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from: ジャニス†さん
2011年05月31日 07時23分00秒
コメント: 全22件
from: ジャニス†さん
2011年06月19日 14時56分08秒
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「Re:最終日(変な夢」
私は黙ったまま、母親も兄妹もそんな私をジッと見ながらも何も言わない。
暫く、、少しの間かもしれないけど、、沈黙が続いた。
逃げ出すチャンスがない。
こんなタイミングで、私が窓へ向かっても誰か1人に外で待ち伏せされたら都合が悪い。
負ける気はしないんだけど・・・
突然、妹がくしゃみをした。
何故こんな時に?
妹に続いて兄までも、くしゃみを連発した。
まるでコントのようなタイミングで、わざとなの?というようなくしゃみ
笑いそうになってしまった。
隣で聞いていた母親も拍子抜けしたように、呆れた顔で子供たちを見た。
私にとっては、またとないチャンスだった。
母親が子供のほうを向いている間に私はすぐに窓には向かわずに、わざと母親を突き飛ばして、それから(勿論)裸足のまま窓から飛び出した。
窓の外(下)に障害物は何もなかった。
ただ、土が酷くぬかるんでいて足が沈み、走りにくかった。
家族の家は長屋の端だった。
その横には大きな鶏小屋とウサギ小屋があり、その数メートル先は田んぼが広がっている。
鶏とウサギの小屋の横を通り、玄関の前を通り抜ければ確実に元来た道に出られるはずだった。
窓から飛び出した私が振り返ると、3人は揃って同じ窓から顔を出していた。
私が小屋の横まで来た頃にやっと兄が窓から外に出るところだったが、母親と妹はまだ窓から身を乗り出すように私の行き先を見ていた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月17日 12時33分30秒
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「Re:最終日(変な夢」
もう随分、間があいてしまって、今更どーなのよ?って話なんだけど・・・
覚えてる限りは書いてみよーかなー、と。
引き続きグロい場面があったりするんで、苦手な方はくれぐれも読まないようにっ
無表情のまま淡々と話をする母親は、さっきまでの優しそうな女性とはまるで別人のようだった。
背筋が冷たくなる。
言い返す言葉もなく、ただ身体が強張った。
おかしいね、こんな時って・・・
現実でも、そこまで緊張する事態に遭遇したことなんてないのに・・・ん・・・ないとは言い切れないけど←
ふと気付いたら、黙ったまま私と母親の会話を聞いていたはずの幼い姉妹が、母親のすぐ後ろに並んで立っていた。
2人とも母親と同じように無表情で、私を睨み付けるようにジッと見ている。
まるでホラー映画を見ている時のような緊張感・・・
殺されるかもしれない、と思った
凶器になるような物は台所にある包丁くらいしか見当たらない。
それもさっき、私が洗って仕舞ったので、すぐに手の届くところにはないはずだった。
どう見ても母親よりも私のほうが力が強いように思えた。
負けるはずかないだろう、と。
小僧と同じくらいの男の子とその妹、子供たち2人の力なんて大したことはないだろうし、いざとなったら逃げればいいか・・・
うん、いざとなったら・・・
そう思っていたけど、こんな時って逃げようとすると大抵、前に進めなかったり足が縺れたりするものだ。
今のうちに逃げたほうがいい。
私が玄関の引き戸のほうをチラチラと見ていることに母親が気付いた。
母親が息子に目配せすると、息子は玄関に行き、ネジ式の鍵を閉めると私の靴を持って戻ってきた。
何?これは、いよいよヤバいってことなの?
靴を取り返してる場合じゃない。
大丈夫、窓からだって勝手口からだって逃げられる・・・
ただ、窓の外と勝手口の外がどうなっているかまでは判らなかった。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月05日 04時00分35秒
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「Re:最終日(変な夢」
「・・・?」
「何が悪いの?って言ってるのよ」
私が答える前に、再び母親が言った。
「煩いから殺して食べられるから食べて、何が悪いって言うのよ?あなた、自給自足の生活に憧れてるって言ったわよね?」
「・・・」
「ここでは何でも食べるのよ。外に野良犬や野良猫がいたのを、あなたも見たでしょ?あれは産まれた子供を食べるために村のみんなで餌を与えて飼ってるのよ」
「え?でも、あなたは子猫を捨ててくるよう子供たちに言ったのでは?」
「ええ、言ったわ。さっきも言ったように、この村では猫や犬は食べるために飼ってるの。だから子供たちに愛着を持たれては困るのよ。息子はもう理解してるけど、娘はまだ小さいから・・・隠れてペットにしたりすることがないように捨ててきなさい、って言ったの。でも心配する必要なかったようね。娘がホウ酸団子を食べさせようとしたと聞いて安心したわ。いい?ここでは何でも食べるし、食べるためなら子供に殺させることもするのよ!あなたが住んでいる場所と、ここは違うのよ」
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月04日 08時01分02秒
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「Re:最終日(変な夢」
「もともと、こちらにはお話をしに伺ったんです」
どんな動物の肉を食べるか・・・
それがここでは普通のことだとしたら、そんな話をしても、きっと通じないだろうと思った。
考えてみたら、私だって色んな肉を食べる。
牛、馬、豚、羊、山羊、猪、兎、熊、鹿、鶏、鳩、雀、鰐、蛙、蛇、駝鳥、イナゴに蜂の子・・・
それなのに、猫は食べちゃいけないなんて言ったとこで、説得力はないな、と。
「害虫や害獣を殺すのは解るんです。ウサギ小屋を荒らす野犬や狐も解ります。でも、ただ煩いって理由で子猫や子犬まで殺してしまうって、どうなんでしょう?」
母親は黙ったまま、私の話を聞いていた。
子供たちも母親と私の顔を見比べながら、じっと黙っていた。
なんの反応もないまま、私は話を続けた。
「煩い子猫を殺してはいけないのかどうか・・・煩いのが害だと言うなら、それが間違いなのかどうかは私にも解りません。でも、ホウ酸団子を食べさせるなんて・・・それも罠にかけるんじゃなくて、ただお腹をすかせてる子猫に餌に混ぜて食べさせるなんて、絶対に間違ってると思うんですけど」
「・・・何が悪いの?」
母親が小さく呟いた。
ゾッと寒気がした。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月03日 07時34分34秒
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「Re:最終日(変な夢」
「そんなの絶対おかしいです!」
何がおかしくて、何がいけないのか、ここでどう説明したらよいかは全く判らないまま、私はただ叫んでいた。
母親も小さな兄妹もキョトンとして私を見ていた。
「ごめんなさい、もしかして猫の肉はお嫌いなんですか?」
母親が言った。
「私は猫の肉なんて食べません。食べたこともないし、食べようと思ったこともありません!」
「なんでそんなに怒ってんの?食べたことないなら食べてみればいーじゃん!」
男の子が言った。
「そーゆう問題じゃなくて・・・ここは日本だよね?食べないでしょ?日本では猫の肉なんて!」
私が怒鳴っても、親子はキョトンとした顔で私を見ている。
「何言ってんの?日本に決まってるじゃん。猫を食べたことないなんて、お姉ちゃんは日本人じゃないの?じゃあ、もしかして犬も食べたことない?」
「あなたたち、犬も食べるの?」
ダメだ・・・
確かにかなりの田舎ではあるけれど、ちゃんと言葉の通じるここは日本のはずだ
でも私の知っている日本ではない
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月03日 02時25分03秒
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「Re:最終日(変な夢」
私はゆっくりと台所に向かい、ゆっくりとゴミ箱の蓋を取った。
紙くずや野菜くずに紛れて、ふわふわの毛が確かにあった。
蓋を持つ手が震えた。
「あの、どうしました?」
私がゴミ箱の蓋を持ったまま突っ立っているので、母親のほうから声をかけられ、黙っていると、母親も台所にやってきた。
「あの、コレ、なんですか?」
私は恐る恐る訊いてみた。
すると母親は笑顔のまま言った。
「ああ、あなたも見たんですよね、あの野良猫」
じゃあ、やっぱり、この毛はあの時の子猫のもの?
そして、調理されたのは子猫の肉ってこと?
それを・・・食べるの?
ううん、違うかもしれない
まさか子猫を食べたりするわけない・・・
「せっかく埋めて頂いたようなんですけど、息子に言って掘りに行かせたんですよ」
「食べるんですか・・・猫を?」
「ええ、肉は十分手に入るんで、滅多には食べませんけど。産まれたばかりの猫の肉は美味しいんですよ」
「それじゃ産まれた猫は全部?」
「いいえ、わざわざ捕まえてまでは食べませんよ。今日はお客様に召し上がっていただこうと思って特別に・・・ああ、内臓は食べないので、ホウ酸団子も気にしなくて平気ですよ」
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月02日 23時28分37秒
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「Re:最終日(変な夢」
もしかしたら私の見間違いかもしれない・・・あの子猫とは、ほんの短い間しか一緒にいなかったし、もしかしたらあんな模様じゃなかったかも・・・
ちゃんと確かめなくちゃ
味噌汁を運び終えて、母親が食卓につくまでの僅かな時間で私は考えた
なんて言いだそうか・・・
なんとなく、スカートのポケットに手を入れた。
財布や携帯などが入っていないことは最初からわかってたはずなのに、ただなんとなく・・・
くしゃくしゃになったレシートが一枚、入っていた。
広げてみると、なんてことはない、近所のスーパーのレシートだった。
「それじゃあ頂きましょうか」
母親がそう言った瞬間、私は立ち上がって、握り締めたレシートを見せながら「これ捨てたいんですけど!」と叫んでいた。
3人とも驚いた顔をしたけど、すぐに母親が「はい、どうぞ」と、レシートを受け取ろうとしたので、私はすかさず「自分で捨てます」と台所へ行った。
部屋を振り返り、母親に「ここに捨てていいんですよね?」とゴミ箱を指して訪ねると、母親はにこやかに「ええ、どうぞ」と答えた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月02日 07時36分50秒
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「Re:最終日(変な夢」
卓袱台の上に次々と料理が運ばれてくる。
採れたての野菜で作った料理は、どれも美味しそうだった。
肉を焼いているような匂いがしたけれど、実際、出てきたのは肉と野菜を煮込んだものだった。
鶏の肉ではないみたい・・・
ウサギじゃなければいいな・・・
見た目ではなんの肉だか判らずに、私はまだそんなことを思っていた。
なんの肉か聞いてみようかな?
でもウサギって言われたらどうしよう・・・聞いといて食べないなんて失礼だよね。
母親が味噌汁をよそっているのが見えたので、私が運ぼうと台所へ行った。
流しと冷蔵庫の間にちょっとしたスペースがあって、蓋付きのゴミ箱が置いてあった。
採れたての野菜は、ほとんど捨てるところがなくて、ゴミもほんの少ししか出ないんだなぁと思った。
その小さなゴミ箱の中に、私は見てはいけないモノを見てしまった。
白に少し茶色と黒の混じった、ふわふわの毛皮・・・あの時の子猫と同じ模様だった。
あの子猫は私が男の子が言い合いをしている間に、私の腕の中で冷たくなっていった。
私は落ちていた石で土を掘って子猫を埋めてきた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 07時48分28秒
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「Re:最終日(変な夢」
※ここら辺から更にエグい話になるので←
で?って話。
男の子は「肉」を取りに行ったまま、暫く戻らなかった。
まさか隣村の牧場まで牛肉や豚肉をもらいに行ったわけではないだろうし・・・こんな時間に・・・と、家の中を見回したけど、時計が見つからなかった。
私も腕時計をしていないし、携帯も財布も持っていなかった。
考えられるのはやはり家の横にある小屋の中のウサギか鶏の肉だろう
鶏ならまだいいけど、それでも、少し前まで生きてたのを食べるって考えると、ちょっとなぁ・・・
さっきから鶏たちがやけに騒がしいような気がするし・・・
男の子が手に何かを持って戻ってきた。
母親の「ずいぶん遅かったわね」という声は聞こえたんだけど、私は女の子と遊んでいたので、その後の会話はよく聞き取れなかった。
「〇〇、もうすぐ出来るから、お箸と茶碗を運んでちょうだい」
女の子が母親に呼ばれた。
私も何か手伝うことがないかと、女の子と一緒に台所へ行った。
台拭きを借りて、折り畳み式の卓袱台を開いて拭いた。
女の子が、持ってきた端を綺麗に並べた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 06時13分13秒
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「Re:最終日(変な夢」
そろそろ夕食時だろう
私が一緒に食事をするかどうかは別として、母親は夕飯の支度をしなくちゃいけないんだろう
けど、まだ話は終わっていないどころか、何も話していない。
それに、私はどこに帰ればいいのかわからない。
お邪魔して一緒に食事することにした。
男の子のほうは、まだ私に怒られるんじゃないかと思っているようで、最初は不満気な様子だった。
妹は凄く喜んでくれて、折り紙や塗り絵を持ってきて見せてくれた。
暫くは私も彼女と一緒に遊んだ。
家の中には、やはりテレビはなかった。
台所からいい匂いがしてきた。
男の子が時々、母親に頼まれて家の前の畑にネギや小松菜を取りに行っていた。
味噌汁の匂いもするし、肉を焼く匂いもする。
ウサギの肉じゃなければいいんだけど・・・と思った。
「こんなんじゃ足りないよ!あの人の分もでしょー?僕もっと肉が食べたい」
男の子の声がした。
「私の分なんて気にしないで、たくさん食べてね」
私が言うと、母親が男の子に肉をとってくるように言い付けた。
「せっかくのお客様なんですから、たいしたものはありませんけど、たくさん召し上がって下さいね」と。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 05時43分33秒
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「Re:最終日(変な夢」
私たちがどのくらい長い間、話をしていたのか、西日が傾いて真っ赤な夕日に変わっていた。
「隣の村には大きな牧場があって、牛乳や豚肉、牛肉と米や野菜を物々交換しているんですよ」
私が自給自足生活に興味があると言ったからか、母親はずっとそんな話をしていた。
こんな所じゃ、誰かの噂話をするにもすぐにネタが尽きてしまうだろうし、そもそも周りに同年代の女性が住んでいるのかどうかさえ怪しい
あ、でも、子供たちは小学校に通っているようだし、少なくとも何人かは同世代の家庭があるんだろうな・・・
「お母さ〜ん、お腹すいたー」
家の中から男の子の声が聞こえた
玄関前に立っていた妹も、いつの間にか家に入って、お兄ちゃんと遊んでいたようだった。
もうすっかり泣き止んで、楽しそうに笑っていた。
この家、、というか、この村にテレビはあるんだろうか?と、そんなことが気になった。
「あの、よろしかったら夕飯を一緒に召し上がりませんか?」
母親に誘われてしまった。
きっと話し相手がほしいんだろう
それに私もお腹が減ってきた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 05時06分06秒
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「Re:最終日(変な夢」
「ええ、ウサギも鶏も食べますよ。鶏は毎朝、卵も産んでくれるし・・・でもこんな田舎なので、狐や狸なんかも多くて、よく小屋が破られるんです。蛇もいるし野犬も出るし、ほとんど夜中にやってくるんで大騒ぎなんですよ」
母親の言う光景が頭に浮かんで、確かに大変そうだけど、凄く楽しそうだなーと考えていた。
「この辺は特に猫が多くて、猫も鶏を襲うんです。ネズミを退治してくれるだけならいいんですけどねぇ」
そうだ・・・
その話をしにきたんだった。
急に現実に引き戻された気がした・・・夢の中だけど。
これだけ狐や狸や野犬や野良猫の話を聞かされた後だし、なんだかとても言いづらくなってしまった。
きっと捕まえた狸も殺して食べるだろうし、狐だって、食べたりはしないだろうけど、毛皮を売ったり(売れるのか?)するんだろうな・・・
じゃあ猫は?
可愛いだけじゃなくて、鶏小屋を荒らして鶏を食べてしまう猫は彼らにとって間違いなく害獣だ。
猫を殺していいとも、殺したらいけないとも、学校や親に教えられなくたって、そうして育ってきてるなら、何が悪いのか解らなくても仕方ないのかもしれない・・!
でも、、
やっぱり違うよね・・・
害獣を退治するのと、生まれたばかりの無抵抗な子猫にホウ酸団子を食べさせて殺すなんて、やっぱり間違ってる。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 04時36分10秒
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「Re:最終日(変な夢」
長屋の横には田んぼが広がり、玄関前の細い歩道の向こうには畑がある。
季節はよく判らない
私も子供たちも母親も、長袖一枚という格好で、暑くもなく寒くもない。
今は西日が眩しくて暖かい
家の前の畑には、凄い種類の野菜が育っていて、だけど市場に出荷するような量ではないので、きっとこの辺の人たちは自給自足の生活をしているんだろうと思った。
突然、鶏の鳴き声が聞こえて驚いた。
見ると彼らの住んでいる一番端の長屋の横には大きな鶏小屋があって、その横には同じくらいの大きさのウサギ小屋まであった。
ちょうど小学校にある鶏小屋やウサギ小屋と同じくらいの大きな小屋で、中にはたくさんの鶏とウサギがいた。
「それ、この長屋の人たちが共同で飼育してるんですよ」
母親が言った。
「それじゃ、あの畑もそうですか?」と私が聞くと、母親が「ええ」と答えたので
「いいですね、凄く大変でしょうけど、自給自足の生活って私の憧れなんです・・・あの、もしかして、ウサギも食べるんですか?」
私はなんでも食べられるけれど、ウサギの肉だけは苦手だ。
近くに牧場まではないようだし、食べられる肉がウサギと鶏だけだったら、ちょっと嫌だなぁと思った。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 04時03分26秒
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「Re:最終日(変な夢」
「あの、突然お伺いしてすいません。迷惑とかじゃないんですけど」
「なんでしょう?」
「この子たち、子猫を道に捨てていたんですけど、それはご存知のようで・・・」
「ええ、最近、そこらじゅうで猫が子供を生んでるみたいで、夜中に鳴き声が凄いんですよ」
「そうですね、ちょうどそんな時期ですもんね」
「昨日も娘が子猫を拾ってきて、うちは長屋だし飼えないから捨ててきなさいって言ったんですよ」
「はい。お兄ちゃんと2人で山の近くにいて、そこで会ったんです」
「あらそうなんですか?良かった、それじゃあこの子たち、あの猫を本当に捨ててきたんですね?」
「はい、そうなんです。けど・・・」
母親と話しているうちに、私はなんて言い出せばいいのか判らなくなってきた。
「殺してこい」と言ったわけではなさそうだし、この家で飼えないという状況も理解できる。
実際、あちこちに野良猫がいて、発情期には夜中になればかなり煩いはずだ。
虐待するわけじゃなくても、煩い時には追い払うだろうし、近くで子猫がたくさん生まれれば、誰かの飼い猫でない限り、遠くに置いてくることもあるんだろう・・・と。
それに、こんな山奥の村じゃ、保健所がわざわざ野良犬や野良猫の保護にやってくるようにも思えない・・・放っておいても生き延びる子は生き延びるし、死んでしまう子は死んでしまうだろう。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 03時45分54秒
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「Re:最終日(変な夢」
「あんた、あの猫捨ててきたんだろうね?」
「うん、捨ててきた」
「戻ってきたら困るんだから、ちゃんと遠くに捨ててきた?」
「うん、大丈夫だよ」
「だったらいいけど。〇〇(妹の名前らしい)はどうしたの?」
「一緒に帰ってきたよ。それでさ、お母さん、変な女の人が来たんだけど。今、外にいるよ」
「お客さんなの?」
「お客さんではないけど・・・猫を捨てたらいけないってついてきた」
「あんた、まさか、よそんちに捨ててきたの?」
「違うよ!絶対に戻ってこないようにホウ酸団子食べさせて山の田んぼのほうに捨てたんだ」
「あら、そう」
「女の人待ってるから、とにかく来てよ」
少しして男の子とその母親が玄関から出てきた。
「あの、なんでしょうか?この子たち、何かご迷惑おかけしましたか?」
家の中から聞こえたままの優しそうな声で話すその母親は、私と同じくらいの年齢に見えて、外見もとても穏やかな優しそうな人に見えた。
その声と見た目に、私は少し気が楽になった。
「子猫を捨ててこい」なんて言う母親だから、もっときつそうな人かと思ってた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月01日 03時02分31秒
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「Re:最終日(変な夢」
兄妹に続いて田舎道を暫く歩いて行くと、古い木造の長屋が並ぶ村のような場所までやってきた。
山と森と田んぼに囲まれて、近くには小川が流れている
凄く綺麗な景色で、木造の長屋というのも私の夢には頻繁に登場する・・・きっと自分の好みが反映されているんだと思う、そんな場所
ゴキブリやネズミだけじゃなく、こんな所だと色んな虫がいるだろうに・・・
長屋に来る途中、首輪はしているものの野放しになった犬や屋根の上で昼寝をしている野良猫とも飼い猫ともとれる猫たちがいた。
こんな場所で、子猫をわざわざ段ボールに入れて捨てるなんてことしなくたっていいのに・・・そう思いながら歩いて、兄妹の家に到着した。
兄妹の家は並んだ長屋の一番奥で、すぐ横が田んぼになっていた。
さっきまでは薄曇りだったのに、その頃は強い西日が射していて、彼らの家は一番陽当たりのよい場所にあった。
私たちは玄関の引き戸の前で立ち止まった。
すぐに男の子が引き戸を開け、家の中へ・・・女の子はその場に立ち止まってうつ向いていた。
「お母さ〜ん、ちょっと来て!」
家の中から男の子と母親の話し声が聞こえてきた。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年05月31日 17時19分38秒
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「Re:最終日(変な夢」
女の子は泣きながら私とお兄ちゃんが言い合うのを見ている。
「ピーピー煩いからってゴキブリや蚊とは違うでしょ?そーゆうこと学校で習わなかった?お母さんに言われたことない?」
夢の中だというのに、私は凄く動揺していて自分でも何を言えばいいのか、何を言ってるのか、よく解らなくなってきた。
「そんなの学校で習うわけないじゃん」
という男の子の言葉に、そうだよね、学校で教えるようなことじゃないよね、なんて思いながら、泣いている女の子を見た。
「習わないかもしれないけど、可哀想だとは思わないの?あなたの妹は泣いてるじゃない!可哀想だからでしょ?」
「可哀想だから泣いてんじゃねーよ。お母さんに怒られたから泣いてんだよコイツは」
「???」
「汚い猫なんて拾ってくるな!さっさと捨ててこい!って怒られたから泣いてんの!餌にホウ酸団子混ぜようって言ったのはコイツだよ」
まさか、と思い女の子を見ると「だって、こんないっぱい血が出て気持ち悪くなると思わなかったんだもん」と言った。
絶対おかしい・・・
「お母さんは捨ててこい!って言っても殺しなさいなんて言ってないでしょ?私が話をするから、お母さんのところに連れてって」
男の子は面倒臭そうに、私を連れて家に向かった。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年05月31日 08時33分13秒
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「Re:最終日(変な夢」
「なーんだ、まだ生きてるのかよ」
突然、背後から声がした。
この男の子が、この子のお兄ちゃんか・・・
6歳くらいの女の子の兄だという少年は10歳くらいに見えた。
うちの小僧と同じくらいだな、と思った。
「この猫に何を食べさせたの?」
「ホウ酸団子だよ」と男の子は悪びれもせずに言った。
ホウ酸団子なんて知ってるんだ・・・
田舎だからゴキブリとかネズミ退治に普段から使ってるのかな?と思った。
「そんなもの食べさせたら、どうなるか解っててやったの?」
「当たり前じゃん。ピーピー鳴いてウザいから殺そうと思ったんだよ。まだ生きてるみたいだけど・・・足りなかったのかなぁ」
男の子は、そう言って私が抱いている子猫に顔を近付けると「うぇっ気持ちわりー」と言った。
私は頭にカーっと血が上ったのが判った。
「何言ってんの?そんなことしていいと思ってんの?生き物なんだよ!?」
私が怒鳴ると、男の子は不思議そうな顔をして私を見ている。
「なんでダメなの?ゴキブリもネズミも蚊も虻も、みんな殺してるじゃん」
「それは害虫だからでしょ?子猫は違うでしょ?」
「だって臭いし、ずっと鳴いてて煩いじゃない。害虫と一緒だよ」
男の子にそう言われて、すぐには言い返すことが出来なかった。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年05月31日 08時11分29秒
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「Re:最終日(変な夢」
「この猫ね、昨日私が見つけたの。段ボールに入れられて捨てられてたから、お兄ちゃんと一緒に餌をあげようと思って・・・」
女の子は、また少し涙ぐみながら話を続けた。
「私はミルクをあげようと思ったんだけど、お兄ちゃんは缶詰めに毒を入れて食べさせたの。そしたら・・・こんなふうになっちゃった。だからきっともうすぐ死んじゃう」
毒なんて、こんな小さい子とそのお兄ちゃんの手に入るとは思えなかったけど、子猫を殺せるくらいの薬物なら、いくらでもあるなと思った。
女の子の話を聞いているうちに、凄く気分が悪くなり吐き気がした。
私はしゃがんで子猫を抱き上げた
子猫は相変わらずミャーミャー鳴いてるけど、さっきよりも息が荒くなり、ぐったりしている。
本当に劇物を飲まされたんだとしたら、私にはどうすることも出来ない。
知らない土地の知らない道で、動物病院どころか、どこに何があるかも分からないし、考えてみたら、自分が何故こんな道を歩いていて、どこから来たのか、どこへ行くのかも分からなかった。
続く。
from: ジャニス†さん
2011年06月23日 15時47分34秒
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「Re:最終日(変な夢」
鶏小屋とウサギ小屋を抜ければ長屋の前の道に・・・
でも、そっちへ行けば間違いなく兄が待ち伏せているはずた。
10歳ほどの少年を振り切れる自信はあった。
でも、もしも少年や母親が長屋の他の住人を呼んだらどうなるだろう・・・
大声で「泥棒〜!!」なんて叫ばれたら・・・
こんな夕飯時には、長屋のほとんどの住人が出てくるんじゃないか?
私はそう思い、咄嗟に方向転換した。
逆の方向には田んぼがある。
田んぼがあるのは初めからわかっていた。
だけど、何かおかしい・・・
夕方、兄妹たちの住む長屋へ向かうまでの間にも、田んぼや畑を見ながら歩いてきたはずだった。
畑にはたくさんの野菜が出来ていた。
でも田んぼには?
今、田んぼには稲が植えてあった。
まるで田植えが終わったはがりのように、10センチくらいの稲がビッシリと植わっていて、田んぼは水で満たされている。
季節は5月?
遅くても6月に入ったばかりとか、せいぜいその程度に見えた。
さっきは季節が判らなかったはずなのに、今は間違いなく春の終わりから初夏だと判る様子に変わっていた。
この水を張った田んぼの中を逃げなければならない。
田んぼには畦道もあるけど、それはまだずっと先にあった。
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