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かわたれ美術研究会

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  • from: kanariさん

    2007年06月22日 14時00分48秒

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    イケメン

    デユーラーについて、ほんの少し考える(その1)    かなりえずき

     イケメン・・・ いやな言葉である。誰が言い出したのか。軽薄な業界のにおいがプンプンする、できれば使いたくなかった言葉である。でも、デユーラーのこの自画像をじっと視ていたら、思い浮かんでしまったのだ、この言葉が!
    私が最初にこの絵を見た時はイケメンなどという言葉はなかった。30年くらい前だったと思うがそのときは「おっ。ボブ・デイランに似てるじゃん。」と思ったのだ。
    ディランもほら、今見たいによれよれじゃなかったし、もじゃもじゃのあごひげと深いまなざしがカッコよかった頃である。

     この自画像が描かれたのは1500年、デユーラー29歳、ヨーロッパ中に名声が知れ渡り、飛ぶ鳥を落とす勢いと言うか絶好調の頃の自信がはっきりとうかがえる1枚である。
    キリストを意識しているのはまちはいないが、「自分が神のように偉大だ」と言っているわけではない。「神が芸術家としての私にインスピレーションを与えて下さる」と言いたいのだと思う。しかし、この端正な顔立ちと堂々と真正面を向いたポーズに、画家の意図した事ではないにせよ、ちょっと退いてしまうというか反感を覚えてしまう人も多いのではないか。

     彼が生まれた時代はまだドイツという国家は統一以前で、人々の命は日々、戦争、疫病におびやかされていた。
     その中にすっくと立つ、自分の画家としての使命とプライド、決意表明のような1枚と考えると、彼の崇高なまでの意識が見えてくる。 やはり、カッコいいのだ。

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    jun_zo

コメント: 全4件

from: kanariさん

2007年06月24日 13時53分18秒

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「Re:Re:イケメン」

> デューラーは、学生時代「メランコリア」のエッチングの模写を
> させられ、いくら緻密に細部を模写しても、とても追いつかない
> という、悪夢のような思い出しかありません。
>

それは恐ろしい体験をされましたね。よりによってあの「メランコリア」!!
いずれ画像をアップしますので お楽しみに。もう、みたくないか。

> いかにもドイツ職人肌の生真面目芸術(?)というのが僕の感想です。
> もっと、だらしなくていいかげんな絵が、本当は僕の好みなんですが、スミマセン(^^;)。
>

たしかに生真面目ですよね。それとイケメンのナルシスト!
つきあいたくない奴だったかもしれません。

> 下は辺鄙な場所で開催する小品展ですので、とってもヒマな方は
> おいでください。
>

千駄木にある天外天という店の麻婆豆腐はめちゃくちゃおいしいですよ。
辛いのが平気な方にはお勧めです。

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from: kanariさん

2007年06月24日 13時40分29秒

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「Re:Re:イケメン」

>  この自画像の右脇にある銘文は、
>  「ニュルンベルクのアルブレヒト・デューラー、
>   我自らを28歳の歳に不朽の色彩をもってかく描けり」
>  という意味だそうです。 
>  (秋山聡「デューラーと名声 芸術家のイメージ形成」)
>  
>  イエスが十字架上の死を遂げたと信じられていた歳が
>  28歳(三浦篤編「自画像の美術史」)とも・・。
>
>   1歳の差は満年齢か数えか・・なのでしょうか。

ご指摘 ありがとうございます。手元の資料だと29歳の作という事になっていますが、制作年1500から 生まれた年1471を単純に引いたものだと思います。
数えというのはきっと無いでしょう。

誕生日前の満年齢は28歳で、なにより画家自身の署名があるので、28歳が正しいと思います。イエスの没年を意識していたという三浦氏の説も興味深いですね。 お詫びして訂正します。
それから「今見たいに」を「今みたいに」
「まちはいはない」を「まちがいはない」にそれぞれ訂正します。

異論反論が混乱しないようにスレッド毎に毎回、タイトルを変えますので(今回イケメン)意見のやりとりはこちらで行い、本文の方はいちいち反応せずに進めてまいります。文体も「である調」で通します。

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from: papiyさん

2007年06月23日 21時56分16秒

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「Re:イケメン」

> デユーラーについて、ほんの少し考える(その1)    かなりえずき

デューラーは、学生時代「メランコリア」のエッチングの模写を
させられ、いくら緻密に細部を模写しても、とても追いつかない
という、悪夢のような思い出しかありません。

いかにもドイツ職人肌の生真面目芸術(?)というのが僕の感想です。
もっと、だらしなくていいかげんな絵が、本当は僕の好みなんですが、スミマセン(^^;)。

下は辺鄙な場所で開催する小品展ですので、とってもヒマな方は
おいでください。

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from: jun_zoさん

2007年06月23日 12時14分51秒

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「Re:イケメン」
>  この自画像が描かれたのは1500年、デユーラー29歳、ヨーロッパ中に名声が知れ渡り、飛ぶ鳥を落とす勢いと言うか絶好調の頃の自信がはっきりとうかがえる1枚である。

 待っていました〜!

 この自画像の右脇にある銘文は、
 「ニュルンベルクのアルブレヒト・デューラー、
  我自らを28歳の歳に不朽の色彩をもってかく描けり」
 という意味だそうです。 
 (秋山聡「デューラーと名声 芸術家のイメージ形成」)
 
 イエスが十字架上の死を遂げたと信じられていた歳が
 28歳(三浦篤編「自画像の美術史」)とも・・。

  1歳の差は満年齢か数えか・・なのでしょうか。

 ルネサンス期は、中世の職人としての画家が芸術家へと
 自らの意識を高めていった時代。

 この時期、人文主義という精神風土の中で、
 「人間は神に次ぐ創造者」といった解釈があったようですね。

 ・・なるほど、デューラーにもそんな意識があったのかと。
   外見的なカッコよさもありますが、
   やはり内面から溢れる自信でしょうか。

  続き、楽しみにしていま〜す。

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