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from: jun_zoさん
2007年12月24日 05時14分58秒
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ヤン・ファン・エイク
先日、古書店で「ヤン・ファン・エイク 光と空気の絵画」を購入。著者は、小林典子大谷女子大学教授。
ヤン・ファン・エイクの光と空気に満ちた表現が
どのようにして生まれたか、
これまでのヨーロッパの研究者による定説に挑戦する一冊。
日本人の研究者がここまで調べているとは驚きです。
ペトラルカに代表されるような
イタリアルネサンスの人文主義。
パリ大学を拠点に、
その対立軸にあったスコラ学、アリストテレス主義。
ファン・エイクの迫真性、
光と空気の表現が生まれた背景に、
アリストテレス主義に基づく自然主義があった。
シャルル五世の命によりアリストテレスの
三つの著書「政治学」「倫理学」「宇宙論」の翻訳が始まる。
これにより、数百の造語がフランス語に生まれたという。
学術、研究用のフランス語書物が次々に出版され、
そこで活躍したのが写本工房の画家たち。
ミニアチュールの制作が盛んになり
その延長線上にヤン・ファン・エイクのような画家が誕生する。
アリストテレス主義という当時の価値観が新たな表現の
インキュベータとなったことは間違いさそうだ。
古代・中世の光学。
「イタリア人文主義者たちが最も忌み嫌った北方の二つの思想的系譜(ひとつはアリストテレス、もうひとつはアラビア系譜)の光学が、パリ写本工房を介して、ヤン絵画の革新的創造の重要な契機として働いたと思われる」と小林は記す。
ヤンが達成した光と空気の表現。
光と空気に満たされた室内の光景は
フェルメールを連想させる。
・・まだ、最初の30数頁を読み始めたところ。
後日、また感想を述べたいと思います。
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