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from: jun_zoさん
2007年03月07日 21時58分09秒
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女性観(第5回)
拙文の第5回目・・。素人が書いていますので、誤りなどについてご意見をお寄せいただけると助かります。また、ご質問があれば後日調べてお答えしたいと考えています。
(以下、続き)
ここで、話を戻すことにする。実は、官能的な裸体画でお馴染みのティツィアーノが描いたダナエは、このミケランジェロの「夜」を意識したものだという説がある。確かに、女性のポーズが良く似ている。ティツィアーノは豊かな色彩を使うことで、ミケランジェロの表現にはない新しい人体表現を目指したという。
ヴァザーリは、このティツィアーノの作品を老ミケランジェロとともに見て、色は良いがデッサンを学んでいないと酷評したというのだが…。
ミケランジェロの描く女性は、男性的と言ってよいほどのたくましさがある。逆に言えば、女性的なふくよかさにいささか欠ける。ティツィアーノの表現は、女性の男性にはない柔らかさを描き、官能的な表現に満ちている。
ダナエの物語。これは、父親に幽閉されたダナエのもとにユピテルが黄金の雨となって降り注ぎ、交わるという話だ。ダナエがユピテルの訪問を恐れていたのか、待ち焦がれていたのか…。描写に画家の解釈が入るところだ。
いずれにせよ、ルネサンス期以降、19世紀中ごろまで、ヨーロッパでは歴史画がもっとも優れた絵画表現とされ、その中で特に女性をどう描くかが重要な課題となる。時代の頂点をめざす野心的な画家にとって、女性をどう描くかは、技量と才能の見せ所となる。
「絵画で、なぜ女性が豊かな体形に表現されるのか」という疑問には、以上述べてきたような経緯がある。ルネサンス期以降の女性の裸体表現については、後ほどレンブラントについて触れてみたいが、その前にどうしても見逃せないもう一つの動きがある。
冒頭述べたように、事情はそう簡単ではない。というのも、ルネサンス期からマニエリスム(技巧主義)の時代に入り、さらにバロック(ゆがんだ真珠)時代へと続くなかで、扇情的な官能的な女性表現ばかりが評価されたわけではないからだ。
キリスト教という宗教を軸とした絵画の展開において見逃せないのが、宗教改革だ。この宗教改革の大きなうねりの中で、カラヴァジョが登場する。
(以降、続く)-
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