以前にも書いたとおり、円高は国力が高まっているバロメーターです。円安はその逆です。

　これまでは円高かが続いて、その都度企業は必死の企業努力で耐えしのいできました。
　近年はその解決策として、中国、後進国への工場移転で対処しています。

　これには問題もありますが、これまでの中国一辺倒からアジア全域に拡大しつつあることは、私としてはアジアに対する日本の貢献にもなることから、一概に否定はしていません。

　しかし、円安は輸出企業の見かけの増収になりますが、貿易赤字が続く中では原油、LNG、食料品などによりドルベース、日本の国際収支でみれば貿易赤字の拡大に繋がっています。

　円高・円安は国際収支を企業収支を虫眼鏡で見ているように凸レンズ・凹レンズで見るようなところがあります。
　
　心配しているのは、円安で輸出企業は潤っていますが、貿易収支が悪化している中での日本の貿易赤字の額が半端な額になってきていることです。

　経常収支もおかしくなると、日本国債の信用不安にも繋がり、経済の大混乱を懸念しています。
　産業では、円高をものともしない体質を日本のイノベーションとグローバルな経営で乗り切って欲しいものです。

　TPPにしても国際社会でもまれることで実力をつけて来た日本の産業ですので、農林水産業も国際社会と対峙する覚悟が望まれます。