第3節 科学的時間論
果てのないのが宇宙の境界条件だ．
http://www.geocities.jp/enten_eller1120/easy/gendai-3.html

アインシュタインの一般相対性理論によって予言された膨張宇宙論（アインシュタイン自身は静的宇宙観をもっていた）は，ハッブルによって証明されました．つまり，われわれの宇宙は時間とともに膨張しているというのです．そしてさらにガモフによりビッグバン理論が提唱されました．ガモフによると，われわれの宇宙の初期は火の玉であったというのです．このとき，ガモフはこのようなビッグバンが存在したとするなら，現代の宇宙の温度は5度Kから7度Ｋくらいだろうと予測したのですが，1965年，ペンジアスとウィルソンによって，宇宙のあらゆる方向から一様にやってくる3度Kの黒体輻射が発見され，このビッグバン理論の大きな証拠となったのでした．

ビッグバン宇宙提唱後も，宇宙は収縮と膨張を繰り返してきたのではないかと考えられてきましたが，ホーキングとペンローズが，1970年，現在の宇宙膨張の事実を認めるかぎりにおいては宇宙は必ず特異点からはじまらなければならないという「特異点定理」を数学的に証明し，それによって「宇宙のはじまり」が科学によって議論されることになりました．

さて，量子力学によると，「無」の状態においてもエネルギーは揺らいでおり，そのエネルギーの揺らぎにより，宇宙は創生されたとされます．このときの宇宙の生成は量子力学的トンネル効果によって説明されるますが，ファインマン（1918-1988）の経路積分法によればトンネル効果において（今われわれが感じている時間を実数時間としたならば）時間は虚数になっており，ホーキングはこのことから「無境界仮説」を唱えました．

無境界仮説とは，時間は宇宙のはじまりにおいては虚数であったとする仮説です．時間が虚数ならば相対論的には時間と空間の区別がなくなる．それゆえ，時空を閉じたものとして考えることができ，3次元球上の2次元曲面（たとえば地球表面）のように端がない（すなわち，境界がない）時空を考えることが出来るというのです．
そうすると，地球上において「北極より北」というものを考えることが無意味なように，時空においても「時間がはじまる前」というものを考えることが無意味となります．ホーキングはそのような虚時間こそが「真の」時間だといいます．こうしてホーキングはみずから証明した特異点定理をうまく避けるようにして時間のはじまりを議論することに成功しました．


駄文：
先のスレッドで、ホワイトホールとブラックホールはまったく別の話、として扱っていますが、その際立った違いは、時間の扱い方でしょう、時間を認識する方法の時代的変遷が宇宙論と同じくありましたが、私は、時間も、空間も、物質も、人類も、その関係の複雑さから一時的に優先処置（立場によって解析への情熱が違うので）されますが、ずべて存在し、同時に、同じ量の真実ではないかと、超唯物論な私でした、

メモ：難解な文章には、息抜き改行を追加してあります、