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from: 容三さん
2009年10月31日 09時54分19秒
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僕のボランティア活動
以前に,聞かされた方もおられるでしょうが・・
僕はボランティア活動として,日本技術者教育認定機構(JABEE)の審査員をしています.
「一体,何の審査員?何のボランティア?」と思われるでしょうから,簡単に紹介します.
まず,審査の対象ですが,大学の工学部や高専などの教育機関になります.
ただし「JABEEの技術者教育認定を受けたい」と申し込んだ機関だけです.
審査の観点を大雑把に申しますと・・
「計画的で品質の高い教育が行われているか?」
「優秀な修了生でなければ卒業できない仕組みになっているか?」
というものです.
審査方法は,受審校が提出した資料の書面審査と実地審査があり,厳しく審査します.
旧帝大のような超一流校はJABEE認定など無視していますが,
それ以外の多くの教育機関はJABEEの審査を受け認定されています.
このように受審する学校が多いのは,言い換えれば,日本の技術者教育の質が低かったことを証明しているようなものです.実際,これまでの日本の大学は「入ってしまえば,勉強しなくても卒業できる」と思われてきましたし,実際それに近かったと言えます.
それでも,日本が高い技術力で豊かな経済力を維持してきたのは,優秀な学生の多くが理工系に進んだことにあります.しかし,最近は理工系の大学に進学して技術者になっても収入は高くないし,社会的な地位も低いため,志願者が減ってきてしまいました.
このままでは,日本が衰退してしまいます.
ですから,多くの優秀な技術者を世に出せるよう,何らかのアクションが必要だろうと感じていました.ちょうどそんな時,所属する日本機械学会から打診があったのでボランティア活動として審査員をお引き受けしたわけです.
審査は3〜5人の審査員から構成された審査チームで行います.
審査員の大半は大学や高専の先生ですが,必ず一人は実務経験のある審査員を加えなくてはならないことになっています.審査員は全国に約500名.そのうち実務経験者は200名.工学系学会に所属する40歳以上の正会員から選ばれますが,実務経験者といっても大半は大学や高専の教授でして,一般企業人は非常に珍しいと言われています.多分20人もいないかも知れません.
毎年8月の初めに審査員研修があって,審査員としてのルールを確認します.
次に,受審校から送られてくる審査書類の書面審査です.
いつもはお盆前に届くので,お盆休みは1000ページ近くもある資料を読み,
受審校の問題点を探って行きます.
そして,11月の第1週か第2週の日曜日から火曜にかけ,実地審査をします.
今年で4回目ですが,まだまだ未熟だなと反省することも多くあります.
なお,実際の審査に関する情報は秘密ですので,「今年は○×大学に行って審査しました」などとは言えません.ご承知おき下さい.
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