのような気がして、少し寒い感じだったので心配です。


私が先生を心配するってよりも、先生が現在の私の生活を心配してくれてるのかなー?
他県に引っ越してしまったのに、私は地元県内の病院で先生と同じ名前(どこにでもいる)の先生のプレートがあるだけで、おっ!と思ってしまう。

小児科医じゃないっつーのに。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 08時41分47秒

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「Re:色の夢」

それから少しづつ、周りの人や物にも心を開いていけるようになりました。

晴以外のものたちに目を向けられるように。

考えてみたら、その間、約8ヵ月、私は病院で先生と飲んだコーヒー以外にどんな食事を摂っていたのかも覚えていませんでした。
朝食べたものを思い出せても、その味がわからない。

最後の2ヵ月は一日に2〜3食、必ず食事を摂っていたのに体重は35キロ程度しかありませんでした。
栄養失調でもなく、たまに貧血を起こす程度。
睡眠薬は飲んでたけど寝起きも正常、日常生活になんの差し障りもない。

感情がぽかっと抜けてただけ。
体が痩せても、スーツが合わなくなっていくことを不便に思うだけでした。

それが一番いけなかったんだろうな…
周りの人どころか自分にさえ関心が持てなかった。
晴のことだけ。
正確には「晴と自分だけが辛い思いをしてる」と言う感情だけ。


解放されてからは楽しかった。

毎日の食事も楽しみになったし、自分で作ったり食料の買い物も行くようになりました。
時間を潰すためだけに観ていた映画も、当時はストーリーを丸暗記する観方しか出来なかったのに、そこに自分の感想ってものがついてくるようになった。


S先生は忙しくて映画なんて観に行く暇がないって言ってたけど、私の観た映画や本の感想を本当に楽しそうに聞いてくれるようになりました。

きっとそれまでも先生は真剣に聞いていてくれたんでしょうけど。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 08時20分51秒

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「Re:色の夢」

「理由の伴った涙を流して、例えばそれが嬉し涙なのか悲しい涙なのか、それとも悔しいのか、そしてそれを自分の口から他人に伝えることが出来た瞬間に、治療という名目の80%は既に終わっているんだよ」

S先生はお医者さんなんだって意識させる言葉を聞いたのは、この時が初めてでした。


「〇ちゃんの場合、病院に来るのにスーツじゃなくなった時に終わってたのかもね。僕はてっきり〇ちゃんは普段からお嬢様みたいにきちんと正装してるとばっかり思ってたから、心理作戦としては〇ちゃんのほうが全然上手だよね」

と笑ってました。

ダメじゃん、先生!精神科医失格じゃん!


心の鎧は案外簡単に脱ぎ捨てられるものだけど、きっかけとなる言葉や行動は頭で考えても医者と患者のイタチごっこになってしまう。

スーツなんて自分では簡単に脱げるのに他人に、ましてや心を開けない人に脱がせることは難しい。


答えの出ない問いは、呪文のように口に出して「その答えは晴にしかわからない。私がいくら考えても解らなくて当然のこと。だから私は晴に逢えた時に聞いてみよう」と、ここまでを全部ひとつの言葉にして晴を思う時は「晴と逢えたら聞いてみよう」って、それ以上自分を責めることがなくなりました。

もちろんそれだけで全てから解放されたわけじゃないけど。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 07時56分43秒

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「Re:色の夢」

S先生が病院で診察の際に柔らかな物腰なのと、患者さんに優しく接する態度、そしてプライベートでも普段(病院で白衣の彼が私にとっては普段)でもなんら変わらないと知って、やっとS先生には胸のうちを隠さずに話せるようになったのでした。

病院にもスーツを着て行くことはなくなったし、いつも自分が使っている言葉で、声に出す前に一度、頭の中で次の展開を詠みながら発していた言葉もストレートに声になるようになりました。


晴のこともやっと話せるように…。

思いを口に出来るように…それでも私は答えの出ない問いを自分に投げ掛けて苦しみました。


「晴はどうして死んでしまったのか」

「なぜ私に本当の気持ちを話してくれなかったのか」

「亡くなった後も人は苦しむのだろうか」

「なぜ私を残して逝ったのか」


いくら自問自答しても、先生や他の誰かに尋ねても決して答えの出ない質問。

だから私も晴以外の誰かの言葉や慰めに納得できるはずもなく、口に出してしまった分、さらに自分を追い込んでしまったと思ったものでした。

話した直後の感想です。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 07時35分09秒

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「Re:色の夢」

先生は車のトランクを開けて、ホームセンターで買い物した袋を詰めてましたが、トランク開けっぱなしのまま子供に駆け寄りました。
(駆け寄ったは少し大袈裟かも)

そして子供と自転車を起こして、子供に何か話し掛けていました。

私には新鮮な風景でした。


当時、S先生はまだ独身でわりと高級なマンション(当時ペット可のマンションは珍しかったので)に猫二匹を飼って住んでいました。
ホームセンターで買い物した袋には手作りの犬小屋(なぜ)の材料だという木材やらが入ってました。

私がそっと近寄って「これ何すんの?」と話し掛けたらかなり驚いて犬小屋ならぬ猫小屋の材料だよと言いました。
「猫ってこんな冷たいとこ入らないでしょーこれから冬だよ、冬!」って私が笑ったら「犬も飼ってみたいけど散歩に連れて行く時間がないと可哀相だから、せめて犬小屋置いて気分だけでも」と。
「じゃ、猫関係ないじゃん」と私が普通に笑ったら、先生は「〇ちゃんもそうやって笑うんだねー」と言われました。

「先生こそ恐い顔してるくせにペットとか似合わないから!」って内心ドキドキしながら言った記憶が…


特別な出来事ではなかったけど、それから不思議と打ち解けて話せるようになりました。

先生とは一回り以上、年が離れていたし33歳の先生は当時20歳の私から見たら、オジサンにしか見れなかった。
それに彼はお医者さん。
最初から恋愛対象ではないし、もちろん先生にもお付き合いされてる女性がいました。

私がもっと大人だったら…と今になって思うこともあります。

人を見た目や職業で判断するのは間違いだって実感しました。


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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 06時23分09秒

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「Re:色の夢」

半年後、初めて病院の外で偶然S先生に会いました。

私服の先生は普段(白衣)とだいぶ印象が違ったけど、人間観察が趣味?な私はすぐに気付いてしまいました。

因みに趣味として人間観察をするけど、してない時にはすれ違う人の顔さえ全く見ません。
ので、先生に気付いたのもたまたまでした。

逆に私は病院に行く時には決して隙を見せるもんか!ときちんと化粧をして服装もそれなりに、スーツなどを着て通ったので、ほぼスッピンでトレーナーにGパン、スニーカーの私に、先生のほうがなかなか気付きませんでした。

私もいつもならそのまま話し掛けることもなく、寧ろ見つからないように逃げていただろうと思います。


子供が転んだんです。

転んだと言っても大怪我をするような転び方ではなく、まして一人で起き上がれないような小さな子供でもない。
自転車のタイヤが滑ったか、小石でも踏んでしまったかといった感じ。
特に痛そうな顔もせず、誰もが「あらあら」って通り過ぎる程度です。

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from: ジャニス†さん

2008年01月28日 06時04分51秒

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「Re:色の夢」

読めないので、文章を理解することも出来ないはずなのに、夢の中の私は、そのカードが二人から贈られたと思い込んでいました。

実際は一枚しかないカードなのに…


右側の鮮やかな青とクエスチョンで締められた言葉から神経科のS先生の顔が浮かびました。

「何故そんなに淋しいの?」

先生がいつも言ってた言葉です。
私が理由もなく「寂しい」と言って泣くと「何故?」と聞かれました。
「理由なんてありません」と答えると「それじゃそれは嬉しい涙かもしれないね」と、S先生は微笑みます。


先生の第一印象(ルックス)は、冷たい印象。カードの青そのままです。
実際はとても優しい人。
個室でカルテに私の読めないドイツ語を書かれるのが嫌で一言も言葉を発しなかった私の気持ちに気付いてか気付かずか、部屋の中ではなくコーヒーを買ってくれて、庭のベンチで話を聞いてくれた人…。


「この人は医者だから。人の話をそれっぽく聞いて理解したようなフリして、カルテには恐ろしい病名と薬の処方箋を記入するのが仕事なんだから」

半年もの間、庭でコーヒーを飲みながら話を聞いてくれたのに、私は観た映画や小説の話や日々の出来事を話すだけで、決して核心に触れないように言葉を選びながら話していました。

先生も探るような素振りも言葉も、一切言いませんでした。

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