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from: 謎のみっしょんすくーるさん
2007/10/22 17:00:00
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10月22日月曜日
3度目はLong good-bye
神戸忠雄
第3章 2度目のgood-bye
(十二)
気がつけば,私は,カウンタで,寝てしまっていた。呑み過ぎたのであろう,私自身,ジョッキの4杯目が終わったところで,一升瓶に切り替えたことは,記憶に残っている。しかしながら,それ以降,不確かな部分が多いのである。1人で呑んでいたとはいえ,非常に恥ずかしい失態である。店の中では,客は私1人になっていた。私は,記憶を辿りながら,次に何をしなければならないのかを考えようとした。その答えは,難しいものではなかった。そう,仕事である。夜間の仕事に戻らなければならないのである。
「まだ14時ですよ」そんなお姉ちゃんの笑顔に,私は安堵の気分で満たされた。
「よかった」私は,本気で,そう呟いた。
とにかく私は,会計を済ませるために,お姉ちゃんにいくらか聞いた。全部で2千円,安いものである。ビール1杯が250円に,一升瓶1本が1千円なのであろう。
私は,ポケットに入れてあった給料袋の束から,昨日の支払いで封を開けた給料袋を取り出し,その中から千円札を2枚出した。
支払いを終え,席を立ち,外に出ようとしたとき,お姉ちゃんから「バスまで1時間半ほどありますよ」といわれた。確かに,昨日は,たまたまタイミングが良く,呑み終わったときにバスが出たが,現場と飲み屋の間をピストン輸送されているとはいえ,時間は定時運行なのであろう。私は,もう一度席に戻り,気持ちを落ち着かせた。ただ,気分的に呑むわけにはいかない。そう,まだ時間があるとはいえ,夜間の仕事に備えなければならないからだ。もちろん,飲んだくれた状態で仕事をしても良いのかも知れない。しかしながら,酔っぱらって仕事をしてた状態で怪我でもしたら,それこそ目も当てられない。そう判断して,私は暖かいお茶を頼んだ。
「まじめなんですね」お姉ちゃんは,そんなことをいいながら,湯気が上がった湯飲みを出してくれた。私は少し微笑み返して,湯飲みを持ち上げようとした。
熱い。瞬間的に手を引っ込め,指先を耳たぶにあてた。
お姉ちゃんは,いつもの他の客に魅せる微笑み以上の笑顔になったように思えた。
「聞いていいですか」私は,そんな笑顔を勘違いしたのか,ずけずけとお姉ちゃんに質問しようとした。それに対して,お姉ちゃんは「いいですよ」と,快く返答してくれた。
「ご結婚はまだですか?」「今,おつきあいしている人は?」そんな野暮ったい質問にも,お姉ちゃんはしっかりと返答してくれた。お姉ちゃんは,結婚もまだ,おつきあいしている男性もなし,迫られているのは,飲んだくれた職人だけ,という返答であった。
私は,冗談かどうか,自分でもよく分からなかったが「私はどうですか?」とストレートに聞いてみた。この質問に対しては,返答を渋っていたようだ。多分であるが,私に気はないものの,断ってしまったら魅せに来てくれなくなる可能性があるため,飲み屋の看板娘として返答できないのであろう,と私は思っていた。
*=*=*=*=*
東京から帰ってくる飛行機の中と,病院の待ち時間で書いてみました。
書いていて,方向性が分からなくなってしまった。。。
ま,とにかく,この章は,メインの章になるので,少し長めになります。
って,誰も読んでないか。。。
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