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from: jun_zoさん
2007年03月06日 21時38分13秒
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女性観(第4回)
拙文の4回目・・。誤りなど、ご指摘のほどよろしくお願いいたします。
古代ギリシャの影響を受けた古代ローマの美術。人体のいきいきとした表現は、ルネサンスの画家や彫刻家に大きな影響を与え、筋肉や骨格、身体の動きなどの表現がより人間らしく生き生きとしたものになっていく。
ダ・ヴィンチはスフマートを考案し、より柔らかな空間表現を実現した。当時、絵画と彫刻でどちらが芸術として優位かという論争が起き、ダ・ヴィンチとミケランジェロが対立したという。ミケランジェロと親しかったヴァザーリは、絵画、彫刻、建築はそれぞれ素描を基本にするもので優劣はつけられないという考え方を示し、アカデミア・デル・ディゼーニョ(素描アカデミー)を設立する。
ヴァザーリは、芸術は発展と衰退を波のように繰り返すと考え、ミケランジェロをその時代のピークの芸術家だと考えた。そのミケランジェロの彫刻に、メジチ礼拝堂の「夜」があるのだが…。
さて、ここから、いよいよ「絵画で、なぜ女性が豊かな体形に表現されるのか」という最初の問題提起に対する具体的な回答を提示していくことにしたい。
が、その前に、もう一度これまでの流れを振り返りつつ、不足部分を加筆する。
まず、中世の女性に対する考え方だが、聖母マリアの対極に罪深いイヴがいる。この時代は女性蔑視の見方が強く、女性の裸体は絵画の主題には当然なりえない。
ルネサンス期になると、イタリアの諸都市で壁画が盛んに描かれるようになり、古代ギリシャ文学や古代ローマの彫刻の影響から、より人間らしい表現が生まれてくる。
古代ギリシャでは、男子の教育制度にギムナジウムがあった。裸で理想の体形に鍛え上げ、様々なスポーツを競ったわけだが、その裸体が彫刻にもなった。ルネサンス期では、そのリアルな人体表現が再評価され、さらに美術解剖により人体の構造がよりリアルに追究される。
絵画の主題も、聖書の物語だけではなく、戦争やギリシャ神話などが取り上げられるようになり、いわゆる「歴史画」が最も優れた絵画表現と考えられるようになる。
もっとも、古代ギリシャの哲学や多神教の神話とキリスト教の価値観をどう融合させるかだいぶ腐心したはずなのだが・・。いずれにしても、それまでのキリスト教の価値観にはない、新しい表現として様々な女性の裸体が登場するようになる。メジチ礼拝堂の「夜」もそうした裸体表現の一つだと言っていい。
ここで、話を戻すことにする。(次回に続く)-
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