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from: 謎のみっしょんすくーるさん
2007年11月19日 22時26分47秒
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11月19日月曜日
3度目はLong good-bye
神戸忠雄
第3章 2度目のgood-bye
(二十三)
電話は留守番電話になっていた。考えてみれば当たり前のことである。定職を持っている人間に対して,平日の午前中に,自宅に電話をかけても出るわけがない。私は,留守番電話に簡単に後日電話をかけることを吹き込み,その日一日は,アパートで音楽鑑賞をすることにした。
骨董品ともいうべき,真空管アンプで鳴らしたレコードは,本当にまろやかな音だ。トランジスタやIC,LSIを通した音など偽物だ。とわがままな発想でベートーヴェンの交響曲第7番イ長調作品92を,バーンスタイン指揮,ウィーンフィルハーモニー演奏のレコードをかけた。レコードをターンテーブルにセットし,33分の1に回転スピードを合わせて回転させた。そして,緊張する瞬間,そう針をおとす時である。いつもながら精神を集中させなければならない時である。
ドンッ,という針が落ちる音がスピーカーから流れると,パチパチッという針が静電気と接する音が続く。その内に音が無くなり,精神的に落ち着きを取り戻せる。そうすると,私はターンテーブルから離れ,ソファーに座った。
イ長調の第1楽章は,まずオーボエがソロが緊張を走らせる。そして,長大な上昇長音階の序奏が部屋中に響いた。そして,フルートの第1主題は,快適なソロのメロディーだ。そこから付点音符の動機が全身にリズム感を与える。
イ短調の第2楽章は,第1楽章の4分の4拍子から,4分の2拍子へと変動し,リズム感のあるAllegrettoとなる。ワーグナーは,この楽章をさして「不滅のアレグレット」と呼んでいる。また,シューマンは,この主題を基に変奏曲を遺している。頑なに同音が反復されつづけられてはいる旋律の中にある現代的にも通用するような和声の変化が自分自身への変化を促しているように思えた。
第2楽章が終わると,私はソファーを立ち,ターンテーブルへと向かった。そう,B面への反転である。CDであれば,そんなことを気にしなくても,そのまま第3楽章,第4楽章と続けて聴くことができるのであろう。しかし,レコードである。面倒ではあるが,この作業が,聴くという行為に集中できるのだ。そんなわがままな持論を考えながら,面倒なレコードの反転を行った。針をホルダに戻し,回転を止めた。そしてレコードの表面を触らないように,レコードの薄い側面を両手で挟み込むようにしてレコードを持ち上げ,反転させた。そして,レコードをターンテーブルに戻し,回転させてから針をおとした。
そんな単純ながら緊張させられる行為を終えた私は,ソファーに戻った。
ヘ長調の第3楽章が始まる。テンポのいい4分の3拍子が気分を高揚させる。ゆっくりと落ち着いたテンポに戻りながら,木管の長く続く響きが,気分がさらに高揚してくる。そして,第4楽章へと繋がる最後では,またテンポが上がる。
イ長調の第4楽章は,4分の2拍子。同一なリズムが執拗に反復され,2拍目のいわゆる裏拍にアクセントが置かれている。そんな現代でも通用するリズムは,オーケストラの演奏者全体が踊るように演奏している風景が目の前に現れてきた。
*=*=*=*=*
今日は,なんか疲れました。卒論の実験も追い込みになってますし,頑張らないとね。-
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