サークルで活動するには参加が必要です。
「サークルに参加する」ボタンをクリックしてください。
※参加を制限しているサークルもあります。
-
from: kanariさん
2008年05月27日 18時28分29秒
icon
感想ノート-9
「想い」
H.S.氏の作品。どちらかというと筆の遅い氏が今回、完成度を上げてきたなという印象。何年も前に同じ構図の習作を発表していて、今回ようやくここまでたどりついたと考えると、そのモチベーションの持続力、平たく言えば執念深さに拍手を送りたい。
近くでよく見ると、殆ど絵の具を使っていないことに驚く。必要最低限の、慎重で確実なタッチは、非常にコントロールのいいピッチャーや正確なパンチを当てるボクサーを連想させる。
3人の子供達の微妙な動き、逆行のシルエット、地面に延びた影、寄せ手は返して行く波の動き、見事にとらえられている。
そして、子供に対する親の想いが,抑制の効いた静かな画面だからこそ、じわりと見る者の胸にひびく。
寂しいといえば寂しい絵だが、氏の一つの到達点と考えていいと思う。(あとで本人にきいたらまだ未完成だそうだ。ガクッ)
絵の具をもっと乗せて行く事や、大作になると後ろ姿ばかりになってしまう点などに今後のさらなる課題も残されている。
コメント: 全0件