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from: jun_zoさん
2007年03月05日 12時38分52秒
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女性観
拙文の続き、第2回です。
間違い箇所、事実誤認などお気づきの点につきましては、どしどしご意見をいただけると助かります。
1.中世末期からルネサンス期にかけての女性観
中世のヨーロッパで、人々の価値観の基盤となっていたものがキリスト教信仰であった。 聖書によれば、神はアダムをつくり、アダムのあばら骨からイヴをつくった。イヴは悪魔に誘惑にされて神に背き、禁断の木の実を食べるようにアダムを誘う。その結果、アダムとイヴは永遠の命を失い地上の苦しみを受けることになる。イヴの末裔である女は、その責任により誘惑者、罪人として懲らしめられることになった。
一方、罪をもたずに生まれた女はただ一人、イエス・キリストの母、聖母マリアだとされる。
中世のヨーロッパでは、「汝は夫に従属せねばならないだろう。そして彼は汝を支配するだろう」(創世記3章16節)という聖書にある価値観が女性観を支配した。女性は男を誘惑する罪深く不浄のもの、知恵と力で劣るものという考え方が根強くあったという。
これは、いまの私たちの価値観とはかなりかけ離れていると言っていい。
そのような価値観のもとで描かれた女性として、例えば「クレシタ・グレシンンジャー」著の「女を描く」に興味深い絵が紹介されている。1450年頃の「カタリーナ・ファン・クレーフェの時祷書」に載っている絵で、罪の木を中央に左側に裸体のイヴ、右側に着衣の聖母子が描かれている。
その上で天使が「罪の張本人たるイヴ、良きことの張本人たるマリア」と書かれた巻物を広げている。イヴの身体は、腕が細く下腹部が出ていて、足が短く今の私たちの美意識からすれば美しいとは言えない。
「女を描く」では、類似の絵画がもう一点紹介されている。1481年頃の「ザルツブルク大司教のミサ典書」に載っているミニアチュールなのだが、果樹の左側に着衣の聖母、右側に裸体のイヴが立っている。果樹の中には、左側に十字架のキリスト、右側に髑髏が描き込まれている。こちらのイヴは足が長く、豊満とまでは言えないが美しく描かれている。
以上2作は、中世絵画の女性表現のほんの一例に過ぎないが、当時のキリスト教の価値観のもとで女性がどう表現されたか理解する重要な手がかりになる。
ここで、キリスト教と絵画の関係を別な視点からもう少し見てみよう。
(・・第3回に続く)-
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