しばらく「山の手」とは高台の街で高級住宅街、「下町」とは海抜が低くて庶民の暮らすゴミゴミしたところと思っていました。

　この度の東日本大震災で海岸近くの市町村は津波の被害が甚大で整地されたごみの街になってしまいました。復旧しても何十年、百年に一度は同じような災害が発生するかもしれないと考えると、再度住まいを建設し、住まうことには政府も住民も(保障もされないし、保障も期待しない)災害覚悟がいるのではないかと思います。

　ここは、更地になる・更地にする上で、高台(山の手)に住宅地、海に近い低地(下町)に工場・オフィス・農水産業の拠点を作るような街作りを考えてはと思います。

　そして新たに街を作る以上は、スマートシティ、スローシティ(地域の文化・習慣・地場産業を考えた街)、先端エネルギー・通信の街、歩いて暮らせる街など未来市街地構想を立てて復興してもよいのではないかと思います。

　これまでの被災地は一括買い上げて高台を整地して元いた住民に分譲し、整地した海辺は企業・農水産業者に売却・借地とすることを考え、住民・地場産業・企業がうまく機能し、発展できる青写真を作ってはどうか。福島原発周辺の避難している住民にもそこに生活と仕事の場を与え、移転できるようにすることもよいのではないか。

　被災された人には悲劇でしたが、新しいキャンバスに設計図を描くように未来への展望と期待を生み出せるような復興計画を打ち立ててもらいたいと思っています。特区構想なども災い転じて福となすチャンスだとも思えます。